子どもと家で過ごしていると、「外に出ていないから今日は少し安心」と感じることがありますよね。私も子どもが小さいころは、道路や公園にいるときほど家の中を危険な場所だとは考えていませんでした。
でも、子どもにとっては、いつものソファも、階段も、電気ケトルも、ときには事故のきっかけになります。
24%
消費者庁が外出自粛期間中の14歳以下の子どもがいる家庭を対象に行った調査では、24%の家庭が家の中で事故またはヒヤリ・ハットを経験していました。事故では「落ちる」が多く、発生場所は台所、リビング、階段の順に多く報告されています。
ここで大切なのは、「親がもっと注意すればいい」と考えるだけで終わらせないことです。
子どもは成長します。昨日まで届かなかった場所に突然手が届き、椅子を動かして高いところへ登り、開けられなかった引き出しを開けるようになります。だから家庭内事故を減らすには、次の対策を重ねることが大切です。
- 子どもを見守る
- 危険な物を遠ざける
- 事故が起きにくい環境を作る
- 子どもの成長に合わせて見直す
こども家庭庁の2026年3月版「こどもの事故防止ハンドブック」でも、窒息・誤飲、転落・転倒、水まわり、やけど、挟む・切るなど、家庭でも起こり得る事故とその予防方法が整理されています。
このページでは、子どもの家庭内事故について「どんな事故があるか」を並べるだけではなく、なぜ起こるのか、家のどこを見ればいいのか、今日から何を変えられるのかまで一緒に確認していきます。
このページでわかること
- 年齢ごとに、家のどこを重点的に見ればいいか
- 家庭内で起きやすい7つの事故と、その防ぎ方
- リビング・キッチン・階段など、部屋別のチェックポイント
- 5分でできる家庭内の安全チェック
- 危険を見つけたあと、何から手をつければいいか
家庭内事故の早見表
最初に、お子さんの年齢と、今どこを重点的に確認したいかを整理しておきましょう。
| 年齢の目安 | 特に注意したい事故 | 最初に確認したい場所 |
|---|---|---|
| 0歳 | 窒息・転落・誤飲 | 寝室・リビング |
| 1〜2歳 | 転落・誤飲・やけど | リビング・階段・キッチン |
| 3〜6歳 | 転落・やけど・指挟み | 窓・ベランダ・キッチン |
| 小学生 | やけど・刃物・家電事故 | キッチン・留守番する部屋 |
年齢はあくまで目安です。同じ2歳でも、まだ椅子へ登らない子もいれば、自分で椅子を運んで高い棚の物を取ろうとする子もいます。家庭内事故では、年齢以上に「最近何ができるようになったか」を見ることが大切です。
家庭内事故はなぜ起きる?
家の中の事故には、一つだけの原因があるわけではありません。子どもの成長、好奇心、大人には思いつきにくい行動、家具や家電の配置。それらが重なったときに事故へつながります。
こども家庭庁も、子どもの身の回りの環境を整え、安全な製品を選び、正しく利用することで防げる事故があるとしています。
子どもの成長で危険な場所が変わる
家庭内事故を考えるうえで、まず覚えておきたいのが「昨日と今日では危険な場所が違う」ということです。
赤ちゃんのころは寝ている場所が中心でも、寝返りを始めればベッドやソファからの転落が気になります。ハイハイを始めれば床の小物へ近づき、つかまり立ちを始めればテーブルの上に手が伸びます。一人で歩けるようになると、リビングだけではなく、階段、キッチン、浴室などへ自分から移動できるようになります。
私自身、「まだこれはできないだろう」と思っていたことを突然やられて、ヒヤッとしたことが何度もありました。安全対策を見直すサインは、次のような変化です。
- 寝返りを始めた
- ハイハイを始めた
- つかまり立ちを始めた
- 一人歩きを始めた
- 階段へ登るようになった
- 椅子や箱を動かすようになった
