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コンセントによる子どもの感電事故を防ぐ方法

コンセントは、家の中にいくつもある見慣れた設備です。大人にとっては「電源を取る場所」ですが、小さな子どもの目線まで下がって見ると、壁の低いところに細長い穴が二つ並んでいます。

その穴へヘアピンを入れてみる。鍵を差してみる。大人のまねをして充電器を差そうとする。子どもに悪気がなくても、こうした行動が感電ややけどにつながることがあります。

消費者庁には、4歳の子どもがコンセントへヘアピンを差し、火花が散って手指をやけどした事故や、金属製のチェーンをコンセントとプラグの隙間へ入れ、手や顔をやけどした事故が報告されています。

さらに近年は、スマートフォンの充電ケーブルの端子をコンセントへ差し込んで電撃傷を負った1歳児の事故も報告されています。

身近な電気製品が増えた分、昔ながらの「コンセントの穴へ金属を入れない」だけでは防ぎきれない場面もあります。大切なのは、子どもへ「触っちゃダメ」と言い続けることだけではありません。コンセントの周りから金属をなくし、プラグの状態を確認し、子ども自身が安全用品を外せないかまで見ておくことです。

このページでわかること

  • 子どものコンセント感電事故が起きる場面
  • ヘアピンや鍵、充電器などで起きた実際の事故
  • コンセントキャップとカバーを使うときの考え方
  • 濡れた手や抜けかけたプラグが危険な理由
  • 子どもが感電した可能性があるときの対応
目次

コンセントの感電事故はどう起きる?

感電とは、電流が体を通ることで起きる傷害です。家庭用コンセントでも、金属製の物を差し込んだり、プラグとの隙間に金属を入れたりすると、火花によるやけどだけでなく、電流が体内を流れて組織を傷つける可能性があります。

消費者庁は、電流が体内を流れると心臓の動きへ影響し、致命的になる可能性もあると注意喚起しています。

家庭で起こりやすい場面を整理すると、次のようになります。

子どもの行動・状態起こり得ること家庭で確認すること
コンセント穴へ金属を入れる感電・火花・やけど金属類の保管
プラグとの隙間へ金属を入れる感電・ショートプラグの差し込み
濡れた手や口で触る電気が通りやすくなる手や周囲の水分
キャップを外すコンセント穴へ触れられるキャップの外しにくさ
充電ケーブル端子を差す電撃傷・火花充電器の片づけ
破損したプラグへ触る通電部へ接触する可能性破損・劣化

ここで覚えておきたいのは、「使っていないコンセントだけが危ないわけではない」ということです。プラグが差してあるコンセント、スマートフォンの充電器、外れた安全キャップなど、コンセントの周囲全体を見ていく必要があります。

子どもにはコンセントが「触ってみたい物」に見える

子どもがコンセントへ近づく行動を「いたずら」と呼ぶことがあります。ただ、小さな子どもは危険だと分かって触っているわけではありません。穴があれば物を入れてみる、大人がやっていることをまねるという行動の延長にコンセント事故があります。

東京都も、乳幼児が歩き回り始めた時期や活発に動き回る時期には、コンセントによる感電事故へ特に注意するよう呼びかけています。

歩き始めるとコンセントまで自分で行ける

コンセントの多くは、床からそれほど高くない位置にあります。ハイハイや歩行で自分から部屋を移動できるようになると、これまで大人が連れて行かなければ近づけなかった壁際へも、自分で行けるようになります。

昨日まではコンセントの存在に気づいていなかったのに、ある日しゃがみ込んで触っていた、ということも考えられます。安全対策を始める時期は「コンセントへ触り始めてから」ではなく、子どもが自分で部屋を移動できるようになる前後を目安に考えるとよいでしょう。

