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寝室で起きやすい子どもの事故と安全対策

寝室は、子どもが静かに眠る場所です。そのため、キッチンや階段と比べると「事故が起きる場所」という印象は薄いかもしれません。

けれど、特に赤ちゃんは一日の多くを寝て過ごします。自分で危険を避けたり、顔にかかった物を払いのけたりすることが難しい時期だからこそ、寝具やベッドの状態がそのまま事故につながることがあります。

こども家庭庁は、1歳未満の赤ちゃんについて、身体が沈まない硬めで平坦な寝具を使うこと、寝かせるときはあお向けにすること、寝床にぬいぐるみやタオルなどを置かないことなどを案内しています。

寝返りやつかまり立ちが始まれば、大人用ベッドからの転落、ベッドと壁の隙間への挟まり、ベビーベッドからの転落にも注意が必要です。さらに成長すると、ベッドを足場に窓へ近づいたり、カーテンやブラインドのひもへ手を伸ばしたりする危険も出てきます。

寝室では「寝ているから大丈夫」と考えず、眠っている間にも事故が起きにくい環境を作ることが大切です。

このページでわかること

  • 赤ちゃんの寝床で窒息を防ぐ方法
  • SIDSと睡眠中の窒息の違い
  • 大人用ベッドからの転落と壁の隙間への挟まり
  • ベビーベッド・ベッドガードの使い方
  • カーテンのひもや窓への足場の確認
  • 寝室で事故が起きたときの対応
目次

寝室ではどんな子どもの事故が起きる?

寝室の事故は、大きく「睡眠中に起こる事故」と「起きて動くようになってから起こる事故」に分けて考えると整理しやすくなります。乳児期は寝具による窒息やベッドからの転落を重点的に確認し、成長したら窓やカーテン、小物などへ確認する範囲を広げていきます。

寝室での場面起こり得る事故確認したい場所
赤ちゃんが眠る窒息寝具・寝床
大人用ベッドで眠る転落・圧迫ベッド
寝返りして移動する挟まり・窒息ベッドと壁の隙間
ベビーベッドを使う転落・挟まり柵・床板・収納扉
ベッドガードを使う挟まり・窒息ガードとマットレスの隙間
カーテンへ近づく首への絡まり・窒息ひも・チェーン・タッセル
ベッドへ登る窓からの転落ベッドと窓の位置
枕元の物を触る誤飲・中毒薬・小物・電池
充電器へ手を伸ばす絡まり・感電などコード類

特に乳児期は、自分で助けを求めたり危険から離れたりできません。「大人が起きている時間に見守る」だけではなく、大人も眠っている時間まで想定して寝室を整える必要があります。

寝室だけでなく、家全体でどんな事故が起きやすいかをまとめて把握したい方は、以下の総合ガイドもあわせてご覧ください。

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寝室では実際にどんな事故が起きている?

寝室の事故というと、ベッドから落ちて頭を打つ場面を想像する方が多いでしょう。しかし、公的機関には転落だけでなく、寝具による窒息、ベッドと壁の隙間への挟まり、カーテンのひもによる窒息なども報告されています。

大人用ベッドと壁の隙間に挟まった0歳児

消費者庁には、生後6か月の子どもを授乳後に大人用ベッドへ寝かせていたところ、ベッドと壁の隙間へ頭が挟まった事故が報告されています。保護者が泣き声の変化に気づいて確認したところ、子どもは隙間に挟まれた状態になっており、窒息と頭部打撲のため通院が必要になりました。

「壁側なら落ちないから安全」と考えてベッドを寄せても、危険な隙間ができれば別の事故につながります。

掛け物と枕で窒息状態になった0歳児

消費者庁には、生後7か月の子どもへ普段より大きなタオルケットを掛けて寝かせたところ、約30分後に柔らかい枕の上でうつぶせになり、タオルケットが頭にかぶさっていた事故も報告されています。子どもは顔色が悪く意識障害があり、救急搬送されて入院しました。

