玄関は毎日何度も通る場所なので、キッチンや浴室ほど「子どもにとって危険な場所」という印象はないかもしれません。
けれど、ハイハイを始めた赤ちゃんにとって玄関の上がり框は大きな段差です。歩けるようになれば靴や傘を触り、もう少し成長すると自分でドアや鍵を操作できるようになります。
こども家庭庁も、0〜1歳頃の転落・転倒事故への対策として、玄関につまずきやすい段差がないか注意するよう案内しています。
玄関では、次のような家の中の事故だけでなく、自分で玄関を開けて外へ出るところまで考える必要があります。
- 段差から落ちる
- 靴につまずく
- ドアに指を挟む
このページでは、玄関で起きやすい子どもの事故と、家庭でできる安全対策を紹介します。
このページでわかること
- 玄関の段差で起きる転落・転倒
- 子どもが一人で外へ出ないための対策
- 鍵や補助錠を見直すタイミング
- 靴・傘・玄関収納で注意したいこと
- 玄関ドアの指挟み対策
- 玄関で事故が起きたときの対応
玄関ではどんな子どもの事故が起きる?
玄関は狭い場所ですが、子どもの事故につながる条件がいくつも重なっています。まずは、どこを見る必要があるのか整理してみましょう。
| 玄関での場面 | 起こり得る事故 | 確認したい場所 |
|---|---|---|
| 上がり框を上り下りする | 転落・転倒 | 段差 |
| 一人で玄関へ行く | 勝手に外へ出る | ドア・鍵 |
| 靴を履く・脱ぐ | 転倒 | 靴・床 |
| 雨の日に帰宅する | 滑って転ぶ | 濡れた床 |
| ドアを開閉する | 指挟み・衝突 | ドア周辺 |
| 傘を触る | 顔や目のけが | 傘立て |
| 靴箱へ登る | 転落・家具転倒 | 玄関収納 |
| ベビーカーを触る | 転倒・挟み込み | 置き場所 |
玄関の特徴は、家の中と外の境目であることです。室内で転ぶだけならそこで事故が終わることもありますが、玄関ドアを自分で開けられるようになると、道路や駐車場まで危険が続きます。
玄関だけでなく、家全体でどんな事故が起きやすいかをまとめて把握したい方は、以下の総合ガイドもあわせてご覧ください。
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玄関の段差から転落・転倒する事故に注意する
大人にとっては一段だけの上がり框でも、乳幼児にとっては大きな高低差です。こども家庭庁は、0〜1歳頃から起きる転落・転倒事故として、階段だけでなく玄関の段差にも注意するよう案内しています。
ハイハイやつかまり立ちでも玄関へ近づく
まだ歩けない時期でも、ハイハイが始まれば子どもの行動範囲は一気に広がります。廊下から玄関まで移動し、段差の縁まで来ることもあります。つかまり立ちができるようになると、壁や靴箱へ手を掛けながら玄関へ下りようとすることも考えられます。
「まだ歩けないから玄関には行かない」と考えず、移動できるようになった時点で玄関を確認しましょう。
上がり框は子どもには大きな段差になる
大人なら一歩で上り下りできる高さでも、小さな子どもにはそうはいきません。足を下ろしたものの床へ届かず、そのまま前へ倒れることがあります。頭から落ちれば、玄関の硬い床へ顔や頭をぶつける可能性もあります。
玄関の段差付近を遊び場にせず、小さいうちは必要に応じて一人で近づけない環境を作ります。
靴を履くときにもバランスを崩す
自分で靴を履き始める時期も注意が必要です。片足立ちになったり、靴へ足を入れようとして前かがみになったりすると、まだ姿勢が安定しない子どもはバランスを崩しやすくなります。自分で履きたがる時期は、急かすより、座って履ける場所を作る方が安全です。
段差の近くを遊び場にしない
玄関の段差へ座る、飛び降りる、上り下りを繰り返すことが遊びになる場合があります。一度できるようになると何度も試したくなるのも子どもらしいところです。遊びとして繰り返すようになったら、玄関ではなく安全に体を動かせる場所へ誘導しましょう。
子どもが玄関から勝手に外へ出ないようにする