小さな穴を見ると物を入れて確かめる

子どもは、物と物の関係を試しながら成長します。穴があれば、手に持っている物を入れてみる。その行動自体は珍しいものではありません。

東京都には、3歳頃の子どもが鍵で遊んでいた際、コンセントを鍵穴に見立てて鍵を差したヒヤリハット事例も寄せられています。

コンセントの周囲を見るときは、穴を塞いでいるかだけではなく、「近くに差し込める物がないか」を一緒に確認してください。

大人のプラグの抜き差しをまねする

スマートフォンを充電するとき、掃除機を使うとき、家電の電源を入れるとき。大人は日常的にプラグをコンセントへ差しています。子どもはその様子をよく見ています。

消費者庁には、1歳児がスマートフォン充電器のケーブル端子をコンセントへ差し込み、手のひらに電撃傷を負った事故も報告されています。

「ヘアピンや鍵を持たせなければ大丈夫」ではありません。充電器や電子機器など、子どもが普段目にしている物まで含めて考える必要があります。

コンセントへ金属を差し込む事故に注意する

コンセント事故で特に注意したいのが、金属製の物を穴へ差し込む行動です。家庭にある細い金属の中には、子どもが簡単に手へ取れる物も少なくありません。

ヘアピンを差してやけどした事故がある

消費者庁には、4歳児がコンセントへヘアピンを差したところ、「ビリッ」という音とともに火花が散り、左手の指先にやけどを負った事故が報告されています。事故後の検査では心電図や循環器に異常は認められなかったものの、通院して経過を見ることになりました。

外から見える傷が指先だけでも、感電は「指を少しやけどした事故」と単純に判断できないことがあります。

針金入りの物でも感電する

金属そのものに見えない物にも注意が必要です。

消費者庁には、5歳児が装飾用の針金入りモールをコンセントへ入れ、ショートによって両手の指をやけどし、水ぶくれができた事故も報告されています。日本小児科学会でも、コンセントに鍵を差し込んだ電撃傷や、針金を含む物をコンセントへ入れた類似事故が傷害速報として取り上げられています。

見た目が布や玩具でも、中に金属が入っている物があります。子どもがコンセント近くで何を持って遊んでいるかまで見ることが大切です。

家の中にある金属をまとめて確認する

「危ない物はしまっている」と思っていても、大人が普段使う物は生活の中へ出やすいものです。特に確認したい物を、コンセントとの関係で整理すると次のようになります。

身近な物コンセント周辺で確認すること
ヘアピン床・ソファ・洗面台から持ち出せないか
クリップ机や書類の近くに落ちていないか
子どもの玩具代わりに渡していないか
硬貨財布や小物入れから取り出せないか
チェーン玩具・アクセサリーに付いていないか
針金入り用品工作用品や飾りを持ち出せないか

消費者庁も、ヘアピン、針金、クリップ、チェーン、鍵、硬貨などの金属製品は、子どもの手の届かない場所へ保管するよう案内しています。「コンセントを安全にする」だけではなく、「差し込める物をコンセントへ持って行けないようにする」という考え方も必要です。

プラグが刺さっているコンセントにも危険がある

使っていないコンセントへキャップを付けたら、使用中のコンセントは安全だと思ってしまいがちです。しかし、電源プラグが差さっていても、プラグとコンセントの間に隙間ができていれば事故につながる場合があります。

抜けかけたプラグとの隙間へ金属を入れる

消費者庁には、4歳児がコンセントとプラグの隙間へ金属製のおもちゃのチェーンを巻き付けて遊び、火花が発生して手と顔にやけどを負った事故が報告されています。

また、2023年の消費者庁の注意喚起では、コンセントから少し浮いていたアダプターのプラグとの隙間へ、1歳児がスマートフォンの充電ケーブル端子を入れ、電撃傷を負った事例も紹介されています。

見るべきなのは、「何かが差してあるか」ではなく次の2点です。

  • プラグが奥まで入っているか
  • 隙間へ子どもが物を入れられないか

プラグは奥まで差し込まれているか確認する

プラグは、使っているうちに少し抜けてしまうことがあります。掃除中にコードへ足が当たったり、家電を動かしたりした後は、プラグの状態も確認してください。ただし、差し直す場合は子どもにやらせず、大人が製品の取扱説明書に従って行います。

コンセント自体が緩んでいる、焦げている、変色しているなど異常が見られる場合は、そのまま使用を続けず、専門の電気工事事業者などへ相談します。

子どもの手が届く位置のプラグを見直す

リビングではテレビや空気清浄機、寝室ではスマートフォンの充電器など、低い位置に常時接続しているプラグがあります。特に充電器は、使い終わった後もコンセントへ差したままにしやすい物です。

消費者庁は、使用していない電気製品のプラグはコンセントから外し、コードも含めて片づけるよう案内しています。なお、電源コードを引っ張る、噛む、体へ絡むといった事故は、コードそのものの安全対策として別に考える必要があります。

濡れた手でコンセントやプラグを触らせない

コンセント事故では、金属だけでなく水分にも注意が必要です。消費者庁は、肌が濡れていると体へ電気が通りやすくなるため、唾液や汗で濡れた手でコンセントやプラグへ触れることは非常に危険だとしています。