寝床に柔らかい物や顔を覆う可能性のある物を増やさないことが重要です。

高さ60cmのベッドから落ちて骨折した事故

60cm

こども家庭庁は、保護者が目を離した間に子どもが高さ60cmの大人用ベッドから転落し、数日後に頭部の腫れが見つかって頭頂骨骨折と診断された事例を紹介しています。消費者庁も、数十センチ程度の高さでも、頭蓋骨骨折や頭蓋内損傷につながる可能性があると注意しています。

カーテンのひもが首に絡まった死亡事故

消費者庁には、ロールカーテンのひもが3歳児の首に掛かり、救急搬送されたものの死亡した事故が報告されています。別の3歳児の事故では、ひもの下端は床に立った状態なら首へ届かない高さでしたが、窓際のソファへ登ることで首が届く状態になっていました。

「手が届かない高さだから大丈夫」ではなく、近くに登れる家具がないかまで確認する必要があります。

赤ちゃんの寝床では窒息を防ぐことを最優先にする

赤ちゃんの寝室を整えるときは、見た目のかわいさや寝心地より先に、安全な睡眠環境になっているかを確認します。枕、ふわふわした布団、クッション、ぬいぐるみなど、大人には心地よく感じる物でも、赤ちゃんには窒息の原因になることがあります。

身体が沈む柔らかい寝具を使わない

こども家庭庁は、柔らかいクッションや傾斜のあるマットレスを避け、身体が沈まない硬めで平坦な布団やマットレスを使用するよう案内しています。赤ちゃんがうつぶせになったとき、顔が柔らかい寝具へ沈み込むと、口や鼻が塞がれる危険があります。

寝具を選ぶときは「ふかふかしている方が気持ちよさそう」ではなく、赤ちゃん向けとして適した硬さと平坦さがあるかを確認してください。

1歳になるまでは寝かせるときにあお向けにする

こども家庭庁は、医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている場合を除き、1歳になるまでは寝かせるときにあお向けにすることを勧めています。これはSIDSの発症リスクを下げることに加え、睡眠中の窒息事故を防ぐ上でも有効とされています。

子どもが自分で寝返りできるようになってから、一晩中大人が寝姿勢を戻し続けるという意味ではありません。寝かせ始めるときの姿勢をあお向けにすることが基本です。

赤ちゃんの顔の近くへ物を置かない

寝床には、次のような物を置かず、できるだけシンプルにします。

  • 枕
  • クッション
  • ぬいぐるみ
  • タオル
  • 衣類
  • スタイ
  • 大人用の寝具

こども家庭庁は、ぬいぐるみやタオルなどが窒息のリスクにつながるとして、赤ちゃんの周囲へ何も置かないよう案内しています。「寝返りを防ぐため」「頭をぶつけないため」と柔らかい物を追加すると、それ自体が顔を覆う物になる可能性があります。

1歳までは掛け布団を使わず温度を調整する

こども家庭庁は、掛け布団が顔へかかると窒息のリスクがあるため、1歳までは掛け布団を使わず、スリーパーなどの着る物や空調で寒さを調整する方法を案内しています。

寒そうに見えると、つい布団や毛布を重ねたくなるかもしれません。ただ、寝床へ物を増やすのではなく、室温や衣類で調整する考え方へ切り替えると、寝床をシンプルに保ちやすくなります。

SIDSと睡眠中の窒息は同じものではない

赤ちゃんの睡眠について調べると、「SIDS」と「窒息」という言葉を一緒に目にすることがあります。この二つは同じものではありません。

SIDSは原因の分からない病気

こども家庭庁は、乳幼児突然死症候群(SIDS)について、それまで元気だった乳幼児が予兆や既往歴がないまま死亡する、原因の分からない病気であり、窒息などの事故とは異なると説明しています。

