お盆やお正月、連休に子どもを連れて実家へ帰ると、普段とは違う家で過ごす時間が増えます。おじいちゃん、おばあちゃんに会えるのを楽しみにしている家庭も多いでしょう。
ただ、子どもにとって祖父母の家は「いつもの家」とは違います。見たことのない物を触る、初めて入る部屋へ行く、家具へ登るなど、自宅ではしない行動を見せることがあります。
こども家庭庁も、帰省先など慣れない住居では、自宅ほど子どもの安全対策が行き届いていない場合があり、子どもが初めて見る物へ興味を持って触ったり登ったりすることで事故につながると注意しています。
だからといって、「祖父母の家は危険」ということではありません。普段乳幼児が暮らしていない家では、ベビーゲートや補助錠を付けたり、薬や家電を子どもの手から離したりする必要がなかっただけです。
帰省前に少し準備し、到着したら子どもの目線で家の中を確認するだけでも、事故につながる条件をかなり減らせます。
このページでわかること
- 祖父母の家で事故が起きやすくなる理由
- 到着したらまず確認したい5か所
- 薬・たばこ・洗剤の置き場所
- 浴槽の水・熱い家電・階段や窓への対策
- 食事や寝床で気をつけること
- 帰省前に祖父母へ伝えておきたいこと
祖父母の家ではどんな子どもの事故が起きる?
自宅ではすでに対策している場所も、祖父母の家では同じ状態とは限りません。特に確認したいのは、水、熱い物、小さな物、高い場所、食べ物、寝床です。
| 子どもの行動や場面 | 起こり得る事故 | 確認したい場所・物 |
|---|---|---|
| 床やテーブルの物を触る | 誤飲・中毒 | 薬・電池・たばこ・小物 |
| 洗面所へ入る | 誤飲・中毒 | 洗剤・化粧品 |
| 浴室へ一人で入る | 転落・溺水 | 浴槽・残り湯 |
| キッチンへ近づく | やけど・切り傷 | ケトル・ポット・包丁 |
| 暖房器具へ近づく | やけど | ストーブ・加湿器 |
| 階段を移動する | 転落 | 階段・段差 |
| 窓際の家具へ登る | 転落 | 窓・ソファ・椅子 |
| ベランダへ出る | 転落 | 植木鉢・椅子 |
| おやつを食べる | 窒息 | ナッツ・もち・ぶどうなど |
| 宿泊する | 転落・窒息 | ベッド・寝具 |
大切なのは、家中を一度に完璧な「子ども仕様」に変えることではありません。まず、子どもが過ごす場所と事故につながりやすい場所から優先して確認しましょう。
祖父母の家ではなぜ事故が起きやすくなる?
祖父母の家で事故が起きる理由を、「祖父母が注意していないから」と考えるのは適切ではありません。普段大人だけで暮らしている家と、毎日乳幼児が暮らしている家では、必要な安全対策が違います。
子どもにとって初めて見る物が多い
自宅では見慣れていて触らなくなった物でも、場所が変われば興味を持つことがあります。こども家庭庁は、帰省先など普段と違う場所では、子どもが初めて見る物へ興味を持ち、触ったり登ったりしやすいとしています。
「うちでは触ったことがないから大丈夫」と考えず、祖父母宅にある物を改めて確認してみましょう。
大人だけの生活では低い場所も普通の収納場所になる
普段乳幼児がいない家庭なら、テーブルの上へ薬を置いたり、低い棚へ日用品を収納したりしていても困りません。しかし、子どもが来る日だけは状況が変わります。
こども家庭庁は、0〜3歳頃の子どもについて、医薬品、洗剤、化粧品、入浴剤などを子どもの目に触れない場所、手の届かない場所へ保管するよう案内しています。帰省中だけでも、置き場所を一時的に変えてもらいましょう。
前回の帰省からできることが増えている
数か月前にはハイハイだった子どもが、次の帰省では歩いているかもしれません。前回届かなかったドアノブへ手が届く。椅子へ登れる。引き出しを開けられる。鍵を回せる。子どもの発達は短期間でも変わります。
「前回来たときは大丈夫だった」ではなく、今回できるようになったことを基準に安全対策を見直します。