指しゃぶりの後は手が濡れていることがある

乳幼児は、指や玩具を口へ入れることがあります。その直後にコンセントへ興味を持てば、唾液で濡れた手や物を電気設備へ近づけることになります。子どもがコンセントへ手を伸ばしているのを見つけたときは、金属を持っていないから安全とは考えず、手が濡れていないかも見てください。

飲み物や水遊びの近くも確認する

コンセントのすぐ近くに飲み物を置いたり、濡れた物を置いたりしていないかも確認します。水分がこぼれる可能性の高い場所と電気設備はできるだけ離し、家庭での使用方法については電気製品や設備の取扱説明書に従ってください。水まわりでは、感電だけでなく家電側の故障や発熱につながる可能性もあります。

濡れた状態で充電器などを触らせない

2024年の消費者庁の注意喚起では、コンセントに差したままの充電器へ接続されたケーブル端子が子どもの肌へ長時間触れてやけどした事例や、唾液などが関係した可能性のある充電器の異常発熱事例も紹介されています。

「コンセントの穴」だけを見るのではなく、その先につながっている充電器やアダプターまで含めて管理しましょう。

使っていないコンセントは子どもが触れないようにする

使用していないコンセントには、いたずら防止用のキャップやカバーを使う方法があります。ただし、安全用品であれば何を付けても同じというわけではありません。東京都と消費者庁は、子どもが取り外しにくく、興味を引きにくい形や色を選ぶよう案内しています。

コンセントキャップを使う

コンセントキャップは、使用していない差込口へ差し込み、子どもが物を入れにくくする用品です。手軽に導入できますが、取り付けただけで「もう触れない」と思わないようにしてください。東京都の調査では、実際に子どもがキャップを取り外している家庭が確認されています。

キャップは外しにくい形を選ぶ

8種類中7種類

東京都が乳幼児を対象に行った調査では、0〜2歳児でも製品によってキャップを取り外せることが確認されています。特に2歳児は、調査した8種類のうち7種類を外しました。また、すべての年齢の乳幼児が外した製品もありました。

大人が付けたときの感触だけで、「固いから絶対に外せない」とは判断できません。取り付け後も、子どもがキャップを触ろうとしていないか、外せるようになっていないかを見直します。

目立つ色やデザインは避ける

安全用品だから、子どもが喜びそうなキャラクターや明るい色を選びたくなることもあります。しかしコンセントキャップでは、それが逆に興味を引く場合があります。

東京都の調査では、動物などがデザインされた多色のキャップはすべての年齢の乳幼児に外され、オレンジやピンク、黄緑などの明るい色にも興味を示す傾向がありました。目立たせて注意を引くのではなく、コンセントそのものを「遊びたくなる場所にしない」という考え方が適しています。

取り外したキャップの誤飲にも注意する

キャップを外せるようになると、感電とは別の危険も生まれます。

約4割

東京都のアンケートでは、キャップを外した子どものうち約4割が、そのキャップを口へ入れたり、入れそうになったりしていました。生後18か月未満では、その割合が半数を超えていました。

つまり、次のような別の事故ルートもあります。

  1. コンセントを塞ぐための用品を付ける
  2. 子どもが外す
  3. コンセントが再び露出する
  4. 外したキャップが誤飲物になる

コンセントキャップは「外されないか」まで確認する

キャップを付けること自体が目的になってしまうと、子どもの成長に対策が追いつかなくなります。大切なのは、現在も機能しているかを確認することです。

0〜2歳でも外せる製品が確認されている

東京都は0歳、1歳、2歳の乳幼児18人を対象に、複数種類のコンセントキャップを実際に触ってもらう調査を行っています。結果として、すべての年齢で外された製品があり、2歳児では多くの製品を取り外せることが分かりました。

「0歳だからまだ外せない」「2歳なら言えば分かる」と年齢だけで判断するのではなく、実際の子どもの行動で見直します。

短時間で外される場合もある

東京都の調査では、短い時間で取り外されたキャップが確認されています。これは、親が長時間目を離したときだけに起こる問題ではありません。子どもの手先が器用になってきたら、「以前は外せなかった」安全用品も改めて確認してください。

子どもが外し始めたら別の方法へ変える

キャップを何度も外すようになった場合は、同じタイプを付け直し続けるより、コンセント全体を覆い、容易に取り外しにくいタイプのカバーを検討する方法があります。消費者庁も、容易に取り外せないコンセントカバーを使用する方がより安全と案内しています。

ただし、カバーも製品によって取り付け方法や対象となるコンセントが違います。使用前に対象年齢、対応するコンセント、取り付け方などを確認してください。

コンセントキャップとカバーはどう使い分ける?