SIDSの予防方法は確立していません。一方で、1歳になるまではあお向けに寝かせることなどにより、発症リスクが低くなることが研究で示されています。

安全な寝床は窒息事故の予防につながる

SIDSと窒息は別ですが、次のような睡眠環境づくりは、窒息事故を防ぐためにも重要です。

  • あお向けに寝かせる
  • 硬めで平坦な寝具を使う
  • 寝床へ不要な物を置かない

「SIDSを完全に防げる寝具」などと考えるのではなく、まず防ぐことのできる事故の条件を一つずつ減らしていきましょう。

大人用ベッドから子どもが転落する事故を防ぐ

寝かしつけや授乳のため、大人用ベッドへ赤ちゃんを寝かせる場面はあるでしょう。ただ、大人用ベッドは赤ちゃんが一人で安全に眠ることを前提とした設備ではありません。こども家庭庁は、2歳になるまではできるだけ大人用ベッドを使わないよう案内しています。

「まだ寝返りしないから動かない」と考えない

赤ちゃんはある日突然、できなかった動きができるようになります。昨日まで寝返りをしなかったからと大人用ベッドの中央へ寝かせていても、初めて寝返りをした日が転落事故の日になるかもしれません。寝返り前の時期から、大人用ベッドへ一人で残さない環境にしておく方が安全です。

数十センチの高さでも頭をけがすることがある

大人から見ると、ベッドはそれほど高くありません。しかし、乳幼児は身体に対して頭が大きく、転落すると頭から床へ落ちることがあります。消費者庁は、数十センチの高さからでも頭蓋骨骨折や頭蓋内損傷につながるおそれがあるとして注意を呼びかけています。

「低いベッドだから落ちても大丈夫」と判断しないようにしてください。

寝かしつけ後に一人で残さない

寝かしつけ中は大人が隣にいても、子どもが眠った後に家事をするため寝室を離れることがあります。その間に寝返りをすれば、短い時間でもベッドの端まで移動する可能性があります。大人用ベッドへ一人で残すのではなく、赤ちゃん専用の安全な寝床を用意します。

床へクッションを敷く方法で解決しない

「落ちても痛くないように」とベッドの周囲へ柔らかいクッションや布団を敷き詰めたくなるかもしれません。しかし、こども家庭庁は、柔らかいクッションなどには窒息のおそれがあるため、転落防止目的であっても周囲へ置かないよう案内しています。

転落したときの衝撃を減らすことより、まず転落する寝床を使わないことを優先します。

▶ 窓からの転落を防ぐ子どもの安全対策

ベッドと壁の隙間へ挟まらないようにする

「ベッドの壁側へ寝かせれば床には落ちない」と考えることがあります。しかし、大人用ベッドと壁の間に隙間ができると、その隙間が別の危険になります。

寝ている間にも子どもは移動する

子どもは眠っている間にも寝返りをしたり、身体をずらしたりします。消費者庁は、大人用ベッドと壁や物との間へ頭が挟まり、窒息する事故があると注意しています。床へ落ちなければ安全というわけではありません。

ベッドと壁の間に危険な隙間を作らない

大人用ベッドを壁へ寄せて使う場合は、ベッドが動いて隙間ができていないか確認します。消費者庁も、大人用ベッドを使用する場合には壁との間に隙間ができないよう、しっかりと付けて固定することを案内しています。ただし、乳幼児については大人用ベッドをできるだけ使用しないことが基本です。

枕やクッションで隙間を埋めない

隙間を見つけると、枕やクッションを押し込んで埋めたくなります。柔らかい物は形が変わりやすく、子どもの顔を覆う可能性があります。「隙間を柔らかい物で埋める」のではなく、そもそも危険な隙間が生じない寝床や配置を選んでください。

添い寝では大人の身体による圧迫にも注意する

寝かしつけや夜間授乳で添い寝をしているうちに、大人もそのまま眠ってしまうことがあります。赤ちゃんがすぐ隣にいる安心感がありますが、大人用の寝具や大人の身体による圧迫にも注意が必要です。

大人も意図せず眠ってしまうことがある

「寝かしつけが終わったら起きるつもりだった」という日でも、疲れていればそのまま眠ってしまうことがあります。消費者庁は、添い寝中に大人が意図せず寝込んだり、同じ寝具で眠っている間に大人の身体の一部で子どもを圧迫したりしないよう注意を呼びかけています。