祖父母の家だけでなく、自宅全体での安全対策も一緒に確認したい方は、以下の総合ガイドをあわせてお読みください。
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帰省したら最初に5か所を確認する
到着してすぐは、荷物を運んだり挨拶をしたりして慌ただしくなります。その前後で短時間でも構わないので、まず次の5か所を確認してください。
- 浴室に水が残っていないか
- 階段・窓・ベランダへ一人で行けないか
- ケトル・ポット・ストーブへ手が届かないか
- 床や低い棚に薬や小さな物がないか
- 子どもが安全に過ごせる部屋があるか
こども家庭庁も、慣れない住居での事故対策として、浴槽の水を抜く、窓際の足場になる家具を移動する、電気ケトルやストーブなどを子どもから遠ざけるといった具体策を挙げています。
最初の数分で家の状態を把握しておけば、滞在中ずっと「そこ触らないで」と追いかけ続ける負担も減らせます。
薬・たばこ・ボタン電池は低い場所に置かない
祖父母宅で特に確認しておきたいのが、薬や小さな日用品です。大人には毎日使う普通の物でも、乳幼児が口へ入れると重大な事故につながることがあります。
毎日飲む薬も子どもには危険物になる
薬を飲み忘れないよう、食卓やベッドサイドへ置いている家庭もあるでしょう。子どもが来ている間だけは、薬袋、ピルケース、錠剤を手の届く場所へ置いたままにしないようにします。
こども家庭庁は、医薬品の誤飲は重大な症状を引き起こすおそれがあるとして、子どもから見えず、手も届かない場所で保管するよう案内しています。飲む時間になったら取り出し、使い終わったら戻す方法にすると安全です。
たばこや吸い殻も子どもから離す
こども家庭庁によると、たばこやお酒の誤飲では強い中毒症状が出ることがあり、加熱式たばこでは内部の金属片を誤飲することもあります。液体の入った缶などへ吸い殻を捨てるとニコチンが溶け出すため、その液体の誤飲も危険です。
灰皿だけ高くするのではなく、たばこ本体、吸い殻、関連用品をまとめて子どもから離します。
ボタン電池を使う物も確認する
祖父母宅には、次のような製品が置かれていることがあります。
- 補聴器
- 時計
- リモコン
- 体温計
- 小型ライト
こども家庭庁は、ボタン電池が食道に詰まったり胃の中にとどまったりすると重症事故につながるとして、電池を簡単に取り出せないようカバーを固定するよう案内しています。特に電池交換をした直後は、古い電池をテーブルへ置いたままにしないようにしてください。
初めて見る洗剤や日用品を子どもが口にしないようにする
祖父母宅での事故を考えるうえで、知っておきたい実例があります。
消費者庁には、祖父母宅へ帰省していた生後8か月の子どもが、洗面所にあった洗濯用パック型液体洗剤をかじった事故が報告されています。子どもの自宅では通常の液体洗剤を使用しており、パック型洗剤を見るのは初めてでした。事故後は嘔吐や急性呼吸不全などがみられ、入院して人工呼吸管理などの処置が必要になりました。
「自宅では洗剤を触らない」という経験だけでは防げない事故です。
自宅にはない形の物ほど確認する
洗剤、芳香剤、消毒剤、化粧品などは、家庭によって使う製品が違います。子どもが見慣れていない形や色をしていれば、おもちゃや食べ物のように感じる可能性もあります。こども家庭庁も、食品と見た目が似た洗剤などには特に注意するよう案内しています。
帰省したら、洗面所、トイレ、キッチンの床や低い棚を見てください。
洗剤は使う場所より安全な保管場所を優先する
普段は洗濯機の横へ置いている洗剤も、帰省中だけは上の棚へ移す方法があります。子どもの安全対策は、永久に家の収納を変えてもらう必要はありません。滞在中だけ場所を変える。一時的に扉を開けられないようにする。それだけでも事故の条件を減らせます。
お風呂の残り湯は帰省中だけでも抜く