- 窓や扉を開けるようになった
「○歳になったから」というより、新しい行動ができるようになったら家を見直すと考えると分かりやすいです。
家具や家電は子どもには別の物に見える
大人にとって椅子は「座る物」ですが、子どもにとっては「高いところへ登る台」になることがあります。引き出しも収納ではなく、足を掛ける階段になるかもしれません。コードは家電につながる配線ではなく、「引っ張ってみたいひも」に見えることがあります。
家の中では、次の6つの行動を想像してみてください。
| 子どもの動き | 家の中で確認するもの |
|---|---|
| 届く | 薬・熱い物・刃物・小物 |
| 登る | 椅子・ソファ・棚・窓際の家具 |
| 引っ張る | 電源コード・家電・布類 |
| 倒す | テレビ・収納家具・家電 |
| 口に入れる | 電池・磁石・小物 |
| 開ける | 扉・引き出し・窓・洗濯機 |
この視点で見ると、いつもの部屋でも危険な場所が見つかりやすくなります。
見守りだけでは防ぎきれない
「子どもから目を離さないでください」という注意はよく見かけます。もちろん見守りは大切です。ただ、現実の子育てで一瞬も目を離さないことはできません。
料理をする。洗濯物を取り込む。トイレへ行く。兄弟に呼ばれる。宅配便が来る。ほんの数十秒、視線が外れる場面はいくらでもあります。
消費者庁も窓・ベランダからの転落事故について、見守りだけではなく、足場になる物を置かない、補助錠を利用するなど、事故が起きにくい環境づくりを重視しています。
家庭内事故対策は、見守ることだけではなく、見ていない瞬間にも事故が起きにくい家を作ることまで含めて考える必要があります。
家の中で起きやすい7つの事故
家庭内事故にはいろいろありますが、家を見直すときは大きく7つに分けると整理しやすくなります。
| 事故 | 主に確認するもの |
|---|---|
| 転落・転倒 | ベッド・ソファ・階段・窓 |
| 誤飲・窒息 | 小物・薬・電池・磁石 |
| やけど | 熱湯・ケトル・ストーブ・アイロン |
| 水の事故 | 浴槽・洗濯機・水をためた容器 |
| 挟む・切る | ドア・引き出し・刃物 |
| 感電・コード | コンセント・延長コード・家電 |
| 家具の転倒 | タンス・テレビ・収納家具 |
一つずつ、「何が危ないのか」だけでなく「どうすれば事故につながりにくくなるか」を見ていきます。
転落・転倒は「落ちる場所」と「登る場所」を見る
子どもの家庭内事故でまず注意したいのが転落・転倒です。
こども家庭庁は、大人用ベッドやソファ、椅子、階段などからの転落事故について、発達段階に応じた対策を紹介しています。階段については、ハイハイをする頃から転落が起こるとして、転落防止柵の設置とロックなどを案内しています。
また消費者庁は2025年6月、住宅の窓・ベランダからの子どもの転落事故について報告書を公表しました。その後も2026年にこども家庭庁による周知やフォローアップが行われています。
転落対策でありがちな落とし穴が、「落ちる場所だけを見る」ことです。窓そのものが高くても、その前にソファがあれば登れます。ベランダの手すりが高くても、近くに室外機や収納箱があれば足場になる可能性があります。
家では、次の場所を確認してください。
- ベッドやソファの端
- 階段
- 窓際の家具
- ベランダの室外機
- 植木鉢や収納ケース
- 椅子や踏み台
転落事故については、高さだけでなく、「そこまで子どもがどうやって登るか」まで逆算するのがポイントです。
誤飲・窒息は「小さい物」だけではない
赤ちゃんや小さな子どもは、手に取った物を口へ運びます。そのため、誤飲対策というと床の小さなおもちゃを思い浮かべるかもしれません。でも、注意したい物はそれだけではありません。
