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お風呂で起きやすい子どもの事故と安全対策

お風呂は、親子が一緒に過ごす場所です。大人がすぐそばにいることが多いため、家の中でも比較的安全な場所のように感じるかもしれません。

けれども、子どもの水の事故を考えると、浴槽は決して見過ごせない場所です。

108件

こども家庭庁が厚生労働省の人口動態調査を基にまとめた2020〜2024年のデータでは、14歳以下の「不慮の溺死及び溺水」は232件あり、その原因は浴槽での溺水が108件と最も多く、海・川など自然水域の90件を上回っています。特に0〜3歳では浴槽での事故が多く発生しています。

しかも、お風呂の事故は入浴中だけではありません。入浴後の残し湯をのぞき込んで浴槽へ落ちる。濡れた床で滑る。浴槽の蓋に乗って転落する。熱い湯でやけどする。置いてあった洗剤やカミソリへ手を伸ばす。

東京都も、浴室にある代表的な危険として、残し湯、洗面器に残った水、洗剤、滑りやすい床、子どもだけで浴室へ入ることを挙げています。

大切なのは、「お風呂では目を離さない」と頑張るだけではありません。見守りと一緒に、次の4つがそろった浴室を作っていきましょう。

  • 一人で浴室へ入れない
  • 水を残さない
  • 滑りにくくする
  • 危険な物へ手が届かない

このページでは、お風呂で起きやすい子どもの事故と、家庭で取り入れられる安全対策を紹介します。

このページでわかること

  • 子どものお風呂事故で特に注意したいこと
  • 浴槽での溺水を防ぐ入浴方法
  • 残し湯を残さない方がよい理由
  • 浴室への一人での侵入を防ぐ方法
  • 転倒・やけど・浴槽の蓋による事故
  • お風呂で事故が起きたときの対応
目次

お風呂ではどんな子どもの事故が起きる?

浴室には、水だけでなく滑りやすい床、熱い湯、洗剤、刃物など、事故につながる物がいくつもあります。まず「お風呂では何が起きるのか」をまとめて確認してみましょう。

浴室での場面起こり得る事故最初に確認したいこと
浴槽に入っている溺水大人の見守り
浴槽をのぞく転落・溺水残し湯
濡れた床を歩く転倒・打撲滑りやすさ
熱い湯へ入るやけど湯温
浴槽の蓋へ乗る転落・溺水蓋の使い方
洗面器に水を残す溺水使用後の水
洗剤へ触る誤飲・目や皮膚への接触保管場所
カミソリへ触る切り傷収納場所

東京都も、お風呂場では残し湯だけでなく、洗面器の水、洗剤類、滑りやすい床などを子どもの事故につながる環境として挙げています。一つだけ対策して終わりではなく、水・床・温度・浴室用品を順番に見ていくと、安全確認がしやすくなります。

子どもの水の事故では浴槽での溺水が多い

「子どもの水の事故」と聞くと、海や川、プールを思い浮かべる方も多いでしょう。ところが、小さな子どもにとっては、毎日使う家庭の浴槽も重要な水の事故の場所です。

2020〜2024年では浴槽での溺水が最多

こども家庭庁によると、2020〜2024年の14歳以下の不慮の溺死・溺水232件のうち、浴槽によるものは108件でした。同じ期間の内訳は次のとおりです。

場所件数
浴槽108件
海・川などの自然水域90件
その他31件
プール3件

さらに年齢別では、0〜3歳で浴槽の事故が多くなっています。毎日の入浴だからこそ、特別な危険として意識しにくいところがあります。「今日は家のお風呂だから大丈夫」ではなく、日常的に使う水場だからこそ、毎日の仕組みで事故を防ぐことが大切です。

乳幼児は浅い水でも溺れる

乳幼児は、大人のように水の中で体勢を立て直したり、顔を自分で水面へ出したりできるとは限りません。消費者庁は、家庭内の子どもの溺水事故について、わずかな水深でも事故が発生していると注意喚起しています。