玄関で特に見落としたくないのが、子ども自身がドアを開けて外へ出ることです。3〜4歳頃になると、自分で玄関から外へ出ようとすることを想定した対策が必要になります。
歩けるようになると玄関まで自分で行く
歩き始めた頃は、玄関まで行けてもドアを開けることはできないかもしれません。それでも、子どもの成長は早いものです。ドアノブへ届く。レバーハンドルを下げられる。鍵を回せる。できることが一つ増えるたびに、玄関から外へ出るまでの距離が短くなります。
ドアノブや鍵へ届くようになったら見直す
安全対策を考えるときは、年齢より次の2点を見た方が分かりやすいです。
- 今、ドアを開けられるか
- 今、鍵を回せるか
また、床からは届かなくても、玄関に置かれた踏み台や収納を使えば高さを足せることがあります。鍵だけを見るのではなく、周囲に登れる物がないかも一緒に確認してください。
「昨日は開けられなかった」で判断しない
子どもは大人の動きをよく見ています。毎日家族が鍵を開ける様子を見ていれば、ある日同じ動きを真似することがあります。昨日できなかったことが今日できるのは、家庭内のほかの事故と同じです。ときどき実際に子どもの目線へ下がり、どこまで手が届くようになったか確認しましょう。
玄関の外まで一続きで見る
玄関ドアを開けられるようになったら、ドアの向こうも確認します。例えば、次のように短い距離でつながる住宅もあります。
- 玄関
- ポーチ
- 階段
- 駐車場
- 道路
玄関から出られることと、その先を安全に歩けることは別です。特に車の出入りがある場所や道路に近い住宅では、「外へ出たあとに何があるか」まで考えておきましょう。
玄関の鍵は子どもの成長に合わせて見直す
玄関から勝手に出ることを防ぐには、鍵の状態を確認することも必要です。ただし、「高い場所へ鍵を追加すれば終わり」と単純に考えないようにします。
今の子どもが鍵を回せるか確認する
まず、自宅の玄関ドアがどんな操作で開くのかを確認します。サムターンを回すタイプ、ボタンを押すタイプなど、玄関ドアによって仕組みは違います。大切なのは、今の子どもがその操作をできるかです。
補助錠を使う場合は位置と使い方を確認する
子どもが自分で解錠できる場合には、住宅設備に合った補助錠などを検討する方法があります。ただし、取り付け位置や使用方法は製品によって異なります。自己流で玄関ドアを加工するのではなく、ドアメーカーや安全用品の説明を確認して使用してください。
鍵の開け方を覚えたら再度見直す
今まで有効だった対策でも、子どもが操作方法を覚えれば意味が薄くなります。手が届くようになった、踏み台を使うようになった、親の操作を真似するようになった。そんな変化が見られたら、玄関の安全対策も更新します。
非常時に大人がすぐ解錠できることも大切
玄関は避難経路でもあります。子どもが開けられないことだけを優先して、大人まで緊急時に解除しにくい状態にするのは避けたいところです。
補助錠などを追加する場合は、次の点も確認してください。
- 大人はすぐ解除できる
- 家族が解除方法を知っている
- 非常時の避難を妨げない
宅配や来客でドアを開けるときも飛び出しに注意する
鍵をきちんと掛けていても、大人自身が玄関ドアを開ける時間があります。宅配便を受け取るときや来客対応中は、普段とは違って玄関ドアが開いた状態になるため注意が必要です。
大人が玄関にいると子どももついてくる
インターホンが鳴ると、子どもも「誰が来たの?」と玄関までついてくることがあります。大人は来客に意識が向いているため、いつもより子どもの位置を見失いやすくなります。ドアを開ける前に、一度子どもがどこにいるか確認してください。
荷物を受け取る間はドアが開いたままになる
大きな荷物を受け取るときは、ドアを広く開けたままになることがあります。その横から子どもが外へ出ようとしても、両手が荷物でふさがっていればすぐ止められません。荷物が大きいほど、先に子どもの位置を整えてから対応したい場面です。
荷物で両手がふさがる帰宅時も注意する