祖父母宅では、洗濯に使うため浴槽へ水を残している家庭もあるでしょう。大人だけなら問題のない習慣でも、小さな子どもがいる間は見直す必要があります。
こども家庭庁は、0〜2歳頃の子どもについて、浴室へ一人で入り、浴槽をのぞき込んで転落・溺水する事故に注意するよう呼びかけています。入浴後は浴槽の水を抜き、子どもが一人で浴室へ入れない環境を作ることが勧められています。
浴室へ一人で入れるか確認する
まず見るのは水の量ではなく、「子どもが自分で浴室まで行けるか」です。引き戸や折れ戸を開けられるようになっていないか確認します。必要であれば、子どもが開けられない位置のロックやベビーゲートなどを検討してください。
浴槽の水はできるだけ抜く
「洗濯に使うから」「少ししか入っていないから」と水を残していることがあります。しかし、こども家庭庁は浅い水でも子どもが溺れることがあるとしています。浴槽だけでなく、使用後のバケツや洗面器にも水をためたままにしないよう案内しています。
帰省している数日だけでも、水を残さない方法に変えてもらえると安心です。
浴槽のふたを安全対策にしない
ふたが閉まっていても、子どもが乗ったり、ずらしたりする可能性があります。「ふたがあるから大丈夫」と考えるのではなく、次の環境を優先しましょう。
- 一人で浴室へ入れない
- 浴槽へ水を残さない
電気ケトル・ポット・ストーブを子どもから離す
祖父母の家では、自宅と違う家電を使っていることがあります。自宅では電気ケトルを使わなくても、祖父母宅では毎日使っている。自宅はエアコン暖房でも、実家では床置きのストーブを使っている。こうした違いも帰省時には確認したいところです。
ケトル本体だけでなくコードを見る
こども家庭庁は、電気ケトルやポットにつかまり立ちしたり、コードを引っ張ったりすることで本体が倒れ、熱湯を浴びる事故に注意しています。コードも含めて子どもの手が届かない場所へ設置することが重要です。
台の奥へ本体を置いていても、コードが手前へ垂れていれば引っ張ることができます。帰省したら、子どもの高さまでしゃがんでコードが見えていないか確認してみてください。
ポットや炊飯器も見る
電気ポットだけでなく、炊飯器の蒸気やウォーターサーバーの熱湯でもやけど事故が起きています。こども家庭庁は、炊飯器を手の届かない位置へ置くことや、ウォーターサーバーのチャイルドロックが子どもに解除できないことを確認するよう案内しています。
台所では「熱い物を一つ」ではなく、子どもの手が届く範囲全体を見ましょう。
ストーブへ直接近づけないようにする
床置きの暖房器具は、子どもが転んだ先で触れることもあります。こども家庭庁は、子どもの手が届かないよう安全柵などで囲む方法を案内しています。帰省先では、可能であれば子どもがいる間だけ暖房方法をエアコンへ変える方法も紹介されています。
祖父母が普段の暮らし方をすべて変えるのではなく、子どもが滞在している時間だけ変えると考えると相談しやすくなります。
階段・窓・ベランダは今の子どもで確認する
前回の帰省では階段の一段目までしか行かなかった子どもが、今回は自分で上まで登れるかもしれません。転落対策は、年齢より「今できること」で考えます。
階段へ一人で行けないようにする
階段の近くで遊ばせないだけではなく、必要に応じてベビーゲートなどで物理的に近づけない環境を作ります。取り外し可能な製品なら、帰省している期間だけ設置する方法もあります。
窓際のソファや椅子を足場にしない
こども家庭庁は、慣れない住居で窓際のソファなどへ子どもが登り、窓から転落する事故を防ぐため、足場になる家具を移動させるよう案内しています。
「窓の鍵に手が届かない」だけでは十分ではありません。その下に椅子やソファがあれば、子ども自身が高さを足せます。
ベランダへ一人で出られない状態にする
ベランダでは、手すりの高さだけでなく周囲の物を見ます。植木鉢、椅子、収納ボックスなどは、子どもにとって足場になることがあります。こども家庭庁も、万一子どもがベランダへ出た場合に備え、踏み台になる物を置かないよう案内しています。