コンセント用の安全用品には、大きく分けて差込口を塞ぐタイプと、コンセント全体を覆うタイプがあります。どちらかがすべての家庭で正解というわけではありません。

種類主な使い方確認したいこと
キャップ型使用していない差込口を塞ぐ外しにくさ・誤飲
全体カバー型コンセント全体を覆う固定方法・開けにくさ
使用中対応のカバープラグ使用中の部分も覆うプラグ・コードへの適合

使用していない場所はキャップ型を検討する

未使用の差込口へ物を入れられることを防ぐため、キャップ型を使う方法があります。選ぶ際には、装飾性よりも、子どもが興味を持ちにくく簡単には取り外せないことを重視します。使用しているうちに緩んできた場合は、そのまま使い続けず、製品の説明に従って交換を検討してください。

使用中の場所は全体を覆うタイプも検討する

テレビや空気清浄機のように、普段からプラグを差している場所では、未使用口用のキャップだけではプラグとの隙間を覆えません。そうした場所では、使用中のプラグ部分まで覆える製品が使える場合があります。

ただし、どのカバーでもすべてのプラグやアダプターへ使えるわけではありません。サイズや形状、放熱などについて、製品の取扱説明書を確認してください。

安全用品も取扱説明書を確認する

「子ども用安全用品だから適当に取り付けても大丈夫」とは考えないようにします。安全用品にも、設置できるコンセントや使用条件があります。粘着式、ネジ式など取り付け方法も異なるため、賃貸住宅では住宅側の条件も確認してください。

家中の「コンセントと金属」をセットで確認する

コンセント事故を防ぐときは、差込口を一つずつ見るだけではなく、子どもが普段過ごす場所と、その周囲にある物を一緒に見ていきます。特に「コンセントのすぐ近くに、子どもが持ってこられる細い物があるか」という視点が役立ちます。

リビング

リビングは、子どもが長く過ごす一方で電化製品も集まりやすい場所です。テレビ周辺、空気清浄機、照明、スマートフォン充電器など、低い位置のコンセントを確認します。ローテーブルの上へ鍵や硬貨、クリップを置く習慣がある場合は、それらを子どもがコンセントまで持って行けない場所へ移します。

寝室

寝室では、ベッドや布団の近くでスマートフォンを充電する家庭も多いでしょう。子どもが寝る場所の近くに充電器がある場合は、使い終わった端子を子どもが触れられる状態にしていないか確認します。消費者庁には、充電ケーブル端子が乳児の肌へ長時間触れ、やけどにつながった事故も報告されています。

子ども部屋

子ども部屋では、机や棚の近くにクリップ、工作用針金、文房具などが集まりやすくなります。就学前から小学生になると、「穴へ物を差し込む」という行動だけでなく、自分で電気製品を使おうとする場面も増えてきます。コンセントを塞ぐ対策だけでなく、正しい使い方を伝えることも必要になります。

キッチン・洗面周辺

水分を扱う場所の近くでは、濡れた手でプラグやコンセントへ触れないことを特に意識します。濡れた手で触れると電気が通りやすくなることは、消費者庁も注意喚起しています。家電を使用するときは、それぞれの製品の設置・使用条件に従ってください。

コンセントの安全対策は子どもの成長に合わせて変える

子どもがコンセントへどう関わるかは、成長によって変わります。最初は近づくだけだった子どもが、次はキャップを外し、その後は大人のまねをしてプラグを扱うようになるかもしれません。

発達の目安起こりやすい行動確認したいこと
ハイハイ壁際まで移動する未使用口の対策
つかまり立ちコンセント周辺へ手を伸ばすカバー・周囲の物
1〜2歳頃キャップを触る・外す外しにくさ
3〜5歳頃鍵・ピンなどを差す金属類の保管
小学生頃自分で電気製品を扱う正しい使い方

年齢はあくまで目安です。「まだ1歳だから」「もう5歳だから」ではなく、今できる行動を見ることが安全対策の基準になります。

子どもには「穴に入れない」まで具体的に伝える

環境を整えたうえで、言葉を理解できるようになった子どもにはコンセントの使い方も伝えていきます。「危ないから触らない」だけより、何をしてはいけないのかを具体的にした方が分かりやすくなります。