こども家庭庁は、次のような物についても誤飲事故への注意を呼びかけています。
- 医薬品
- 洗剤
- 化粧品
- 包装フィルム
- シール
- ボタン電池
- 磁石
- 吸水ボール
複数の磁石を飲み込むと、腸壁を挟んでくっつき、腸閉塞や消化管穿孔につながるおそれがあります。
家を確認するときは、「床に落ちていないか」だけではなく、「子どもが自分で取り出せないか」まで見てください。
たとえば薬を高い棚へ移しても、その下に椅子が置いてあれば、成長した子どもは登って取るかもしれません。また、年上の兄弟がいる家庭では、上の子のおもちゃやシール、文房具なども確認しておきたいところです。
誤飲を防ぐ基本は、危険な物を見えにくく、手が届かず、自分で取り出せない場所へ置くことです。
やけどは「触る」より「落ちてくる」にも注意する
家庭内のやけどは、子どもが熱い物へ自分から触れるケースだけではありません。電気ケトルのコードを引っ張る。テーブルクロスを引く。熱い飲み物が入ったカップを倒す。このように、熱い物が子どもの方へ落ちてくる事故もあります。
こども家庭庁は、電気ケトルやポットについて、コードを含めて子どもの手が届かない場所へ設置すること、炊飯器は蒸気へ触れられない位置へ置くことを案内しています。
家では、次のところまで確認しましょう。
- ケトル本体だけでなくコード
- 炊飯器の蒸気口
- テーブル端の熱い飲み物
- コンロ周辺
- 調理後のフライパン
- ストーブ
- 使用後のアイロン
アイロンや調理器具は、「使い終わった=安全」ではありません。使用後もしばらく高温になっています。
水の事故は入浴していない時間も注意する
お風呂の事故というと、親子で入浴している時間を思い浮かべますよね。でも、子どもが一人で浴室へ入り、浴槽をのぞき込んだ際に転落する可能性もあります。
こども家庭庁は、浴槽への転落を防ぐため、入浴後に水を抜くことや、子どもが一人で浴室へ入らないようにすることを案内しています。また、洗濯機、バケツ、洗面器などに水をためたままにしないことも挙げています。
確認したいのは、次の5つです。
- 浴槽の残り湯
- 子どもだけで浴室へ入れる状態
- 洗面器やバケツの水
- 洗濯機
- 浴室内の滑りやすい場所
特に小さい子どもがいる間は、「水深が浅いから大丈夫」とは考えない方がいいでしょう。
ドア・引き出し・刃物は毎日使うからこそ見落とす
家庭内事故というと大きな家具や火を想像しがちですが、毎日使うドアや引き出しも注意したい場所です。特に兄弟がいると、上の子が勢いよくドアを閉めたところへ下の子が手を置いていた、という状況も考えられます。
こども家庭庁は、ドアや窓の開閉時に子どもが近くにいないか確認すること、蝶番側へ隙間カバーを付けることなどを案内しています。刃物についても、使ったらすぐに子どもの手が届かない収納へ片付けるよう呼びかけています。
家では、次のところを確認してください。
- ドアの蝶番側
- 引き出し
- キッチン収納
- 包丁
- ハサミ
- カッター
- 洗面所のカミソリ
「使っている時間」よりも、使っていないときに子どもが取れないことの方が重要です。
コンセント・コードは「差す」と「引っ張る」を見る
コンセントを見るときは、穴そのものだけでなく、その周囲も見ます。床にヘアピンやクリップなどの金属製品が落ちていないか。延長コードの差込口が床に置かれていないか。家電コードが子どもの手の届く高さまで垂れていないか。充電器も、使っていないのにコンセントへ差したままになっていないか確認しましょう。
コードについて私が意識しているのは、電気を通す物であると同時に、子どもにとっては「引っ張れるひも」でもあるということです。ケトルや家電のコードを引っ張れば、本体が落ちてくる可能性があります。
| 場所 | 確認すること |
|---|---|