大人が絶対に眠らないことを対策にするより、眠ってしまっても事故につながりにくい寝床を用意する方が現実的です。

赤ちゃん専用の寝床を用意する

こども家庭庁は、添い寝では大人の身体が赤ちゃんへ覆いかぶさったり、口や鼻を塞いだりする危険があるため、赤ちゃん専用の寝床を用意することを案内しています。寝室が狭くても、できる範囲で赤ちゃんが安全に眠れる場所を優先して考えましょう。

ベビーベッドは柵と床板の高さを確認して使う

大人用ベッドより安全に使いやすいベビーベッドも、「置けば終わり」ではありません。子どもの成長に合わせて、柵や床板、収納扉などの状態を確認する必要があります。

使用中は柵を上げる

こども家庭庁と消費者庁は、ベビーベッドを使用するときは常に柵を上げるよう案内しています。おむつ替えや抱き上げのために柵を下げた後、そのままにしないようにします。子どもが眠ったら、最後に柵が上がっているかを見るところまでを寝かしつけの習慣にすると確認しやすくなります。

つかまり立ちが始まる前後で床板を見直す

寝ているだけだった赤ちゃんが、柵につかまって立てるようになると状況が変わります。床板が高いままでは、柵から上半身を乗り出せるようになることがあります。使用しているベビーベッドの取扱説明書を確認し、子どもの発達に合わせて指定された高さへ床板を調整してください。

収納扉や可動部分のロックを確認する

消費者庁は、収納部分があるベビーベッドでは、収納扉がロックされていることを確認するよう案内しています。ロックが壊れていたり、扉が正常に固定できなかったりする場合は、そのまま使用しないでください。中古品や譲り受けたベビーベッドでは、見た目だけでなく可動部分やロックが正常に機能するかも確認しましょう。

ベッドの中へ不要な物を入れない

ベビーベッドだからといって、ぬいぐるみやクッションを自由に入れてよいわけではありません。赤ちゃんの睡眠中は寝床をできるだけシンプルにし、顔や鼻を覆う可能性のある物を置かないことが基本です。

購入時は子供PSCマークを確認する

乳幼児用ベッドは子供PSCマーク制度の対象です。経済産業省は、購入するときに子供PSCマークを確認し、対象年齢や使用上の注意を守るよう案内しています。制度には移行期間があり、2027年3月までは従来のひし形PSCマークが表示されたベビーベッドも販売されます。

マークだけでなく、子どもの年齢、体格、使用方法が製品の条件に合っているかまで確認してください。

ベッドガードは対象年齢を守って使う

大人用ベッドからの転落を防ぐために、ベッドの端へ柵を取り付ける乳幼児用ベッドガードがあります。便利な製品ですが、対象年齢を守らず使うと、ベッドとガードの間へ子どもが挟まる事故につながります。

生後18か月未満には使用しない

消費者庁は、大人用ベッドへ取り付ける乳幼児用ベッドガードについて、生後18か月未満の乳幼児には絶対に使用しないよう注意しています。「転落を防いでくれる物だから、赤ちゃんにも安全」と考えないようにしてください。

ベッドとガードの隙間で窒息する事故がある

消費者庁によると、0歳児が大人用ベッドとベッドガードの隙間へ挟まり、死亡した事故も発生しています。

ガードで床への転落を防いでも、その内側に身体や頭が入り込める隙間ができれば、新たな危険になります。

対象年齢と対応するベッドを確認する

使用できるマットレスの厚さやベッドの形などは製品ごとに違います。「サイズがだいたい合っている」ではなく、取扱説明書で対応するベッドやマットレス、設置方法を確認します。子どもが対象年齢内でも、正しく取り付けられないベッドには使用しないでください。

子供PSCマークと注意表示を確認する

乳幼児用ベッドガードは2026年7月から子供PSCマーク制度の対象になりました。経済産業省は、対象製品について安全基準への適合や対象年齢、使用上の注意などの表示を求めています。2027年7月までは移行期間のため、子供PSCマークがない製品も販売されます。