「コンセントは触らない」だけで終わらせない

  • 「鍵やピンを穴へ入れないよ」
  • 「コンセントは大人と一緒に使おうね」

など、行動まで具体的に伝えます。怖い事故の映像を見せて不安にさせる必要はありません。電気が流れていて、けがをすることがある場所だと、年齢に合った言葉で繰り返し伝えてください。

プラグの抜き差しを遊びにしない

大人のまねをしたがる時期には、プラグの抜き差しも魅力的に見えることがあります。「できたね」と遊びとして覚えさせるのではなく、電気製品は大人と一緒に扱う物だと伝えます。子どもが成長して自分で使う年齢になったら、プラグ本体を持つことなど、製品ごとの安全な扱い方を教えていきます。

教えていても安全用品は外さない

子どもが「コンセントは危ない」と言えるようになったからといって、すぐに環境側の対策をなくす必要はありません。分かっていても、遊びに夢中になれば行動が先に出ることがあります。声かけと安全用品は、どちらか一方ではなく組み合わせて考えてください。

3分でできるコンセント感電防止チェック

子どもが普段過ごしている部屋から、一度コンセントを見て回ってみましょう。各項目はタップしてチェックを付けられます。

すべての部屋を一度に確認するのが大変なら、まずリビングからで構いません。子どもの高さまでしゃがむと、大人が立っているときには気づかなかったコンセントや小物が見つかることがあります。

コンセントの感電防止でやりがちな勘違い

毎日使うコンセントだからこそ、「これくらいなら大丈夫」という思い込みが生まれやすい場所でもあります。実際の事故を見ると、確認したいところがいくつかあります。

「穴に指が入らないから安全」

子どもの指がコンセント穴へ入らなくても、ヘアピン、鍵、針金などは入ります。消費者庁や日本小児科学会には、こうした細い金属による電撃傷が実際に報告されています。指の大きさではなく、「穴へ差し込める物が手元にないか」で考えてください。

「プラグが刺さっていれば安全」

使用中のコンセントでも事故は起こります。プラグが少し浮いた部分へ金属製チェーンや充電端子を入れて電撃傷を負った事例があります。使用中だから塞がっている、とは考えないようにします。

「コンセントキャップを付ければ終わり」

東京都の調査では、キャップを使用した家庭の3割以上が、子どもにキャップを外された経験があると回答しています。さらに、外した子どもの半数以上は生後18か月未満でした。キャップを付けた日ではなく、「今日も外せない状態か」を確認してください。

「かわいいキャップの方が子どもも喜ぶ」

コンセントキャップの場合、子どもが喜ぶデザインは安全上の利点とは限りません。東京都の調査では、キャラクターなど目立つデザインや明るい色へ興味を示す傾向が確認されています。コンセントは、子どもの注意を引かない存在にする方が適しています。

「まだ小さいから金属を差すことはない」

安全用品を外した子どもの中には、生後18か月未満も多く含まれていました。また、1歳児がスマートフォンの充電ケーブル端子をコンセントへ入れて電撃傷を負った事故もあります。年齢より、「手にした物を穴へ入れる」「大人の動作をまねる」といった現在の行動を見てください。

「感電しても泣いていれば大丈夫」

電撃傷は、外見だけでは影響の範囲を判断しにくいことがあります。消費者庁は、電流が体内を流れることで組織を損傷し、心臓の動きに影響する可能性を注意喚起しています。日本小児科学会にも、コンセントによる手の電撃傷が傷害事例として報告されています。「泣き止んだから問題ない」「傷が小さいから大丈夫」と自己判断せず、状況に応じて医療機関へ相談してください。

子どもが感電したときはどうする?

子どもがまだ電源や通電している物へ触れている場合は、直接素手で引き離そうとせず、まず自分の安全を確保してください。助けようとした大人まで感電することがあります。安全にできる場合は電源を切る、ブレーカーを落とすなどして通電を止めます。状況が危険で安全に対応できない場合は、無理に近づかず119番へ連絡します。

通電が止まり安全を確保した後は、子どもの意識や呼吸、やけどの有無、けいれん、普段と違う反応がないかを確認します。

119番/意識がない、正常な呼吸が確認できない、けいれんがあるなど緊急性が高い場合は連絡し、通信指令員の指示に従ってください。子どもが通電した物へ触れたままで、安全に対応できない場合も同様です。

#8000/緊急性は高く見えないものの受診した方がよいか迷う場合、休日・夜間であれば小児科医師や看護師へ相談できます。2026年5月時点で全国47都道府県で実施されていますが、相談時間は地域によって異なります。

また、感電では外から見えるやけどが小さくても、体内へ電流が流れている可能性があります。消費者庁が紹介している3歳児の事故でも、手指の電撃傷から全身へ通電した可能性があるとして入院し、心臓や内臓に異常がないことを確認しています。

コンセントの感電事故についてよくある質問

コンセント事故は、「キャップを付けるべき?」「何歳まで必要?」など、家庭によって迷いやすい部分があります。ここでは特に判断しにくい内容を整理します。

コンセントは何歳から対策した方がいい?