「浴槽いっぱいに水が入っていなければ安全」と考えないことが大切です。東京都も、洗面器に残った程度の水であっても、鼻と口を塞ぐ水深があれば子どもが溺れる可能性があるとしています。

見るべきなのは水の量ではなく、子どもの顔が水で覆われる状態にならないかです。

子どもは静かに溺れることがある

大人が想像する「溺れている姿」と、実際の子どもの溺水は違う場合があります。水を激しく叩き、大きな声を出して助けを求めるとは限りません。

「溺れたらバシャバシャする」とは限らない

こども家庭庁は、子どもは音を立てず、静かに溺れることがあると注意喚起しています。消費者庁も同様に、「少しの時間」「少しの水量」と油断しないよう呼びかけています。

隣にいるから音で気づける。何かあれば泣くだろう。そう考えず、浴槽にいる間は実際に子どもの様子を見ることが必要です。

数秒だけ目を離す場面にも注意する

入浴中には、思っている以上に視線が外れる場面があります。タオルを取る。着替えを取りに行く。シャンプーを流す。上の子へ声を掛ける。

こども家庭庁は、タオルや着替えを取りに行くような「ほんの数秒と思える時間」でも、子どもより先に浴室を出た隙に溺水事故が起きているとしています。その数秒をなくすため、入浴前に必要な物をまとめて準備しておきます。

洗髪中は子どもを浴槽から出す

自分の髪を洗うときは、目を閉じたり下を向いたりして、子どもの状態を確認できなくなります。こども家庭庁と消費者庁は、大人が洗髪する際には子どもを浴槽から出すよう案内しています。

「同じ浴室にいるから大丈夫」ではなく、見えなくなる時間には浴槽へ一人で残さないと考えてください。

子どもは大人の後に入り、先に浴室から出す

入浴の順番も、お風呂の安全対策になります。こども家庭庁と消費者庁は、子どもを大人の後に浴室へ入れ、浴室から出る際には子どもを先に出すよう案内しています。

入浴前にタオルと着替えを準備する

お風呂へ入ってから「タオルを忘れた」「おむつを持ってきていない」と気づくと、浴室を離れたくなります。そこで入浴前に、次の物をまとめて準備します。

  • バスタオル
  • 子どもの着替え
  • おむつ
  • 大人の着替え
  • 入浴後に使う物

毎日同じ場所へ置くようにすると、準備そのものも負担になりにくくなります。

子どもを浴槽へ残して大人が先に出ない

脱衣所へタオルを取りに行くだけでも、子どもから目が離れます。浴室を出るときは子どもを先に出し、自分だけ先に脱衣所へ移動しないようにします。まだ一人で安全に待つことが難しい年齢なら、その子の発達に合った安全な方法で入浴の順番を組み立ててください。

きょうだいだけで浴槽へ残さない

「お兄ちゃんが一緒だから大丈夫」と感じることもあるかもしれません。しかし、こども家庭庁は、年上の子どもと一緒に入浴しているときにも溺水事故が発生しているとして、必ず大人が付き添うよう案内しています。上の子に下の子の安全を任せるのではなく、大人が見守る前提で考えましょう。

浮き輪があっても目を離さない

浴槽用の浮き輪や首掛け式の浮き輪を使えば、子どもが水に浮いた状態になるため安心に見えるかもしれません。しかし、浮き輪は大人の見守りの代わりにはなりません。

お風呂用浮き輪は見守りの代わりにならない

消費者庁には、首掛け式乳幼児用浮き輪を付けて浴槽へ浮かべていた0歳児が、保護者が目を離している間に意識を失い、その後死亡が確認された事故が報告されています。また、座るタイプの浴槽用浮き輪が回転し、乳児の顔が水中へ入った事故も報告されています。

「浮き輪を付けたから洗髪できる」と考えないようにしてください。

浮いているから安全とは考えない

消費者庁は、首浮き輪について、乳幼児の入浴を補助する「便利グッズ」として使用し、保護者が洗髪などで目を離す使い方をしないよう注意喚起しています。浮き輪を使っていても、子どもから一瞬でも目を離してよいという意味にはなりません。