購入時はマークの有無だけで判断せず、対象年齢と注意表示を必ず確認しましょう。

ベッドや家具を窓の足場にしない

子どもが立ったり登ったりできるようになると、寝室ではベッドの位置も重要になります。大人には「眠るための家具」でも、子どもには高い場所へ近づくための足場になります。

ベッドを窓際へ置くと窓へ届きやすくなる

床からでは窓の鍵に届かなくても、ベッドの上に立てば高さが変わります。窓の近くにベッド、椅子、収納などを置くと、そこへ登って窓を開けたり、外をのぞいたりする可能性があります。寝室の家具配置を考えるときは、子どもがベッドの上へ立った状態から窓へ手が届かないか確認してください。

子どもが登れるようになったら配置を見直す

寝返りだけだった時期と、自分でベッドへ登れる時期では、同じ家具配置でも危険度が違います。「この配置で今まで事故がなかった」ではなく、登る動きが始まった時点でもう一度寝室を見ます。窓際から足場になる家具を離すなど、子どもの成長に合わせて配置を変更してください。

▶ タンスや家具の転倒を防ぐ安全対策

カーテンやブラインドのひもを首へ届かせない

寝室では、カーテンやブラインドを使っている家庭も多いでしょう。操作用のひもやチェーン、カーテンをまとめるタッセルは、子どもの首へ絡まると短時間で重大な事故につながる可能性があります。

操作用のひもを垂らしたままにしない

消費者庁は、ブラインドやロールスクリーンなどの操作用ひもがある場合、クリップなどを使って子どもの手が届かない位置へまとめるよう案内しています。操作した後、そのまま垂らしておかないことを家族の習慣にします。

カーテンのタッセルも確認する

危険なのはブラインドの操作用コードだけではありません。カーテンを束ねるひも状のタッセルなども首へ絡まる可能性があります。消費者庁も、操作用ひもと合わせて確認するよう注意しています。子どもの寝床の近くに輪になったひもが垂れていないか見てください。

ベッドや家具をひもの近くへ置かない

床に立った状態では届かなくても、ベッドや椅子へ登れば届く場合があります。実際に消費者庁が紹介している死亡事故でも、床からは届かない高さだったひもへ、近くのソファへ登ることで首が届いていました。

確認するのは「ひもの高さ」だけではなく、「その近くに登れる物があるか」です。

買い替えるならひものない製品も検討する

消費者庁は、新しく購入する場合には操作用ひものない製品や、一定以上の力が加わると接続部分が外れるセーフティジョイントなど、安全対策が施された製品を選ぶよう案内しています。既存の製品を使い続ける場合も、メーカーが用意する安全部品や正しい収納方法を確認してください。

枕元に薬や小さな物を置かない

寝室は、大人が身につけていた物を一時的に置きやすい場所でもあります。眠る前に外したアクセサリー、薬、ヘアピン、小銭などが、翌朝までベッドサイドへ残っていることがあります。

薬をベッドサイドへ置きっぱなしにしない

就寝前に飲む薬を枕元へ置いていると、朝起きた子どもが先に手にする可能性があります。服薬後は元の保管場所へ戻し、子どもの手や目に触れない場所で管理してください。

コインやアクセサリーにも注意する

指輪、ピアス、ヘアピン、硬貨など、大人にとっては「なくさないために置いた小物」でも、小さな子どもは口へ入れることがあります。寝室では、床だけでなくベッドサイドテーブルや枕元も子どもの手が届く場所として確認します。

ボタン電池を使用する製品を見る

リモコン、小型ライト、時計など、寝室にもボタン電池を使う製品があります。こども家庭庁は、ボタン電池を誤飲すると食道に詰まるなどして重症事故につながる可能性があるため、電池を取り出せないようカバーが固定されていることを確認するよう案内しています。

電池カバーが外れやすくなっている製品は、子どもの手が届く場所で使わないようにしましょう。

充電ケーブルやコード類を寝床の近くへ垂らさない

スマートフォンの充電器やベビーモニター、照明など、寝室にもコードを使う物があります。寝床のそばでは、充電しやすさだけでなく、子どもがコードへ触れられない配置になっているか確認します。