食事やおやつは子どもの年齢に合っているか確認する
祖父母宅では、普段とは違うお菓子や果物を出してもらうことがあります。「これ好きかな」「せっかく来たから食べて」と用意してくれるのはうれしいことですが、大人が普通に食べる食品の中には、小さな子どもの窒息事故につながりやすいものがあります。
0〜5歳では避けたい食べ物がある
こども家庭庁は、0〜5歳の子どもには、乾いたナッツ・豆類、もち・白玉団子などの粘着性が高い食品、いか・こんにゃくなど噛み切りにくい食品を窒息のリスクから避けるよう案内しています。
「少しずつなら」「昔は食べさせていた」と経験だけで判断せず、現在案内されている方法に合わせましょう。
ぶどうやミニトマトは丸ごと出さない
ぶどう、ミニトマト、さくらんぼ、個装チーズ、うずらの卵などは、丸くて気道へ入りやすい形をしています。こども家庭庁は、4等分して形や大きさを変え、必要に応じて皮を取り除くなどの工夫を勧めています。
祖父母に「ぶどうは食べさせないで」とだけ伝えるより、「出すなら4つに切ってね」と具体的に共有すると分かりやすくなります。
食べ物を口にしたまま遊ばせない
大勢が集まると、子どもがお菓子を持ったまま部屋を歩き回ることがあります。こども家庭庁は、食べ物を口へ入れたまま遊ぶ、話す、寝転ぶことを避けるよう案内しています。食事やおやつは一度座って食べ、口の中が空になってから遊ぶ習慣にしましょう。
泊まるときは寝る場所も確認する
日帰りでは問題にならなくても、宿泊すると確認する場所が増えます。「いつも使っている布団があるから」と、大人用の寝具をそのまま乳児へ使うのではなく、子どもの年齢に合った寝床を用意します。
赤ちゃんにはできるだけ専用の寝床を用意する
こども家庭庁は、0〜1歳頃の就寝時にはできるだけベビーベッドを利用し、硬めで平坦な寝具を使うよう案内しています。帰省直前になって寝る場所に困らないよう、ベビーベッドやベビー布団を用意できるか事前に相談しておきましょう。
寝床へ物を増やしすぎない
祖父母が「寒くないように」「かわいいから」と枕、タオル、ぬいぐるみなどを用意してくれることがあります。ただし、乳児の顔の近くへ口や鼻を覆ったり首へ巻き付いたりする物を置かないことが重要です。安全な寝床を作るときは、何かを足すより「不要な物を置かない」ことを優先します。
大人用ベッドの隙間にも注意する
大人用ベッドと壁、後付けの柵などの隙間へ頭や顔が挟まる事故があります。こども家庭庁は、できるだけベビーベッドを利用し、大人用ベッドに取り付ける幼児用ベッドガードは生後18か月未満には使用しないよう案内しています。
家全体を変えられないなら安全に過ごせる部屋を作る
数日の帰省のために、祖父母宅の家具や収納をすべて変えるのは現実的ではありません。そんな場合は、子どもが主に過ごす部屋を一つ決め、そこから優先して安全にする方法があります。
子どもが過ごす部屋を一つ決める
リビングや和室など、家族が集まりやすく、子どもの様子を確認しやすい場所を選びます。その部屋では、次のような短時間でできる対策を優先します。
- 床の小物を片づける
- 薬やリモコン類を移動する
- コードをまとめる
- 倒れやすい物を移動する
- 窓際の足場をなくす
危険な部屋へ一人で行けないようにする
安全な部屋を作っても、そこから浴室や階段へ自由に移動できれば事故の条件は残ります。ドア、ベビーゲート、補助錠などを使い、危険度の高い場所へ一人で行けないようにします。「遊ぶ部屋を決めたから大丈夫」ではなく、その部屋を出た先まで確認しておきましょう。
大人が多いときほど誰が見ているかを確認する
帰省すると、両親だけでなく祖父母や親戚など複数の大人が一緒になることがあります。大人が多いこと自体は心強いのですが、「誰かが見ていると思った」が起きないよう、子どもを見る人をその都度はっきりさせておくと安心です。
食事の準備中は担当を決める