使用する場合は対象年齢や製品の取扱説明書を確認し、子どもを浮かせたまま大人が別の作業をする使い方は避けます。

入浴後は浴槽の水を抜く

お風呂の安全対策で見落としやすいのが、入浴が終わった後です。子どもが一人で浴室へ入れる状態で浴槽に水が残っていれば、そこには次の事故条件が残っています。

子どもが一人で浴室へ入ることがある

つかまり立ちや歩行が始まると、子どもの行動範囲は一気に広がります。浴室へ入り、浴槽の中を見ようと身を乗り出せば、頭から浴槽へ落ちる可能性があります。

こども家庭庁は0〜2歳頃の事故として、子どもが浴室へ入り、浴槽をのぞき込んで転落して溺れる危険を挙げています。昨日まで浴室へ行かなかったからといって、明日も行かないとは限りません。

残し湯も事故要因になる

消費者庁には、前夜の残り湯がたまった浴槽に1歳児が浮かんでいる状態で発見され、呼吸が停止していた事故も報告されています。

小さな子どもがいる間は、入浴後に浴槽の水を抜くことを習慣にするよう、こども家庭庁と消費者庁が案内しています。洗濯などに残り湯を使う家庭もありますが、子どもの安全という面では、水が浴槽に残っている時間そのものが事故条件になります。

お湯をためている途中も浴室へ入れない

注意したいのは入浴後だけではありません。入浴前のお湯張り中も、浴槽には水がたまっています。こども家庭庁は、お湯をためている間はベビーゲートなどを使い、子どもが浴室へ近づけないようにすることを勧めています。

「まだお風呂に入っていないから安全」ではありません。浴槽に水がある時間はすべて安全対策が必要な時間と考えてください。

浴室へ子どもだけで入れないようにする

浴槽の水を抜くことと同時に、子ども自身が一人で浴室へ入れない環境を作ります。「入っちゃダメだよ」と教えることも大切ですが、小さな子どもの安全を言葉だけに任せる必要はありません。

手の届かない位置にチャイルドロックを付ける

東京都は、子どもが気づかないうちに一人で浴室へ入ることを防ぐため、子どもの手が届かない位置へのチャイルドロック設置を案内しています。浴室ドアの構造によって使用できる製品は異なります。設置する場合は、ドアの開閉や緊急時の動線を妨げないことも含め、製品の使用方法を確認してください。

ベビーゲートを使える環境なら検討する

浴室そのものへロックを付けにくい場合は、脱衣所へ入る前の場所などでベビーゲートを使えることもあります。こども家庭庁と消費者庁も、子どもだけで浴室へ近づかせない方法としてベビーゲートを挙げています。住宅の間取りに合わせ、一人で水へ近づけない境界を作ります。

鍵を付けても子どもの成長に合わせて見直す

最初は届かなかったドアノブやロックへ、ある日突然手が届くようになります。踏み台や洗面所の椅子を動かすことを覚えれば、さらに届く範囲は広がります。「去年付けたから大丈夫」ではなく、今の子どもが開けられないかを定期的に確認してください。

家族全員で浴室ドアを閉める習慣をそろえる

ロックやゲートがあっても、誰かが開けたままにすれば機能しません。大人だけでなく、きょうだいや祖父母など、一緒に生活する人にも「使った後は浴室のドアを閉める」というルールを共有しておくと安全対策が続きやすくなります。

洗面器やバケツにも水を残さない

浴室で水がたまるのは浴槽だけではありません。洗面器、手桶、バケツなどにも水が残ります。

使用後の洗面器は空にする

東京都は、洗面器に張った程度の水でも、鼻と口が塞がる水深で子どもが溺れる可能性があるとして、浴室を出る際には水を捨てるよう案内しています。洗面器は毎日使うため、水を捨てる行動も入浴後の習慣にしてしまうと忘れにくくなります。