買い物帰りも同じです。荷物、バッグ、傘などで両手がふさがっていると、子どもと玄関を同時に管理しにくくなります。「早く家へ入ろう」と急ぐほど足元も乱れます。一度荷物を置くなど、無理に全部を同時に済ませない方が安全です。
玄関に靴を出しっぱなしにしない
玄関は、家族全員の靴が集まる場所です。一足だけなら気にならなくても、何足も出ていると、子どもの小さな足には障害物になります。
大人の靴につまずくこともある
大人用の靴は、乳幼児の足から見るとかなり大きな物です。スニーカーだけでなく、ヒールやブーツ、サンダルなど形もさまざまです。玄関へ下りたときに足を引っ掛け、そのまま段差や壁へ倒れることがあります。
脱いだ靴は動線から外す
すべてを毎回靴箱へしまう必要はありません。ただ、玄関の上り下りをする場所や、子どもが歩く場所だけは空けておきたいところです。「人が通る場所」と「靴を置く場所」を分けるだけでも、つまずきにくくなります。
靴を履くときは座れる場所を作る
まだ片足立ちが安定しない子どもには、座って靴を履ける場所があると便利です。
ただし、子ども用の台を置く場合は、その台が鍵や高い収納へ届くための踏み台にならないかも確認してください。安全のための物が、別の事故の入口になることがあります。
雨の日は濡れた玄関で滑らないようにする
普段は問題のない玄関でも、雨の日には床の状態が変わります。濡れた靴や傘から水が落ちると、玄関の床が滑りやすくなることがあります。
濡れた床はそのままにしない
帰宅直後は、子どもの靴を脱がせたり荷物を片づけたりすることで手いっぱいになります。その間に床へ落ちた水が残っていることがあります。子どもがもう一度玄関へ戻ってきて滑らないよう、落ち着いたら床の水も拭いておきましょう。
傘から落ちた水にも注意する
傘立ての周囲は水がたまりやすい場所です。子どもが傘を触ったり動かしたりすると、さらに床が濡れることがあります。雨の日は、玄関の中央だけでなく傘立ての周囲も確認します。
玄関マットのずれやめくれを見る
玄関マットを使っている家庭では、端がめくれたり位置がずれたりしていないか確認します。特に子どもが走って玄関へ向かう場合、少しのめくれでも足を取られることがあります。
玄関ドアの指挟みと急な開閉に注意する
玄関ドアは室内ドアより重い製品も多く、子どもの手や指を挟めば大きなけがにつながる可能性があります。
消費者庁には、ドアの蝶番側に指を挟んで骨折や一部断裂に至った子どもの事故も報告されています。
ドアを閉める前に子どもの手を見る
子どもは大人のすぐ後ろをついてくることがあります。大人が外へ出ようとしたとき、気づかないうちにドアの隙間へ手を掛けているかもしれません。消費者庁も、ドアを開閉する際には子どもが近くにいないか確認するよう呼びかけています。
蝶番側にも注意する
ドアの取っ手側だけを見ていてはいけません。蝶番側には、ドアを開いたときに大きな隙間ができます。そこへ指を入れた状態でドアが閉まると、強い力が加わります。
風で急に閉まることもある
玄関ドアを開けたとき、風圧などで予想以上に動くことがあります。消費者庁も、開いているドアが風などによって急に閉まる場合があるとして、必要に応じてドアストッパーなどを活用する方法を案内しています。ドアの近くを子どもの遊び場にしないことも大切です。
傘は子どもの顔や目の高さに置かない
玄関には、室内のほかの場所にはあまりない物があります。その代表が傘です。長い傘は、持ち方によって先端が子どもの顔や目の高さに来ることがあります。
傘を振り回させない
傘を剣や棒のように持って遊ぶと、自分だけでなくきょうだいや家族へ当たる可能性があります。玄関の中でも、傘を広げたり振り回したりして遊ばせないようにしましょう。
傘立てごと倒れないか確認する
傘を何本も入れた傘立ては、上の方が重くなることがあります。子どもが傘を一本引っ張ったときに、傘立てごと倒れないか確認してください。
先端が子どもへ向く置き方をしない
傘立てから斜めに飛び出している傘は、大人には見えていても、走ってきた子どもの顔の高さに当たる場合があります。傘はできるだけ立てた状態で収納し、通路へ飛び出さないようにします。
鍵や小物を玄関棚へ放置しない
