

東京電機大学 講座「ライフラインを中心とした都市の防災」教授。中央大学、東京大学にて、一貫して地震工学、都市の地震防災に関する教育と研究に従事。阪神・淡路大震災後、防災科学技術研究所所長として、新研究分野の開拓とプロジェクト化を推進してきた。
6年の研究期間もついに折り返し点を過ぎた。
折り返し点という言葉を聞くと、いつも頭に浮かぶのはマラソンである。元気にトップグループに属して折り返していく選手、何とか上位に食い込もうと2番手、3番手のグループの中で頑張る選手、もはや完走だけが目的のように見える疲れ切った選手。スポーツマンシップの立場からは、どの選手にもエールを送りたいのはやまやまだ。
しかし、「犯罪からの子どもの安全」という研究領域のマネジメントをしている立場としては、そう言ってはいられない。この経済不況の中で国費を使ったプロジェクトである以上は、元気のない選手を見限ることも考えなければならないだろう。少なくとも、初めに提出された計画通りに予算を差し上げるわけにはいかなくなる。
先日、私たちの領域に関係する分科会による3年目の中間評価を受けた。個々のプロジェクトではなく、領域そのものの中間評価である。いくつもの示唆に富んだコメントをいただいたが、その中でもっとも手厳しいのは、「プロジェクト間の連携が不十分なのではないか。このままでは領域全体としての成果を得ることは難しい」というものであった。プロジェクト間の連携、プロジェクトと外部関連機関との連携は、私たちがつねに気をつけてきたことである。
プロジェクト間、プロジェクトと外部機関との連携の芽はだんだん見えるようになったと信じている。しかし、評価委員の方々の目には、まだまだ不十分と映っているのだ。後半3年のもっとも大切な仕事は、社会実装に結びつく成果が出るような舵とりと、いろいろなレベルでの連携の促進であると考えている。