バケツや手桶も水を捨てる

消費者庁は、浴槽だけでなく洗面器やバケツにも使用後の水をためたままにしないよう呼びかけています。掃除用のバケツなども、使用したら水を捨て、子どもが自由に触れない場所へ戻します。

水を入れた容器を床へ置いたままにしない

子どもは「これは危ない水」「これは掃除用」と区別して近づくわけではありません。水が入った容器が床にあれば、のぞき込んだり、中に手を入れたりする可能性があります。水をためた容器を子どもの生活空間へ置いたままにしないことを基本にしましょう。

滑りやすい床と浴槽での転倒を防ぐ

浴室は常に水を使うため、家の中でも滑りやすい場所です。溺水対策ができていても、床で転倒して頭や顔を打つ事故は残ります。

濡れた床で走らせない

体を洗う場所には、水だけでなく石けんやシャンプーも流れます。そこへ子どもが走って入れば、足を滑らせることがあります。「お風呂では歩こうね」と伝えつつ、水や泡が床へ残ったら流すなど環境側でも滑りにくくします。

風呂椅子へ立たせない

消費者庁には、1歳児が風呂場の椅子へ立ち、滑って顔を床へ打ち、目尻を4針縫うけがをした事故が報告されています。

風呂椅子は子どもにとって登れる高さですが、立って使う物ではありません。座る物であることを伝え、登って遊び始めたら止めます。

必要に応じて滑り止めを使う

東京都は、浴室内の床や浴槽内が滑りやすいことから、滑り止めシールやマットなどの活用を案内しています。使用する場合は、ずれたりめくれたりして逆につまずく原因になっていないかも確認してください。浴室に合った製品を選び、定期的に状態を見直します。

浴槽をまたぐときは支える

子どもが自分で浴槽をまたごうとすると、片足立ちになった瞬間にバランスを崩すことがあります。浴槽の高さに対してまだ安定してまたげない時期は、大人が体を支えるなどして安全に出入りさせてください。

「昨日一人でできたから今日も大丈夫」とは限りません。濡れた浴室では普段と足元の条件が違います。

浴槽の蓋へ子どもを乗せない

浴槽の蓋は平らなので、赤ちゃんを一時的に寝かせる場所として使えそうに見えることがあります。しかし、子どもの体重を支える寝台として作られた物ではありません。

浴槽の蓋は子どもの寝台ではない

消費者庁には、保護者が洗髪する間、4か月の乳児を浴槽の蓋へ寝かせていたところ、子どもが動いて床へ転落し、頭部骨折で約10日間入院した事故があります。また、浴槽の蓋の上から浴槽内へ転落し、全身が湯につかった事故も報告されています。

「少しだけなら」と置かないようにしてください。

ベビーバスも浴槽の蓋の上で使わない

2024年には消費者庁が、ベビーバスを浴槽の蓋の上で使用することについて改めて注意喚起しています。浴槽の蓋の上に置いたベビーバスから乳児が浴槽へ転落して死亡した事故や、保護者の足が引っ掛かって蓋がずれ、ベビーバスごと浴槽へ落ちた事故が報告されています。

ベビーバスは、取扱説明書で指定された安定した場所で使用してください。

着替えやタオルは先に準備する

浴槽の蓋へ子どもを一時的に置きたくなる理由の一つが、「ちょっとタオルを取りたい」という場面です。必要な物を入浴前に用意しておけば、この「少しだけ置く」を減らせます。事故対策は、大きな設備だけでなく日々の準備でも変えられます。