子どもが自分で移動できるようになる前後から、手の届くコンセントを確認しておくとよいでしょう。東京都も、乳幼児が歩き回り始める時期や活発に動く時期は特に注意するよう呼びかけています。ただしハイハイでもコンセントへ到達できるため、「歩き始めた日」を待つ必要はありません。

コンセントキャップは本当に必要?

使用していないコンセントへ金属などを差し込むことを防ぐ方法の一つです。消費者庁・東京都も、未使用口へのいたずら防止用品の使用を案内しています。ただし、子どもが外す可能性があるため、キャップだけに頼らず周囲の金属類も片づけてください。

コンセントキャップを子どもが外したらどうする?

何度も外すようなら、そのキャップが現在の子どもに合っていないと考えた方がよいでしょう。東京都の調査でも、多くの乳幼児がキャップを取り外せることが確認されています。容易に取り外せない全体カバー型など、別の方法を検討してください。

コンセントカバーとキャップはどちらが安全?

使用場所や製品によりますが、消費者庁は、コンセント全体を覆い、容易に取り外せないタイプのカバーを使用するとより安全と案内しています。ただし全体カバーでも、設置方法を誤れば十分に機能しません。対象となるコンセントやプラグ、取り付け方法を確認して選んでください。

プラグが刺さっているコンセントも危険?

危険になる場合があります。プラグとコンセントの間に隙間があると、そこへチェーンや充電器端子などを入れる事故が起こる可能性があります。実際に4歳児、1歳児の電撃傷が報告されています。プラグが奥まで差し込まれているか定期的に確認してください。

濡れた手でコンセントに触るとなぜ危険?

肌が濡れていると、乾いているときより電気が通りやすくなるためです。消費者庁も、汗や唾液で濡れた子どもの手や口でコンセントやプラグへ触れることは危険だと注意喚起しています。指しゃぶりの直後なども意識しておきましょう。

ヘアピンをコンセントへ差すとどうなる?

金属を通じて電流が流れ、火花ややけど、電撃傷につながる可能性があります。実際に、ヘアピンをコンセントへ差した子どもが手指にやけどを負った事故や、入院して全身への影響を確認した事故が報告されています。子どもが触れる場所へヘアピンなどを置かないことが重要です。

子どもが感電したら病院へ行くべき?

感電では外から見える傷だけで影響を判断できないことがあります。意識や呼吸がおかしい、けいれんがあるなど明らかに緊急性が高い場合は119番へ連絡してください。それ以外でも、実際に電気が体へ流れた可能性がある、やけどがある、普段と様子が違う場合は自己判断せず医療機関へ相談してください。休日・夜間に受診の判断へ迷う場合は#8000を利用できます。

コンセント事故は「穴」だけでなく周りにある物まで見る

コンセントの安全対策というと、最初に思いつくのはコンセントキャップかもしれません。でも実際の事故をたどると、次のような流れがあります。

  1. コンセントがある
  2. 近くにヘアピンや鍵がある
  3. 子どもが手に取る
  4. 穴へ入れてみる

あるいは、プラグが少し抜けて隙間ができ、そこへ子どもが充電ケーブルやチェーンを入れるという事故も起きています。さらに、キャップを付けた場合でも、子どもが興味を持って自分で外し、差込口が露出したうえに外したキャップを口へ入れるという別の危険が生まれることがあります。

だから、コンセント事故を防ぐときは「穴が塞がっているか」だけで終わらせないことが大切です。一度、子どもの高さまでしゃがんで部屋を見てみてください。

  • コンセントのすぐそばにヘアピンや鍵、クリップはないか
  • プラグが少し抜けていないか
  • 使い終わった充電器が床へ置かれていないか
  • 以前付けたキャップを、今の子どもなら外せるようになっていないか

親が一日中コンセントを見張らなくても済むように、事故につながる物と行動を先に減らしておく。それが、コンセントによる子どもの感電事故を防ぐための現実的な安全対策です。

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