充電ケーブルを寝床へ入れない

枕元でスマートフォンを充電すると、ケーブルが布団やベッドの中へ入り込むことがあります。使わないケーブルを寝床へ置いたままにせず、子どもの首や身体へ絡まない位置へ通します。

ベビーモニターなどのコードも手の届かない位置へ通す

赤ちゃんの様子を確認するための機器でも、電源コードそのものは安全用品ではありません。ベビーベッドの柵越しに手が届かないか、つかまり立ちをしたときに引っ張れないかを確認してください。寝返り期には届かなかったコードも、立てるようになると届く場合があります。

寝室の事故は子どもの成長に合わせて変わる

寝室の安全対策は、一度整えたら何年もそのままでよいものではありません。できる動きが増えるたびに、危険になる場所も変わります。

発達の目安起こりやすい行動確認したい場所
新生児期長時間眠る寝具・寝床
寝返り期寝床の中を移動する寝具・隙間
ハイハイ期ベッドの端へ移動する転落
つかまり立ち期柵につかまって立つベビーベッド
1〜2歳頃ベッドへ自分で登る転落・窓
2歳以降家具やカーテンへ近づくひも・窓・小物

年齢は目安です。見るべきなのは、次のような今の行動です。

  • 寝返りができるようになったか
  • 自分で起き上がれるか
  • 柵につかまって立てるか
  • ベッドへ自分で登れるか
  • ベッドから窓へ手が届くか
  • 高い場所の物を取ろうとするか

「まだ○歳だから」ではなく、「もう何ができるか」で寝室を見直してください。

子どもには寝室で守ることを成長に合わせて伝える

乳児期は、大人が環境を整えることが安全対策の中心です。自分で歩いたり登ったりできるようになったら、環境対策を続けながら寝室で守ることも少しずつ伝えます。

ベッドの上では飛び跳ねない

ベッドは弾むため、子どもにとって遊具のように感じることがあります。端で跳ねれば、そのまま床へ落ちる可能性があります。「ベッドは寝る場所」と短く伝え、身体を動かす遊びは別の安全な場所で行います。

ベッドから飛び降りない

自分で上り下りできるようになると、ベッドからジャンプする遊びを始めることがあります。床へ物がなくても、着地に失敗すれば頭や腕を強く打つことがあります。降りるときは一度座って足から降りるなど、年齢に合った安全な動きを一緒に覚えていきましょう。

カーテンやブラインドのひもで遊ばない

ひもを引くとカーテンが動くため、子どもには面白く感じることがあります。「首に絡まるから危ない」と伝えるだけでなく、そもそも遊べる位置へひもを垂らさない環境を優先してください。

薬や大人の小物には触らない

言葉を理解できる年齢になっても、薬や小さな物を手の届く場所へ置いてよいわけではありません。「これは大人の物」と伝えながら、収納も続けます。声かけは環境対策の代わりではなく、成長とともに加えるものと考えましょう。

寝室の安全対策でやりがちな勘違い

寝室では「眠っているから動かない」「落ちないように囲めば安全」と考えた対策が、かえって別の事故につながることがあります。安全用品も、使う年齢や方法を間違えれば安全とは限りません。

「まだ寝返りしないから大人用ベッドでも大丈夫」

寝返りを始める日は事前には分かりません。昨日まで動かなかった赤ちゃんが、初めて身体を動かした日にベッドの端へ近づく可能性があります。寝返りが始まってから対策するのではなく、その前から安全な寝床を用意します。

「床へクッションを敷けば落ちても安全」

転落時の衝撃を減らす目的でも、柔らかいクッションには窒息の危険があります。こども家庭庁も、ベッドからの転落対策として周囲へ柔らかいクッションを置かないよう案内しています。落ちた後を柔らかくするより、落ちない寝床を優先してください。

「ベッドを壁へ寄せれば転落しない」

壁側に危険な隙間ができれば、頭や顔が挟まる可能性があります。消費者庁には、実際に0歳児が大人用ベッドと壁の隙間へ挟まれた事故が報告されています。ベッドを壁へ寄せるだけで安全対策を終わらせないようにします。