熱い湯によるやけどを防ぐ

お風呂では水の事故だけでなく、熱い湯によるやけどにも注意します。給湯器の設定温度を変更した後などは、いつもの感覚だけで入浴させないようにしましょう。

浴槽へ入れる前に湯温を確認する

消費者庁には、浴槽の設定温度が48℃になっていることに気づかず2歳児を入浴させ、太ももから足首にかけてやけどを負った事故が報告されています。

お湯を張った後は、子どもを入れる前に温度を確認します。

自動給湯でも設定温度を確認する

自動で湯張りできる浴室でも、設定自体がいつもと同じとは限りません。家族が温度設定を変更した、追いだきしたなど、いつもと条件が違う場合があります。機械に任せきりにせず、子どもを入れる前に実際の湯の状態を確認してください。

赤ちゃんの沐浴では湯温計も使う

消費者庁は、ベビーバスでの沐浴について、大人の入浴よりややぬるめの38〜40℃を目安とし、手の感覚だけではなく湯温計で測るよう案内しています。これは沐浴時の目安です。子どもの年齢や使用する製品、体調なども考慮し、適切な方法で湯温を確認してください。

シャンプー・洗剤・カミソリは手の届かない場所へ置く

浴室には、大人には日用品でも、子どもには触ってみたくなる物がたくさんあります。ボトルを押す、ふたを開ける、泡を出すといった行動が、誤飲やけがにつながることがあります。

シャンプー・ボディソープを遊び道具にしない

ポンプを押せるようになると、シャンプーやボディソープを何度も出して遊ぶことがあります。口や目へ入れば体調不良や刺激症状の原因になる可能性があります。普段使用するときも、必要のないときに子どもが自由に触れ続けられる場所へ置かないようにします。

浴室用洗剤は適切な場所へ保管する

東京都は、浴室用洗剤やシャンプーなどを子どもの手の届かない場所へ保管するよう案内しています。

消費者庁には、1歳児が浴槽の蓋の上で風呂用洗剤のスプレーを触り、口の周りや服に泡が付き、その後嘔吐が続いて入院した事故もあります。

洗剤は使用後、その場へ置きっぱなしにせず保管場所へ戻します。

カミソリ・ハサミなどを置きっぱなしにしない

消費者庁には、保護者がシャンプーを取ろうとして近くにあったカミソリを落とし、4歳児が拾って握ったことで指を4針縫うけがをした事故があります。

カミソリは使用後すぐに、子どもの手が届かないところへ保管してください。「高い棚に置いたつもり」でも、子どもが椅子を使えば届くことがあります。今の子どもの行動に合わせて保管場所を見直します。

掃除用品を浴室床へ置いたままにしない

カビ取り剤や漂白剤など、浴室掃除に使う製品も子どもの中毒事故につながる可能性があります。日本中毒情報センターは、家庭用洗剤なども中毒事故の原因になるとして、子どもの手や目に触れる場所へ置かないよう注意を促しています。掃除が終わったら、製品表示に従って片づけましょう。

お風呂の安全対策は子どもの成長に合わせて変える

浴室で危険になる行動は、子どもの成長とともに変わります。まだ寝返りもしない時期と、自分でドアを開けて浴槽へ近づける時期では、必要な対策も違います。

発達の目安起こりやすい行動見直したい場所
ねんね・沐浴期ベビーバスから動く沐浴場所・湯温
ハイハイ浴室へ近づくドア・ゲート
つかまり立ち浴槽をのぞく残し湯
1〜2歳頃浴槽へ登ろうとする水・侵入防止
2〜3歳頃椅子へ立つ・走る床・風呂椅子
3歳以降自分で洗う・遊ぶ湯温・洗剤・使い方

年齢はあくまで目安です。見るべきなのは、次のような今の行動です。

  • 浴室まで自分で行けるか
  • ドアを開けられるか
  • 浴槽をのぞけるか
  • 風呂椅子へ登れるか

できることが一つ増えたら、安全対策も一度見直しましょう。

親が一人で子どもをお風呂に入れるときの流れ

一人で子どもをお風呂へ入れる日は、入浴中に何かを取りに行かなくて済むように準備しておくと安全につながります。家庭によって間取りや子どもの年齢は違うため、次の流れを基本にしながら安全に待てる場所を確保してください。