帰省先では、普段より大人数の食事を用意することがあります。親も配膳を手伝い、祖父母も台所へ行けば、その間だけ子どもを見る人が曖昧になることがあります。「私が見ているね」「今からお願い」と短く声を掛け合うだけでも、見守りの空白を作りにくくなります。
荷物の出し入れ中も子どもの位置を見る
到着時と帰宅時は、大人が玄関と車を何度も行き来します。玄関ドアが開いたままになったり、階段や道路へ子どもが近づいたりすることも考えられます。荷物を運ぶ人と子どもと一緒にいる人を分けてしまうと動きやすくなります。
見守りだけに頼らない
もちろん、大人が子どもの様子を見ることは大切です。一方で、こども家庭庁も「目を離さないようにする」だけで事故を完全に防ぐことはできないとして、家具の移動、補助錠、浴槽の水を抜くといった環境対策を勧めています。見守る人を決めることと、危険そのものを減らすことの両方を行いましょう。
帰省前に祖父母へお願いしておくと楽になる
到着してから「これを片づけて」「あれを移動して」とお願いすると、慌ただしくなります。できれば帰省前に、優先度の高いものだけ共有しておきましょう。
- お風呂の水を抜いておいてもらう
- テーブル上の薬を高い場所へ移してもらう
- たばこや吸い殻を片づけてもらう
- ストーブやケトルの位置を確認してもらう
- 子どもの寝る場所を相談しておく
「家の中を全部安全にしておいて」では、何をすればよいのか分かりません。「薬だけ上の棚へ移してもらえる?」「滞在中だけお風呂の水を抜いてもらえる?」と具体的にお願いすると、祖父母側の負担も分かりやすくなります。
安全対策は、どちらか一方へ任せるものではありません。こども家庭庁も、帰省先での事故防止について、保護者だけでなく周囲の大人が協力して子どもを守ることを呼びかけています。
祖父母の家の安全対策は子どもの成長で変わる
前回と同じ実家でも、子どもが成長すれば危険になる場所は変わります。年齢表は目安として使い、実際には現在の発達や行動を見て判断してください。
| 発達の目安 | 帰省先で起こりやすい行動 | 優先して確認する場所 |
|---|---|---|
| 寝返り前 | 寝床で長く過ごす | 寝具・ベッド |
| ハイハイ期 | 床の物を拾う | 薬・電池・小物 |
| つかまり立ち期 | 家具や家電へつかまる | ケトル・ポット・鉢 |
| 1〜2歳頃 | 自分で部屋を移動する | 浴室・階段・ストーブ |
| 2〜3歳頃 | ドアや収納を開ける | ベランダ・窓・洗面所 |
| 3歳以降 | 椅子や台へ登る | 窓・高い棚 |
「何歳だから大丈夫」ではなく、次の点を見ます。
- 自分で歩けるか
- 椅子へ登れるか
- ドアを開けられるか
- 引き出しを開けられるか
- 物を口へ入れるか
できることが増えたときは、事故対策を変えるタイミングです。
3分でできる祖父母宅の安全チェック
帰省するたびに家中を一から確認するのは大変です。まずは、事故につながりやすい場所だけ順番に見てみましょう。各項目はタップしてチェックを付けられます。
水まわり
誤飲
やけど
転落
食事と宿泊
全部を一度に直せない場合は、浴室、誤飲物、熱い物から優先してください。
帰省前に自宅でも使える安全チェックリストを確認しておくと、祖父母の家でも同じ視点で確認しやすくなります。
祖父母の家の安全対策でやりがちな勘違い
帰省中の事故を防ぐためには、「今まで大丈夫だった」という経験だけに頼らないことが大切です。特に次のような考え方は、一度見直してみましょう。
「大人がたくさんいるから誰かが見ている」
家族が多いほど安心に感じますが、誰が見ているのかが曖昧になることがあります。特に食事の準備、荷物の出し入れ、来客対応など大人が動く場面では、一言声を掛けて担当を確認しましょう。同時に、見守りだけに頼らず、浴槽の水を抜く、危険な物を移動するなど環境も整えます。
「前回の帰省で大丈夫だったから今回も大丈夫」