帰宅したとき、ポケットに入っていた物を玄関の棚へ置く家庭も多いでしょう。鍵、小銭、小さな部品などが集まりやすい場所でもあります。
小さな物を子どもの手が届く場所へ置かない
乳幼児は、手にした物を口へ入れることがあります。こども家庭庁も、小さな物は子どもの手が届かない場所へ置くよう注意しています。玄関だから安全と考えず、子どもが手を伸ばせる棚には小物を残さないようにしましょう。
長い靴べらも遊び道具にしない
長い靴べらは、子どもには棒のように見えます。振り回したり、きょうだいへ向けたりしないよう、使用後は定位置へ戻してください。玄関で使う大人用の物も、子どもの遊び道具にならない収納を考えます。
靴箱や玄関収納へ登らせない
玄関収納が低い場合、子どもにはちょうど登りやすい高さになることがあります。ここでは、玄関での使われ方に絞って確認します。
低い靴箱は登れる家具になる
天板が平らな靴箱を見ると、子どもが椅子や台のように使うことがあります。登った先から転落するだけでなく、高い位置にある鍵や収納へ届くようになる可能性もあります。
扉や取っ手へぶら下がらせない
つかまり立ちの時期には、靴箱の取っ手へ手を掛けることがあります。扉を開けたまま体重を掛ければ、バランスを崩すこともあります。玄関収納を遊び場にしないことと、必要な固定がされているかを確認してください。
ベビーカーは玄関で倒れないように置く
子育て家庭では、ベビーカーを玄関へ置いていることも多いでしょう。ベビーカーは家具ではなく動く物なので、置き方によっては子どもが触れたときに動いたり倒れたりすることがあります。
子どもがつかまると動くことがある
つかまり立ちを始めた子どもは、目の前にある物へ手を掛けます。ベビーカーが安定しているように見えても、車輪が動けば体を支えられません。保管時は製品の説明に従い、安定した状態にしてください。
玄関の段差近くへ置かない
ベビーカーが動いた先に玄関の段差がある配置も避けたいところです。子ども自身が押したり、物が当たったりして動いても危険な場所へ行かない置き方を考えます。
折りたたむときは子どもの手を近づけない
ベビーカーには折りたたみ部分や可動部分があります。玄関で収納するためにたたむとき、子どもが近くで触っていないか確認してから操作してください。
玄関の安全対策は子どもの成長で変える
玄関で危険になる場所は、子どもの成長とともに変わります。赤ちゃんの頃は段差だけだった危険が、歩き始めると靴や傘に広がり、さらに成長するとドアや鍵へ移っていきます。
| 発達の目安 | 起こりやすい行動 | 見直したい場所 |
|---|---|---|
| ハイハイ | 玄関の段差へ近づく | 上がり框 |
| つかまり立ち | 靴箱やドアへ手を掛ける | 家具・段差 |
| 1〜2歳頃 | 靴や傘を触る | 床・収納 |
| 2〜3歳頃 | ドアノブを操作する | ドア・鍵 |
| 3〜5歳頃 | 自分で外へ出ようとする | ロック・外への動線 |
| それ以降 | 一人で出入りする | 鍵・道路への安全行動 |
年齢はあくまで目安です。次の点を、その時点の子どもの様子で判断しましょう。
- 段差を一人で下りられるか
- ドアを開けられるか
- 鍵を操作できるか
- 外へ出たあと安全に行動できるか
子どもには玄関で守ることを短く伝える
玄関の安全対策は、鍵や収納だけで完成するものではありません。自分で外へ出る年齢になれば、子ども自身にも玄関でのルールを覚えてもらう必要があります。
ドアは大人と一緒に開ける
小さいうちは、「玄関のドアは一人で開けないよ」と短く伝えます。なぜダメなのかを長く説明するより、まず行動を一つに決める方が伝わりやすいこともあります。
段差では走らない
外出前や帰宅時は、子どもも気持ちが先へ行きがちです。玄関の段差では一度止まり、足元を見て上り下りする習慣を作ります。
傘を振り回さない
雨の日は、「傘は下に向けて持つ」など、してほしい行動を具体的に伝えます。「危ないからダメ」だけではなく、どう持つかまで示すと実践しやすくなります。