  1. 入浴前に必要な物を全部準備する
  2. 大人が先に入り、子どもを後から入れる
  3. 洗髪中は浴槽へ一人で入れておかない
  4. 子どもを先に浴室から出す
  5. 浴槽・洗面器の水を処理する

入浴前に必要な物を全部準備する

入る前に、タオル、着替え、おむつなどを用意します。入浴後に使う物までまとめて置いておけば、途中で浴室を離れる理由を減らせます。お湯をためている間も、子どもが浴室へ一人で入れないようにします。

大人が先に入り、子どもを後から入れる

こども家庭庁は、子どもを大人の後から浴室へ入れるよう案内しています。ただし、そのために子どもを危険な場所へ一人で待たせてはいけません。子どもの年齢や家庭環境に応じ、安全に待てる場所を確保したうえで入浴の順番を考えてください。

洗髪中は浴槽へ一人で入れておかない

自分の髪を洗う間は、子どもを浴槽から出します。浮き輪を使っている場合でも同じです。「すぐ横にいるから」ではなく、目が離れる時間に浴槽へ一人にしないことを基本にします。

子どもを先に浴室から出す

入浴が終わったら、子どもを先に浴室から出します。大人が先に出て、自分の着替えやタオルを準備している間に子どもだけを浴槽へ残さないようにします。

入浴後は浴槽・洗面器の水を処理する

最後に浴槽の水を抜き、洗面器やバケツに残った水も捨てます。そのうえで浴室ドアを閉め、必要なロックやゲートを元へ戻します。

入浴終了=安全対策終了ではなく、水がなくなり一人で入れない状態になって終了と考えると分かりやすくなります。

3分でできるお風呂の安全チェック

毎日使う浴室だからこそ、難しいチェック表より短時間で確認できる方が続きます。今日の入浴後に、次の項目だけでも見てみてください。各項目はタップしてチェックを付けられます。

浴室への侵入

入浴中

床・浴槽

浴室用品

全部を今日変えなくても構いません。まずは浴槽に水を残していないかと、子どもが一人で浴室へ入れるかの二つから確認してください。

お風呂の安全対策でやりがちな勘違い

お風呂は毎日同じように使うため、「いつも大丈夫だから今日も大丈夫」と思いやすい場所です。実際の事故を見ると、その思い込みを一度見直した方がよい場面があります。

「浅いお湯だから溺れない」

乳幼児は、浅い水でも溺れる可能性があります。消費者庁は、わずかな水深でも家庭内の溺水事故が起きていると注意喚起しています。浴槽だけでなく、洗面器やバケツの水も残さないようにしてください。

「溺れたら音で気づく」

子どもが大声を出したり、激しく水を叩いたりするとは限りません。こども家庭庁は、子どもは音を立てず静かに溺れることがあるとしています。「音がしたら見る」ではなく、浴槽にいる間は実際に様子を確認します。

「浮き輪を使えば目を離せる」

浮き輪の使用中にも重大な溺水事故が起きています。消費者庁には、首掛け式浮き輪を付けて浴槽へ浮かべた乳児が、保護者が目を離した間に意識を失い、死亡した事故があります。浮き輪を見守りの代わりにはできません。

「一緒に入っていれば事故は起こらない」

大人が同じ浴室にいても、洗髪などで目を離す時間があります。消費者庁は、大人が少しの時間目を離した隙に溺水事故が多く発生しているとして、洗髪時には子どもを浴槽から出すよう案内しています。「一緒にいるか」ではなく、「浴槽にいる子どもを見ていられるか」で考えます。

「お風呂から上がったら危険は終わり」

子どもだけで浴室へ入り、残し湯へ転落する事故があります。実際に、前夜の残り湯へ1歳児が転落し、呼吸停止状態で発見された事故も報告されています。入浴後こそ、水を抜き、浴室へ一人で入れない状態へ戻してください。

「浴槽の蓋は丈夫だから赤ちゃんを置ける」

浴槽の蓋は赤ちゃんを寝かせる場所ではありません。乳児を蓋へ寝かせて床へ転落し頭部骨折となった事故や、蓋の上のベビーバスごと浴槽へ転落した事故があります。ほんの短時間でも乗せないようにしてください。

「きょうだいと一緒なら大人はいなくても大丈夫」

年上の子どもが一緒にいても、大人と同じように溺水へ気づき、救助できるとは限りません。こども家庭庁も、年上の子どもとの入浴中に溺水事故が発生しているとして、大人が付き添うよう案内しています。見守りの役割をきょうだいへ任せないようにしましょう。

子どもがお風呂で溺れたときはどうする?