| 壁のコンセント | 手や物を入れられないか |
| 延長コード | 床へ置きっぱなしになっていないか |
| 家電コード | 引っ張って本体を落とせないか |
| 充電器 | 使用後も差したままになっていないか |
家具・テレビは「登られたらどうなるか」を考える
タンスや収納家具は、大人が普通に使っている限り簡単には倒れません。でも、子どもは引き出しを開けて足を掛けたり、家具へぶら下がったりすることがあります。
こども家庭庁も、1〜6歳頃の事故として、家具へぶら下がったり、引き出しを開けてよじ登った結果、家具が倒れて下敷きになる事故を挙げています。家具の固定や、引き出し・扉へのストッパーの利用が対策として示されています。
特に引き出しは、子どもにとって階段のようになる可能性があります。
- 1段目の引き出しを開ける
- 開いた引き出しに足を掛ける
- さらに上の引き出しへ手を掛ける
確認したいのは、次の6点です。
- 家具が適切に固定されているか
- 子どもが引き出しを自由に開けられないか
- 家具へ足を掛けて登れないか
- テレビ台へ登れないか
- テレビや家具がぐらつかないか
- 転んだ先に鋭い家具の角がないか
家具対策には、倒れないようにするだけでなく、登りにくくする、ぶつかったときのけがを減らすという視点も必要です。
年齢で変わる家の中の危険
同じ家でも、0歳と4歳では危険な場所が違います。年齢だけで決めつける必要はありませんが、「今の時期はどんな行動が増えるか」を知っておくと、先回りした安全対策がしやすくなります。
0歳は寝る場所と手の届く範囲を見る
0歳では、まず寝る場所を確認します。こども家庭庁は、大人用ベッドやソファからの転落について、寝返りや移動によって転落して頭部をけがすることがあるとしています。
- ベッドから落ちる可能性
- 柔らかい物で顔が覆われないか
- 手の届くところに小物がないか
- ベッド周辺の家具やコード
1〜2歳は「歩ける」が大きな転換点
歩き始めると、家の中の危険範囲が一気に広がります。昨日までハイハイで近づいていただけだったテーブルに立った状態で手が届き、キッチンや階段へ自分から移動できるようになります。
この時期は、次の場所を重点的に見ます。
- 階段
- コンセント
- 電源コード
- キッチン
- 熱い飲み物
- 引き出し
「手が届くか」だけではなく、「引っ張れば届くか」も確認してください。
3〜6歳は「登る・開ける・運ぶ」を前提にする
3〜6歳になると、親が考えた安全対策を自分で越える子も増えてきます。椅子を運ぶ。窓の鍵を開ける。引き出しを開ける。棚へ登る。
ここで、「もう言えば分かるから大丈夫」と考えて、環境面の対策を早く外すのはおすすめしません。理解できることと、遊びに夢中になった場面でも必ず安全に行動できることは別です。
この時期は、環境で事故を防ぐことと、なぜ危険なのかを言葉で教えることを並行していきます。
小学生は「禁止」から「安全な使い方」へ
小学生になると、家庭内事故そのものがなくなるわけではありません。むしろ、親がそばにいない状態で物を使う機会が増えてきます。
- 電子レンジを使う
- 簡単な料理をする
- 包丁を使う
- 一人で入浴する
- 留守番をする
乳幼児期は「触れない環境」を作ることが中心ですが、小学生になったら、「どう使えば安全か」を教える段階へ少しずつ移っていきます。家庭内事故対策は、子どもの成長とともに守る安全から、身につける安全へ変えていくものだと考えてみてください。
部屋別に家の危険をチェック
事故の種類を覚えるより、実際に家を歩いて部屋ごとに見る方が分かりやすい方も多いと思います。スマートフォンを持ったまま、一部屋ずつ確認してみてください。
リビングは「登る・倒す・引っ張る」
リビングは、家の中でも子どもが長い時間を過ごす場所です。その分、事故につながる物も多くあります。