「ベッドガードを付ければ赤ちゃんにも安全」

乳幼児用ベッドガードは、対象年齢を守って使用する製品です。生後18か月未満の乳幼児には使用せず、使用できる年齢になってからも、対応するベッドやマットレス、取り付け方法を確認してください。

「ベビーベッドなら何を入れても安全」

ベビーベッドの中へ枕やぬいぐるみ、クッションを入れれば、安全な寝床とはいえなくなります。寝床は硬めで平坦にし、赤ちゃんの顔の近くに物を置かないことが基本です。

「カーテンのひもは高いから届かない」

床に立った状態で届かなくても、ベッドや家具へ登れば届くことがあります。消費者庁の死亡事例でも、近くにあったソファが足場になっていました。高さと一緒に、周辺の家具配置を確認します。

「寝ている間は動かないから事故は起きない」

子どもは眠っている間にも寝返りをし、身体を動かします。転落や壁との隙間への挟まりは、まさに寝ている間にも起こり得る事故です。大人が眠っていても安全な状態になっているかを基準に寝室を整えましょう。

3分でできる寝室の安全チェック

寝室を大がかりに変える前に、まず子どもの寝床から窓まで順番に見てみましょう。普段使っている物ほど危険に気づきにくいため、子どもの目線まで下がって確認すると見つけやすくなります。各項目はタップしてチェックを付けられます。

寝床

ベビーベッド

ベッド周辺

一つでも気になる場所があれば、まずその日の睡眠に直接関係する寝床から直してください。

寝室で事故が起きたときはどうする?

寝室では、窒息や首へのひもの絡まりなど、短時間で緊急性が高くなる事故もあります。事故を見つけたときは原因を探すより先に、子どもの反応と呼吸を確認してください。

寝具などで窒息した可能性がある

顔を覆っている寝具や身体を圧迫している物があれば、すぐに取り除きます。呼びかけへの反応がなく、正常な呼吸をしていない場合は119番通報を行います。こども家庭庁は、周囲に人がいれば119番を依頼し、救急隊の指示に従いながら心肺蘇生を始めるよう案内しています。

心肺蘇生に自信がなくても、119番の通信指令員から指示を受けられます。

ベッドから落ちて頭を打った

頭を打ったときは、出血の有無だけで判断しないでください。こども家庭庁は、意識がない、出血がひどい、繰り返し嘔吐するときには救急車を呼ぶか至急受診し、顔色が悪く元気がない場合も受診するよう案内しています。意識があり元気に見える場合も、1〜2日は安静にして様子を確認します。

ベッドと壁の間へ挟まった

まず身体を挟んでいる状態から救出し、呼びかけへの反応と呼吸を確認します。呼吸が正常でない、反応がない場合は119番通報を行い、救急隊の指示に従って心肺蘇生を始めます。

呼吸が戻っている場合でも、強く圧迫された、顔色がおかしい、意識の状態がいつもと違うなど気になる症状があれば医療機関へ相談してください。

カーテンのひもが首へ絡まった

首へ絡んでいるひもをすぐに外し、呼吸と反応を確認します。消費者庁は、ブラインドなどのひもによる窒息事故は急に、静かに起こると注意を呼びかけています。呼びかけに反応しない、正常に呼吸していない場合は119番通報を行い、救急隊の指示に従って心肺蘇生を行います。

119番/呼びかけに反応しない、正常な呼吸をしていない、意識がない、出血がひどい、繰り返し嘔吐するなど緊急性が高い場合は連絡してください。心肺蘇生の方法が分からなくても、通信指令員から指示を受けられます。

寝室の子どもの事故についてよくある質問

寝室の安全対策では、「これまで普通に使っていた物をどうすればいいのか」と迷うことがあります。特に乳児期は大人と同じ寝具の感覚で考えず、赤ちゃん向けの睡眠環境を基準に判断してください。

赤ちゃんは大人用ベッドで寝かせても大丈夫?