浴槽へ沈んでいた子どもを見つけたときは、できるだけ早く水から引き上げる必要があります。慌てる場面ですが、まず子どもを水から出し、安全な場所で反応と呼吸を確認します。

すぐに水から引き上げる

こども家庭庁は、浴槽やプールなどで自力で救助できる場合、まず子どもを水中から引き上げ、安全な場所へ寝かせるよう案内しています。浴槽内で状態を確認し続けるのではなく、安全な場所へ移します。

呼吸と反応を確認する

大きな声で呼び掛け、反応があるかを確認します。反応がある場合には、顔と体を横に向けた回復体位をとり、水気を拭いて保温することが、こども家庭庁から案内されています。

反応や正常な呼吸がなければ119番へ

119番/反応がない場合は通報します。呼吸もなければ心肺蘇生を開始し、電話をハンズフリーにして通信指令員や救急隊員の指示に従ってください。こども家庭庁の応急手当では、溺水などで意識と呼吸がない場合、直ちに心肺蘇生を始めるよう案内しています。近くに人がいれば応援を呼び、AEDを持ってきてもらいます。

無理に水を吐かせない

「飲んだ水を出さなければ」と、子どもを逆さにしたり強く揺すったりしないでください。こども家庭庁は、無理に水を吐かせると胃の内容物で気道が塞がり、窒息する危険があるため行わないよう案内しています。救急隊・医療機関の指示に従ってください。

お風呂でけが・やけどをしたとき

浴室では、溺水とは別に転倒・やけど・誤飲なども起こります。何が起きたかによって対応が異なるため、それぞれ分けて考えます。

滑って頭を打った

浴室で転んで頭を打った場合は、意識や出血、嘔吐、元気があるかなどを確認します。こども家庭庁は、頭を打った後に意識がない、出血がひどい、繰り返し嘔吐するといった場合には、救急車を呼ぶか至急受診するよう案内しています。強く打った場合は、その後の様子も確認してください。

熱い湯でやけどした

やけどをした場合は、すぐに冷やします。こども家庭庁は10〜20分以上を目安に冷やし、刺激を避けるため、水道水やシャワーを患部へ直接強く当てず、容器にためた水などで冷やすよう案内しています。衣服の上から熱湯がかかった場合は、無理に脱がせず服の上から冷やします。

顔や全身の広い範囲のやけどなどでは、119番通報が必要になります。

洗剤が目や口に入った

浴室用洗剤を飲んだ、目へ入ったなどの場合は、製品によって対応が異なります。

自己判断で吐かせないでください。こども家庭庁の誤飲対応でも、飲んだ物によっては吐かせることが危険であり、基本的には吐かせず受診するよう案内しています。洗剤や漂白剤は、症状がなくても急いで受診する物として挙げられています。

中毒110番/受診の必要性や応急手当が分からない場合は、日本中毒情報センターへ相談できます。365日24時間対応しています。

お風呂の子どもの事故についてよくある質問

お風呂では、「どこまで見守ればいい?」「残り湯もだめ?」など、毎日の生活と安全対策の間で迷うことがあります。家庭で特に判断しにくい疑問を整理します。

子どもは何歳までお風呂で目を離さない方がいい?