- ソファへ登れないか
- 窓際に家具がないか
- テレビが固定されているか
- 収納家具へ登れないか
- 電源コードを引っ張れないか
- コンセントへ簡単に触れないか
- 小さな物が床に落ちていないか
特にリビングでは、家具を一つずつ見るのではなく、家具同士の位置関係まで見てください。ソファ自体は安全でも、窓のすぐ横にあれば足場になることがあります。
キッチンは「熱・刃物・洗剤」を分けて考える
キッチンは、家庭内で最も複数の危険が集まりやすい場所の一つです。料理中には、火・熱湯・刃物・洗剤・家電を同時に使います。
- ケトルのコードが垂れていないか
- 炊飯器の蒸気へ手が届かないか
- フライパンの取っ手が外側を向いていないか
- 包丁を使用後すぐ収納しているか
- 洗剤を子どもが取れないか
- 引き出しを簡単に開けられないか
大人が料理をしている最中だけでなく、調理が終わった後にも熱い物は残ります。
階段と玄関は段差を甘く見ない
階段は上から落ちる事故だけではありません。ハイハイができるようになると、子どもが下から勝手に階段へ登り、途中から落ちる可能性があります。こども家庭庁も、ハイハイをする頃から階段の転落事故が起こるとして、安全柵とロックの利用を案内しています。玄関でも、段差で転倒することがあります。
- 階段へ一人で入れないか
- ゲートが確実に閉まるか
- 子ども自身がロックを解除できないか
- 階段に物を置いていないか
- 玄関の段差付近に荷物がないか
- 玄関ドアで指を挟まないか
窓は高さより足場を見る
窓の安全対策で、一番確認してほしいのは窓の高さではありません。窓まで登れる物がないかです。消費者庁の調査でも、窓・ベランダからの転落防止では、室内の窓の近くへ足場になる物を置かないことが対策として挙げられています。
- ソファ
- ベッド
- 椅子
- 棚
- 収納ケース
「この家具を動かしたら窓へ登れない」という場合は、配置変更だけでも対策になります。
ベランダは室外機まで足場として考える
ベランダでは、手すりの高さだけを見ないでください。次のような物が手すりへ登る足場になる可能性があります。
- 室外機
- プランター
- 植木鉢
- 椅子
- テーブル
- 収納ケース
消費者庁の2025年の事故調査報告書では、窓・ベランダからの転落防止について、住宅設備や周囲の環境を含めた対策が検討されています。ベランダは「遊ぶ場所」として子どもだけで使わせないことも大切です。
浴室・洗濯機・トイレは水と扉を見る
水まわりでは、「入浴中だけ注意すればいい」というわけではありません。子どもが一人で浴室へ入れないか、浴槽に水が残っていないかを確認します。
洗濯機は、水だけではなく、子どもが中へ入って閉じ込められる事故にも注意が必要です。こども家庭庁はドラム式洗濯機について、チャイルドロック機能を利用するなど、子どもが入れないよう工夫するよう案内しています。
- 浴槽の残り湯
- 浴室の扉
- 洗面器・バケツ
- 洗濯機のふた
- 洗剤
- トイレ内の水や用品
寝室は「寝ている間」と「遊ぶ時間」を分けて見る
寝室は、子どもが寝ている時間だけ安全ならいいわけではありません。ベッドの上で遊ぶ、家具へ登る、コードを触るといった行動もあります。
- ベッドからの転落
- 寝具
- ベッド周辺の小物
- 収納家具
- 電源コード
- 窓との位置関係
観葉植物も子どもには気になる存在
部屋に観葉植物を置いている家庭も多いですよね。大人にとってはインテリアでも、子どもは葉をちぎる、口へ運ぶ、土を触る、鉢を引っ張るといった行動をする可能性があります。また、大きな鉢であれば転倒も考えなければなりません。
植物の種類や鉢の置き場所、子どもの手が届く高さかどうかまで確認します。
5分でできる家庭内安全チェック