前回は届かなかった物に、今回は届くかもしれません。子どもの成長を基準に考え、「最近できるようになったこと」が祖父母宅でどんな事故につながるかを確認してください。
「薬は苦いから子どもは飲まない」
子どもは味を確認してから安全かどうか判断するわけではありません。医薬品の誤飲は重大な症状につながる可能性があります。飲まないことを期待するのではなく、手に取れない場所へ保管します。
「重いケトルやポットは動かせないから大丈夫」
子どもが本体を持ち上げる必要はありません。コードを引く、つかまり立ちをする、手を掛けるだけでも倒れる可能性があります。こども家庭庁も、電気ケトルやポットはコードを含めて子どもの手が届かない場所へ置くよう案内しています。
「浴槽には少ししか水がないから大丈夫」
こども家庭庁は、水深の浅い場所でも子どもが溺れることがあるとしています。水の深さを見て安全と判断するのではなく、一人で浴室へ入れないことと、水を残さないことを優先します。
「昔子育てをした経験があるから対策は必要ない」
祖父母の子育て経験を否定する必要はありません。一方で、現在の子どもの発達も、祖父母宅の家具や家電も、昔の子育て当時とは違います。「昔はこうだった」とどちらかが押し通すより、今の子どもが何をできるのかを一緒に見ながら決めていく方が安全対策につながります。
祖父母の家で事故が起きたときはどうする?
事故が起きたときは、誰が悪かったのかを考えるより先に子どもの状態を確認します。応急手当は事故の種類によって異なるため、自己判断で吐かせたり、薬を塗ったりしないことも重要です。
薬や洗剤などを誤飲した
こども家庭庁は、誤飲した物によっては吐かせてはいけないものがあるため、基本的には吐かせず、同じ物や容器を病院へ持参して受診するよう案内しています。
苦しそうな呼吸、顔色が青白い、けいれん、ぐったりして呼びかけへの反応がおかしい場合は救急車を呼びます。何を飲んだか分からない場合も、周囲にあった製品を確認してください。
ボタン電池を飲み込んだ可能性がある
ボタン電池は症状がなくても急いで受診が必要なものとして、こども家庭庁の応急手当情報に挙げられています。「たぶん飲んでいない」と様子を見るのではなく、電池が見当たらないなど誤飲の可能性がある場合は速やかに医療機関へ相談してください。
浴槽へ転落した
子どもを水から出し、呼びかけへの反応と呼吸を確認します。反応がなく正常に呼吸していない場合は119番通報を行い、救急隊の指示に従って心肺蘇生を始めます。こども家庭庁も、溺水時には一刻も早い対応が必要だとしています。
ストーブや熱湯でやけどした
こども家庭庁は、やけどをした場合はすぐに10〜20分以上冷やすよう案内しています。衣服の上から熱湯がかかった場合は、無理に脱がさず服の上から冷やします。
全身の広い範囲や顔面のやけどは救急車を呼び、手のひら以上の範囲や水ぶくれがある場合も医療機関を受診します。
階段や家具から落ちて頭を打った
頭を打った後に、意識がない、出血がひどい、繰り返し嘔吐する場合は、救急車を呼ぶか至急受診します。顔色が悪い、元気がない場合も受診が必要です。意識があり元気に見える場合でも、その後1〜2日は安静にして様子を確認するよう、こども家庭庁は案内しています。
119番/苦しそうな呼吸、顔色が青白い、けいれん、ぐったりして反応がおかしい、意識がない、出血がひどい、繰り返し嘔吐するなど緊急性が高い場合は連絡してください。
#8000/休日や夜間に受診すべきか迷った場合は、全国共通の子ども医療電話相談で、小児科医師や看護師へ相談できます。利用できる時間は都道府県によって異なります。
祖父母の家での子どもの事故についてよくある質問
祖父母宅の安全対策では、「どこまでお願いすればいいのか」と迷うことがあります。家を丸ごと変えてもらうのではなく、子どもの滞在時間や発達に合わせて必要な場所から整えていきましょう。
帰省前に祖父母へ何をお願いすればいい?