こども家庭庁は、2歳になるまではできるだけ大人用ベッドを使わないよう案内しています。大人用ベッドでは転落だけでなく、壁との隙間への挟まりや大人の身体による圧迫にも注意が必要です。乳児期はできるだけ赤ちゃん専用の安全な寝床を用意してください。

赤ちゃんの枕は必要?

1歳未満の赤ちゃんについては、窒息事故を防ぐため、顔の近くへ枕などの柔らかい物を置かず、寝床をすっきりさせることが重要です。こども家庭庁も、身体が沈まない硬めで平坦な寝具を使い、寝床へ不要な物を置かないよう案内しています。

赤ちゃんに掛け布団を使ってもいい?

こども家庭庁は、1歳までは掛け布団を使わず、スリーパーなどの着る物や空調で寒さを調整する方法を案内しています。掛け物を増やす前に、寝室の温度と衣類を見直してください。

ぬいぐるみをベビーベッドへ置いてもいい?

1歳未満の赤ちゃんが眠る寝床には置かない方が安全です。ぬいぐるみやタオルなどは、顔や鼻を覆うと窒息につながる可能性があります。寝ている間は寝床から外し、遊ぶ時間と眠る時間で使い分けましょう。

ベッドを壁へ付ければ転落防止になる?

床側への転落は防ぎやすくなっても、ベッドと壁の間に隙間ができると頭や顔が挟まる危険があります。大人用ベッドを使用する場合は隙間を作らないことが必要ですが、0〜1歳児はできるだけ大人用ベッドではなくベビーベッドを使用することが勧められています。

ベッドガードは何歳から使える?

消費者庁は、生後18か月未満の乳幼児には大人用ベッドへ取り付ける乳幼児用ベッドガードを使用しないよう案内しています。18か月を過ぎればどの製品でも使えるという意味ではありません。実際に使用する製品の対象年齢、対応するベッド、設置方法を確認してください。

ベビーベッドはいつまで使える?

使用できる年齢や体格は製品によって異なります。「○歳になったら一律に卒業」と考えず、取扱説明書に記載された対象年齢や体重、子どもの発達を確認してください。柵を乗り越えようとするなど、製品の想定した使い方ができなくなった場合も見直しが必要です。

添い寝するときに気を付けることは?

大人の身体や寝具で赤ちゃんの口や鼻を塞がないことが重要です。特に乳児期は赤ちゃん専用の寝床を用意することが勧められています。「自分は寝ないから大丈夫」と見守りに頼るのではなく、眠ってしまった場合にも事故につながりにくい環境を作りましょう。

カーテンのひもはどのように対策すればいい?

既にひもがある場合は、クリップなどを使って子どもの手が届かない位置へまとめます。同時に、ベッドや椅子、棚など足場になる物をひもの近くへ置かないようにします。新しく購入するときは、ひものない製品や安全機構を備えた製品も選択肢です。

ベッドを窓の近くへ置いても大丈夫?

子どもが立ったり登ったりできるようになると、ベッドが窓へ近づくための足場になることがあります。床から窓へ届かなくても、ベッドの上に立った状態では届くかもしれません。子どもが登れるようになったら、ベッドと窓の位置関係をもう一度確認してください。

寝室は「落ちない」だけでなく安全に眠れるかを見る

寝室の安全対策というと、ベッドから落ちないように柵を付けたり、床へクッションを置いたりすることを最初に考えるかもしれません。けれど、赤ちゃんの寝室では「落ちない」ことだけを考えると、柔らかい寝具やベッドガード、壁との隙間によって別の危険を作ってしまうことがあります。

まず確認したいのは、眠っている場所そのものです。

  • 身体が沈まない硬めで平坦な寝具になっているか
  • 顔の近くに物がないか
  • ベッドと壁に危険な隙間がないか
  • 転落する場所がないか
  • カーテンのひもやコードへ届かないか

そのうえで、寝返り、つかまり立ち、登るといった成長に合わせて、確認する範囲を窓や家具、小物へ広げていきます。

寝室では、大人も一緒に眠ります。ずっと見守り続けることはできません。

だからこそ、「目を離さないように頑張る」のではなく、目を閉じている時間にも事故が起きにくい環境を作ることが大切です。

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