ここまで読んで、「家中を全部見るのは大変そう」と感じた方もいると思います。最初から完璧にしなくて大丈夫です。まずは5分だけ、子どもの高さまでしゃがんで家を見てみましょう。
下のチェックボックスは、確認しながらタップして使えます。
1. 子どもの目線で見る
大人が立っていると見えなかった危険が、しゃがむと意外と見つかります。
2. 「登ったら届く場所」を見る
「今は手が届かない」だけではなく、「登ったらどうなるか」まで考えてください。
3. 水・熱・電気を見る
4. 扉と窓を見る
見つけた危険は5つの方法で減らす
チェックで危険な場所を見つけたら、「何か安全グッズを買わないと」と考える前に、次の5つの方法で対策できないか考えてみてください。
危険な物を移す
最も簡単なのは、危険な物そのものを子どもの生活範囲から移動することです。薬、刃物、小物、熱い家電などは、手が届かないだけでなく、椅子などを使っても取りにくい場所へ移します。
家具を固定する
収納家具やテレビなどは、子どもが登ったり引っ張ったりする前提で考えます。家具自体が重いから倒れない、とは限りません。
危険な場所へ入れない
階段、キッチン、浴室などは、年齢によっては「入ってから注意する」より、そもそも一人で入れない環境を作る方が安全です。ゲートや扉、ロックなどは、親の見守りを補う仕組みとして使います。
開けられないようにする
引き出し、窓、洗濯機などは、子どもが自分で開けられるようになった時点で対策を見直します。安全用品は一度取り付ければ終わりではありません。子どもが解除方法を覚えていないかも定期的に確認してください。
子どもへ理由を伝える
理解できる年齢になったら、環境対策に加えて「なぜ危ないのか」を伝えます。「ダメだから触らない」だけではなく、理由を短く伝えます。
- 「ここは熱くなるから触らないよ」
- 「この引き出しに登ると棚が倒れることがあるよ」
- 「窓の近くでは登らないよ」
子どもの安全を守ることと、すべての行動を禁止することは同じではありません。少しずつ、子ども自身にも危険を判断する力を身につけてもらいましょう。
安全対策は成長のたびに見直す
一度チャイルドプルーフをしたから、もう安心。残念ながら、そうとは限りません。子どもの成長そのものが、家の危険を変えるからです。
| 子どもの変化 | 見直したい場所 |
|---|---|
| 寝返り | ベッド・ソファ・寝具 |
| ハイハイ | 床・コンセント・階段 |
| つかまり立ち | テーブル・家具・家電 |
| 一人歩き | キッチン・浴室・階段 |
| 椅子を運ぶ | 窓・棚・危険物収納 |
| 扉を開ける | 引き出し・窓・浴室 |
「前は大丈夫だった」という場所ほど、ときどき見直してみてください。家庭内事故の対策は、家を一度完成させる作業ではありません。子どもの成長に合わせて、家も更新していく作業です。
祖父母の家や帰省先も確認する
自宅をしっかり安全対策している家庭ほど、見落としやすいのが自宅以外です。こども家庭庁CDRも、普段と違う場所では、いつもの自宅とは異なる家具の配置や環境によって事故につながる可能性があると注意を呼びかけています。
祖父母の家では、次のようなこともあります。
- 薬がテーブルに置いてある
- ストーブへ簡単に近づける
- 階段にゲートがない
- 窓際にソファがある
- 小物が低い場所にある
- 浴槽に水が残っている
これは祖父母が安全を考えていないという話ではありません。普段子どもが暮らしていない家では、子どもの動きを前提とした家具配置になっていないということです。
私なら帰省したとき、荷物を広げる前にまず子どもが過ごす部屋を一周します。たった数分でも、「この薬だけ上に置いてもらおう」「この椅子は窓から離そう」と気づけることがあります。
事故が起きたときの準備もしておく
