
研究開発期間 平成19年度~

安全教育、e-learning、安全効力感、自尊感情
自尊感情や自己肯定感を基盤とした安全効力感、主体的な危険回避能力、さらには社会とのつながりの中で安全を共感し共有しようという安全意識の形成を目的とした、小学生向けの安全教育のe-learning教材を開発する。また、複数の実験協力校において、教材の使用効果について検証した上で、開発期間内に内容の充実をはかり、最終的に教材をWeb上で無償公開する予定である。
子どもたちの安全を脅かす犯罪が数多く発生し、その目的や手法が多様化してきている現代において、子どもたちの安全推進には、子どもたち自身の安全能力の向上がなにより必要とされ、そのためには「かけがえのない自分の安全は自分で守る」という主体的な考え方が重要な要因となる。このような主体的な考えを育成するためには、体系化されたカリキュラムのもと、継続的に安全教育を行っていく必要があるが、現在の学校等で行われている安全教育は、継続的計画的に行われているものが少ない。また、子どもの発達段階に応じた教材の体系化や保護者や地域の人々の参加といった多面的な視点からの検討が必要であるが、現状では十分に行われていない状況にある。
小学校で展開される従来型の安全教育では、危険発生論に基づいて構成されることが多く、そのため子どもたちに社会に対する不安感や不信感を派生させてしまうことがあった。そこで本プロジェクトでは、自尊感情や自己肯定感を基盤とした「安全効力感」の育成や主体的な危険回避能力の改善、さらには社会とのつながりの中で安全を共感し共有しようとする安全意識の形成と発展を目的とした、小学生を対象とするe-learning教材を開発し、その有効性を検証したいと考えている。また併せて、日本各地の小学校教員による安全教育への取り組みを促すために、開発したe-learningの各教材に指導案例集を作成して、それをネット環境上でダウンロード可能な配布システムを整備し、本e-learning教材の普及と充実を図る予定である。
安全教育とその周辺領域を専門とする大学教員、安全教育を実践している小学校教員(例:大阪教育大学附属池田小学校教員)、システム開発を担当する業者が連携して、e-learning教材の開発を進めている。
実証実験は、まず附属池田小学校にて実施し、その後、全国各地の一般校において実施する予定である(8校ほどを予定している)。
小学生を対象として、e-learningシステムの運用を通じた安全教育効果の測定とその検証作業を進める。具体的には、一連の単元学習の前後において測定した「主体的安全意識」と「自尊感情や自己効力感」、「対人信頼感」のスコア差やその関連性、保護者の参加程度が教育効果に及ぼす影響などに関する検討を通じて、より普及的で効果的なe-learningシステムを用いた安全教育教材の完成を目指したいと考えている。特に、地域関係者や保護者といった子どもの安全を見守る人々の携帯電話を用いた安全学習への参加に焦点をあて、e-learning教材の活用による多面的な教育効果の比較検討を行い、本件e-learning教材の有効性・妥当性を検証していきたいと考えている。
本件プロジェクト完了時には、作成されたe-learning教材をweb上で無償公開するとともに、本教材利用者の参加による研究発表会等の場を継続的に開催することを通じて、わが国のすべての小学校で共用可能な安全学習教材としての紹介・提案を行っていきたいと考えている。またe-learningシステム中の教材内容の見直しを継続しつつ維持管理していくために「子どもの安全」に関わる研究組織を大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンター内にプロジェクト事業として立ち上げるとともに、将来的には各種関連企業体からの協賛を含めたサーバメンテナンス費用確保の可能性を検討していきたいと考えている。
報告書などはこちらからご覧いただけます。
【プロジェクト実施者】
大阪教育大学附属池田小学校






【プロジェクトに協力する関与者】