まずは、浴槽の水を抜く、薬や小物を高い場所へ移す、ケトルやストーブの位置を確認する、子どもの寝る場所を決める、という4点を伝えておくと準備しやすくなります。細かい安全対策は、到着してから親が一緒に確認しても構いません。
祖父母宅を全部子ども仕様にする必要はある?
数日の滞在で家全体を変更する必要はありません。子どもが主に過ごす部屋を決め、その部屋と浴室、階段、窓、キッチンなど事故の重症化につながりやすい場所から対策しましょう。使用しない部屋へ子どもが自由に入れないようにする方法もあります。
薬はどこへ移してもらえばいい?
子どもから見えず、手が届かない場所を選びます。単にテーブルの奥へずらすだけでは、椅子へ登れる子どもには届く可能性があります。子どもの発達を考え、簡単に開けられない収納などで保管してください。
ストーブがある家ではどうすればいい?
子どもが直接触れないよう安全柵などで囲います。こども家庭庁は、帰省中だけでも可能ならエアコンを使う方法も紹介しています。柵を設置する場合も、子どもが動かしたり乗り越えたりできないか確認してください。
お風呂の残り湯は毎回抜いた方がいい?
小さな子どもが滞在している間は、可能な限り入浴後に水を抜くことが勧められます。こども家庭庁も、0〜2歳頃の子どもの浴槽への転落・溺水対策として、入浴後に水を抜くよう案内しています。
子どもを祖父母へ預ける前に何を確認する?
最低限、食べさせてよい物、アレルギー、入ってはいけない場所、昼寝・就寝方法、薬の有無、緊急時の連絡先を共有しておくと安心です。さらに、その時点で子どもができることも伝えてください。「最近ドアを開けられるようになった」「椅子へ登るようになった」などの情報は、安全対策を考えるうえで役立ちます。
大人がたくさんいる場合も見守る人を決めた方がいい?
特に大人が別々の作業をする場面では、決めておくと分かりやすくなります。「今は私が見るね」と短く声を掛けるだけでも、誰が子どもと一緒にいるのかを確認できます。ただし、見守りだけに頼るのではなく、危険物を移動したり浴槽の水を抜いたりする環境対策も同時に行ってください。
帰省時に持っていくと便利な安全用品は?
家庭によって必要な物は異なりますが、一時的に使える補助錠やベビーゲートなどが役立つ場合があります。ただし、安全用品は設置場所や対象年齢、使用方法を守ることが前提です。「安全用品を持ってきたから安心」ではなく、祖父母宅の間取りや設備に正しく取り付けられるか確認してください。
祖父母の家では注意して見る場所を先に決めておく
祖父母の家で子どもの事故を防ぐために、家中を完璧に改装する必要はありません。優先したいのは、次の6つです。
- 水がある場所
- 薬や電池など口に入る物
- ケトルやストーブなど熱い物
- 階段・窓・ベランダなど高低差のある場所
- 子どもの寝床
- 年齢に合わない食べ物
普段子どもが暮らしていない家には、「危険な家」なのではなく、これまで子ども向けの安全対策を必要としなかった場所があります。そして、帰省する子ども自身も毎回成長しています。
前回は届かなかった薬へ手が届く。初めて見る洗剤を触る。ソファへ登って窓を開けようとする。そんな変化を前提に、その日の子どもの目線で家の中を見てみてください。
祖父母だけに「気をつけて」とお願いするのではなく、親も一緒に物を移し、危険な場所へ行けないよう環境を整えます。
家族みんなが事故を防ぐ方法を共有できれば、帰省中も「危ないからダメ」と言い続ける時間を減らし、子どもと祖父母が一緒に過ごす時間をもっと安心して楽しめます。

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