どれだけ安全対策をしていても、家庭内事故を完全にゼロにすることはできません。だから予防と一緒に、「事故が起きたらどうするか」も家族で確認しておきたいところです。こども家庭庁の事故防止ハンドブックには、事故予防だけでなく、窒息、やけど、打撲、出血、誤飲などの応急対応もまとめられています。
- かかりつけ医を確認しておく
- 緊急時の家族の連絡方法を決める
- 救急用品の場所を家族で共有する
- 子どもが飲み込んだ可能性のある物の包装や容器を捨てない
- 事故が起きた状況を説明できるようにする
特に誤飲では、飲み込んだ物によって対応が異なります。こども家庭庁は、基本的には自己判断で吐かせず、飲み込んだ物と同じ物を持参して受診するよう案内しています。
呼吸や意識などに異常がある場合は、インターネットの記事を読み続けず、必要な緊急対応を優先してください。
家庭内事故についてよくある質問
家庭内事故の安全対策を始めると、「どこまでやればいいの?」と迷うことがあります。最後に、保護者の方から出やすい疑問をまとめます。
家庭内事故の対策はいつから始める?
赤ちゃんを迎える前から始めても構いません。ただし、最初から家中を完璧にする必要はありません。寝返り、ハイハイ、一人歩きなど、子どもの発達に合わせて少しずつ更新していくことが大切です。
目を離さなければ事故は防げる?
見守りは大切ですが、それだけですべての事故を防ぐのは現実的ではありません。危険な物を移す、家具を固定する、窓際の足場をなくすなど、見ていない瞬間にも事故が起きにくい環境を作りましょう。
安全グッズを使えば事故は防げる?
安全グッズは役立ちますが、使えば必ず事故を防げるわけではありません。取り付け方法が正しいか、子どもが外せるようになっていないか、劣化していないかなどを確認してください。安全用品に任せきりにせず、家具配置や危険物の収納も一緒に見直すことが大切です。
小学生になれば家庭内事故対策はいらない?
必要です。ただし、対策の内容が変わります。乳幼児期は「危険な物へ近づけない」が中心ですが、小学生になると「家電や刃物をどう安全に使うか」を教えることが大切になります。
賃貸住宅でもできる?
できます。家具の配置を変える、危険物の収納場所を変える、窓際の足場をなくすなど、工事をしなくてもできる対策はたくさんあります。安全用品を取り付ける場合は、製品の使用方法や賃貸契約の条件も確認してください。
祖父母の家もチェックした方がいい?
子どもが滞在するなら、一度確認しておくことをおすすめします。特に薬、階段、窓、ストーブ、小物、浴室など、自宅とは環境が違うところを優先して見てください。
家庭内事故は家の環境を変えることで減らせる
子どもの家庭内事故は、「親がきちんと見ていなかったから」と一言で片付けられるものではありません。子どもは毎日成長します。昨日届かなかった場所へ手が届き、昨日登れなかった家具へ登り、昨日開けられなかった窓や扉を開けられるようになります。
家庭内事故を減らすために大切なのは、次の3つです。
- 見守ること
- 事故が起きにくい環境を作ること
- 成長に合わせて見直すこと
家中を一度に完璧にする必要はありません。まず、お子さんが一番長く過ごしている部屋でしゃがんでみてください。コードは引っ張れないか。窓へ登れる家具はないか。床に小さな物が落ちていないか。
私自身、子育てをしてきて「ここまで届くようになったんだ」と初めて気づいた場所が何度もありました。家庭内事故対策は、できていないところを探して親を責めるためのものではありません。子どもの成長に合わせて、暮らしている家も少しずつ変えていくこと。
一つ危険を見つけて、一つ直す。その積み重ねが、家庭内事故を減らす一番現実的な方法だと思います。
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