外へ出る前に一度止まる
玄関から道路や駐車場へつながる家では、ドアを出たら一度止まることを習慣にしておくと、その後の交通安全にもつながります。勝手に走り出さず、大人と一緒に動くところまでを玄関のルールにしましょう。
玄関の安全チェック
普段見慣れている玄関ほど、危険な状態へ気づきにくいものです。一度、子どもの高さまで目線を下げて確認してみてください。各項目はタップしてチェックを付けられます。
段差・床
ドア・鍵
玄関用品
一度に全部変えなくても構いません。まずは、段差・ドア・鍵の3か所から確認してみましょう。
玄関の安全対策でやりがちな勘違い
玄関は毎日使っているため、「これまで大丈夫だったから」と判断しやすい場所です。子どもの成長によって条件が変わることを忘れないようにします。
「一段しかないから落ちても大丈夫」
玄関の段差も子どもの転落・転倒事故につながります。こども家庭庁も、0〜1歳頃から玄関の段差による転倒へ注意するよう案内しています。高さだけで判断せず、落ちた先が硬い床であることも考えてください。
「まだ鍵には届かないから外へ出ない」
今日届かなくても、成長すれば届きます。また、踏み台になる物があれば高さを補うこともできます。鍵の高さだけでなく、周囲の物まで見ましょう。
「鍵を掛けておけば十分」
普段施錠していても、宅配、来客、帰宅時には大人自身がドアを開けます。大人が開けた瞬間に子どもが外へ出る可能性も考え、ドアを開ける前に子どもの位置を確認します。
「靴は柔らかいから危なくない」
問題は靴そのものの硬さではありません。狭い玄関で足を取られ、段差や壁へ倒れることが事故につながります。通路へ靴を散らさないことが大切です。
「ドアはゆっくり閉まるから指を挟まない」
ドアによる子どもの指挟みでは、骨折や一部断裂といった重傷事故も報告されています。ドアの機能に頼るだけでなく、開閉前に子どもの手がないかを確認してください。
「安全用品を付けたから見直さなくていい」
補助錠や安全用品が今は有効でも、子どもが成長して操作できるようになることがあります。安全対策は一度設置して終わりではありません。「最近できるようになったこと」が増えたときこそ、玄関も見直す時期です。
玄関で事故が起きたときはどうする?
転落や指挟みなどの事故が起きたときは、叱るより先に子どもの状態を確認します。その後、同じ事故が再び起きないよう、事故につながった環境も見直してください。
段差から落ちて頭を打った
玄関の段差から落ちて頭を打った場合は、意識、出血、嘔吐、顔色などを確認します。こども家庭庁は、頭を打った後に意識がない、出血がひどい、繰り返し嘔吐するときは救急車を呼ぶか、至急受診するよう案内しています。顔色が悪く元気がない場合も受診が必要です。
意識があり元気に見える場合も、その後1〜2日は様子を見ます。
玄関ドアに指を挟んだ
ドアへ指を挟んだ場合は、次の点を確認します。
- 出血していないか
- 強く腫れていないか
- 指が変形していないか
- 爪が大きく傷ついていないか
- 指を動かせるか
消費者庁には、ドアによる指挟みで骨折や一部断裂に至った事故も報告されています。明らかな変形や激しい出血などがある場合は、速やかに医療機関へ相談してください。
子どもが一人で外へ出てしまった
まず子どもを安全な場所へ戻します。その後、次の点を確認してください。
- どうやって玄関まで来たのか
- 鍵をどう開けたのか
- ドアの先にどこまで行けたのか
「勝手に出たらダメ」と叱るだけでは、次も同じ経路が残ります。事故につながったルートを一つずつ断つことが大切です。
119番/頭を打った後に意識がない、出血がひどい、繰り返し嘔吐するなど緊急性が高い場合は連絡してください。
#8000/休日や夜間に受診すべきか迷う場合には、全国共通の子ども医療電話相談で、小児科医師や看護師へ相談できます。
玄関の子どもの事故についてよくある質問
玄関の安全対策では、子どもの成長によって「昨日まで必要なかった対策」が急に必要になることがあります。よくある疑問を整理します。
子どもが玄関から勝手に出るのを防ぐには?