「○歳になったら一人で安全」と一律には決められません。こども家庭庁は、年上の子どもと一緒に入浴している場合にも溺水事故が発生しているとしています。年齢だけではなく、一人で安全に入浴できるか、浴槽で転んだときに自力で立てるか、危険な行動を理解できるかなどを見て判断してください。

浅いお湯なら一人で浴槽に入れても大丈夫?

浅い水でも子どもの溺水事故は起こります。消費者庁は、わずかな水深でも事故が発生しているとして、子どもだけで入浴させないよう案内しています。水量を減らすことを見守りの代わりにはできません。

お風呂用の浮き輪があれば安全?

浮き輪を使用していても溺水事故は起きています。こども家庭庁は、保護者が目を離す状況では使用しないよう案内しています。浮き輪を使っていることを理由に、洗髪や着替えなどで目を離さないようにしてください。

洗髪するとき子どもはどこにいればいい?

こども家庭庁と消費者庁は、大人が洗髪する際には子どもを浴槽から出すよう案内しています。浴槽の外でも転倒しないよう、子どもの年齢に合った安全な場所で待たせます。

残り湯は毎回抜いた方がいい?

小さな子どもがいる家庭では、入浴後に浴槽の水を抜くことが、こども家庭庁と消費者庁から推奨されています。残し湯があると、子どもが一人で浴室へ入った際に転落・溺水する条件が残ります。

浴室のドアにチャイルドロックは必要?

子ども自身が浴室ドアを開けられる環境では、侵入防止策を検討する価値があります。東京都は子どもの手が届かない位置へのチャイルドロックを案内しており、こども家庭庁・消費者庁はベビーゲートなどで一人で浴室へ近づけない環境づくりを勧めています。住宅のドアや生活動線に合った方法を選んでください。

浴槽の蓋の上に赤ちゃんを置いても大丈夫?

置かないでください。浴槽の蓋から乳児が床へ転落して頭部骨折となった事故や、蓋の上のベビーバスから浴槽へ転落した死亡事故があります。浴槽の蓋は、赤ちゃんを寝かせたりベビーバスを置いたりする台として使用しません。

お風呂の滑り止めマットは使った方がいい?

浴室や浴槽が滑りやすい場合には、対策の一つになります。東京都も滑り止めシールやマットの利用を案内しています。ただし、マット自体がずれてつまずく状態になっていないか、定期的に確認してください。

子どもがお風呂で沈んだら119番を呼ぶ?

水から引き上げた後、呼び掛けても反応がない場合は119番へ通報してください。呼吸もない場合は、通信指令員の指示を受けながら直ちに心肺蘇生を開始します。反応が戻っている場合でも、状態について不安があるときは医療機関へ相談してください。夜間・休日に受診判断へ迷う場合は、子ども医療電話相談「#8000」を利用できます。

お風呂は「入っている時間」だけ安全にしても足りない

お風呂での事故を防ぐとき、「入浴中は子どもから目を離さない」ことはもちろん大切です。ただ、それだけでは防げない事故があります。たとえば、次のような事故経路です。

  1. 家族がお風呂から上がる
  2. 浴槽へ水を残す
  3. 浴室のドアが開いている
  4. 子どもが一人で入る
  5. 浴槽をのぞき込む
  6. 頭から転落する

入浴中には誰も目を離していなくても、その後の環境に危険が残っています。反対に、次の3つがそろった状態にしておけば、大人が別の部屋で家事をしている時間にも事故が起きにくくなります。

  • 子どもだけで浴室へ入れない
  • 浴槽に水を残さない
  • 洗面器やバケツも空にする

一度、お風呂から上がった後の浴室を振り返ってみてください。浴槽に水が残っていないか。洗面器に水がたまっていないか。子どもが一人でドアを開けられないか。洗剤やカミソリへ手が届かないか。

お風呂の安全対策は、入浴している20分、30分だけのものではありません。入る前、入っている間、出た後まで、水と危険を残さない。

毎日使う場所だからこそ、見守りだけに頼らず「事故が起きにくい状態」を毎日の流れに組み込むことが、子どもをお風呂の事故から守ることにつながります。

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