まず、現在の子どもが玄関ドアや鍵をどこまで操作できるか確認してください。必要に応じて住宅設備に合った補助錠などを検討し、同時に玄関周辺へ登れる物を置かないようにします。ただし、玄関は避難経路でもあるため、大人が緊急時にすぐ解除できることも必要です。
玄関に補助錠を付けた方がいい?
子どもが自分で既存の鍵を解除できる場合には、選択肢の一つになります。ただし、玄関ドアの種類や住宅環境によって適した製品は異なります。メーカーや製品の説明を確認し、非常時の避難を妨げない方法を選んでください。
玄関の段差にベビーゲートは必要?
すべての家庭で必要とは限りません。ハイハイを始めた子どもが段差へ自由に近づける場合など、現在の行動と間取りを見て検討します。使用する場合は、設置場所や対象年齢、固定方法を製品の説明どおりに守ってください。
何歳頃から玄関の鍵を自分で開ける?
一律に何歳とは決められません。子どもの身長、鍵の高さ、鍵の形、踏み台になる物の有無によって変わります。年齢より「今、実際に操作できるか」で判断してください。
玄関に踏み台を置いても大丈夫?
靴を履くために必要な場合は、安定して使える物を選びます。ただし、その踏み台を使うことで鍵、靴箱の上、小物などへ届かないかも確認してください。使用目的とは別の場所へ登るための足場になっているなら、置き方を見直します。
靴箱は固定した方がいい?
家具の大きさや形、設置方法によって異なります。子どもが登ったり扉へぶら下がったりできる家具なら、取扱説明書に従って転倒防止対策を確認してください。靴箱の上へ重い物を載せることも避けます。
玄関マットは子どもがいる家庭でも使える?
使うこと自体が問題ではありません。ただし、滑る、ずれる、端がめくれる状態なら転倒につながります。子どもが歩くようになったら、ときどき状態を確認してください。
ベビーカーは玄関のどこに置けばいい?
子どもがつかまっても簡単に動かず、玄関の段差や通路をふさがない場所が基本です。保管方法はベビーカーの取扱説明書に従い、折りたたむときも子どもの手が可動部分へ近づいていないか確認します。
玄関は「転ばない」だけでなく「外へ出ない」まで考える
玄関の安全対策では、つい上がり框の段差や靴の散らかりだけを見てしまいます。もちろん、それらも大切です。でも玄関にはもう一つ、家の外へつながっているという大きな特徴があります。
ハイハイを始めた頃は、玄関へ近づいて段差から落ちることが主な心配だった子どもも、成長すると次のところまで行動できるようになります。
- 玄関へ行く
- 鍵を操作する
- ドアを開ける
- 一人で外へ出る
玄関の安全確認をするときは、一度子どもの高さまでしゃがんでみてください。段差はどう見えるか。靴が邪魔になっていないか。傘が顔の高さへ飛び出していないか。ドアノブや鍵には届かないか。そして、ドアを開けた先には何があるか。
「転びにくい玄関」と「勝手に外へ出にくい玄関」の両方を作る。
子どもの成長に合わせてこの二つを見直していくことが、玄関での事故を防ぐことにつながります。

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