電気ケトルは高い台に置いた。ヘアアイロンも洗面台の奥に置いた。家電本体には子どもの手が届かないから大丈夫。そう思っていても、台の端から電源コードが垂れていたら、安全とは言い切れません。
子どもは家電本体に触れなくても、コードならつかめます。コードを引けば、高い場所に置いていた家電そのものを自分の方へ動かせてしまいます。
消費者庁には、子どもがテーブル上のヘアアイロンのコードを引っ張って落下させ、加熱部分へ触れてやけどした事故が報告されています。また、電気ケトルやポットについても、本体だけでなく電源コードまで子どもの手が届かない場所に置くよう注意喚起されています。
さらに電源コードは、引っ張る事故だけではありません。床に垂れたコードへ足を引っ掛ける、充電ケーブルを口へ入れる、コードを踏んだり折り曲げたりして内部が断線するといった事故もあります。子どものいる家では、家電本体だけではなく、家電からコンセントまで続くコード全体を安全にすることが大切です。
このページでは、電源コードを引っ張ることで起きる家電の落下ややけど、床のコードによる事故、充電ケーブル、傷んだ電源コードの危険まで、家庭で確認したい安全対策を紹介します。
このページでわかること
- 子どもが電源コードで起こしやすい事故
- コードを引っ張ると家電が落ちる理由
- 床や通路のコードを安全にする方法
- 充電ケーブルを放置しない方がよい理由
- 傷んだ電源コードの見分け方
- 電源コードが原因で事故が起きたときの対応
電源コードではどんな子どもの事故が起きる?
電源コードによる事故は、「感電するかもしれない」という一種類だけではありません。子どもがコードへどのように触れるか、そのコードの先に何がつながっているかによって、起こる事故は変わります。
| 子どもの行動やコードの状態 | 起こり得る事故 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| コードを引っ張る | 家電の落下・転倒 | 台から垂れていないか |
| コードへ足を引っ掛ける | 子どもの転倒・家電落下 | 床や通路の配線 |
| 長いコードで遊ぶ | 体へ絡む | 余った長さ |
| 端子を口へ入れる | やけど・感電など | 充電ケーブル |
| コードを踏む・挟む | 内部の断線 | 家具・ドア周辺 |
| 傷んだコードを使う | 発熱・火花・発火 | 被覆・付け根 |
| コードを引いて抜く | プラグ付近の断線 | 抜き方 |
特に子どもの事故で見落としやすいのが、コードそのものではなく、コードの先にある家電によってけがをするケースです。熱湯の入ったケトル、熱くなったヘアアイロン、重い家電などがつながっていれば、一本のコードが大きな事故のきっかけになります。
コードを引っ張ると家電まで子どもの方へ落ちてくる
子どもにとって電源コードは、家電を動かすための物とは限りません。床や台から垂れている細長い物が目に入れば、つかむ、引っ張る、振るといった行動をすることがあります。問題は、コードを引いた先で何が動くかです。
電気ケトルやポットのコードを引く
電気ケトルやポットには、熱湯が入っています。消費者庁は、家電本体が子どもの手の届かない場所にあっても、電源コードを引っ張って転倒させることがあると注意喚起しています。
消費者庁が紹介する事例には、乳児が電気ポットの電源コードを引いたことで本体が落下し、湯によるやけどを負った事故などがあります。現在の注意喚起でも、電気ケトルは電源コードも含めて小さな子どもの手が届かない場所へ置くよう案内されています。
大人は「ケトル本体はカウンターの上だから届かない」と考えがちです。しかし、コードだけが台の前へ垂れていれば、子どもから見ると家電本体までつながる「取っ手」のような状態になります。
ヘアアイロンをコードから落とす
ヘアアイロンでも、電源コードをきっかけにした事故が起きています。
200℃
消費者庁には、テーブル上に置かれていたヘアアイロンのコードを1歳の子どもが引っ張って落下させ、加熱部分へ触れてやけどした事例があります。このヘアアイロンは200℃に設定されており、電源を切ってから2〜3分ほど経過していました。
国民生活センターにも、洗面台の上で加熱中だったヘアアイロンのコードを子どもが引っ張り、腕へ落下してやけどした事例が報告されています。
電源を切っているかどうかだけではありません。まだ冷めていない家電と、垂れたコードの組み合わせも事故につながります。
加湿器など他の家電でも同じ事故が起きる
コードを引く事故は、ケトルやヘアアイロンだけの問題ではありません。NITEには、カウンター上で使用していた加湿器の電源コードが床へたるんでおり、幼児が引っ掛かったことで加湿器が落下し、中の湯でやけどした事例があります。
つまり、次のような事故はさまざまな家電で起こり得ます。
- コードへ手が届く
- 引く・引っ掛かる
- 高い場所の家電が動く
- 子どもの方へ落ちる
家電を安全な場所へ移したときは、コードまで一緒に移動できているかを確認してください。
「本体は届かないから安全」ではない
子どもの事故対策では、家電までの高さだけを測っても十分ではありません。本体へ直接手が届かなくても、電源コードへ手が届けば、家電へ力を加えることができます。
台の上に置いてもコードが垂れていれば届く
テーブル、キッチンカウンター、洗面台などは、家電を子どもから遠ざけるためによく使う場所です。ところが、コードだけが台の前へ垂れていれば、子どもが手を伸ばせる位置まで危険が下がってきます。
家電を高い場所へ移したときは、「本体へ届かないか」ではなく「本体にもコードにも届かないか」まで確認しましょう。
子どもはコードを引けば上の物を動かせる
子どもが家電本体を持ち上げる必要はありません。コードを握って体重を後ろへ掛ければ、家電を台の端へ動かすことがあります。家電が台から落ちれば、次のような別の事故へつながります。
- 頭や体へ当たる
- 熱い部分へ触れる
- 熱湯がかかる
- 容器が割れる
コードを見るときは、「これ自体でけがをするか」だけではなく、これを引くと何が動くかを考えてください。
家電からコンセントまでの経路を見る
電源コードの安全確認は、家電から始めてコンセントまでたどると分かりやすくなります。たとえば、次のような経路になっていないでしょうか。
- 電気ケトル
- 台の後ろ
- 台の横からコードが垂れる
- 床を通る
- 壁のコンセント
この途中に、子どもが触れられる場所がないか確認します。家電だけ、コンセントだけを別々に見るのではなく、その間をつなぐコードまで一つの設備として見ることが大切です。
床や通路へ電源コードを這わせない
子どもは、大人よりも床に近い場所で長い時間を過ごします。ハイハイする赤ちゃんにとっては、床へ置かれたコードは「床にある物」ではなく、目の前にある触れる物です。歩き始めれば、今度は足を引っ掛ける可能性も出てきます。
ハイハイする場所にコードを出したままにしない
プレイマットの横やリビングの中央を、延長コードや充電ケーブルが横切っていないでしょうか。ハイハイ期の子どもは、コードを避けて移動するとは限りません。見つければつかんだり、口へ近づけたりする可能性もあります。常時必要な配線は、子どもの遊び場から離した経路を考えます。
歩き始めるとコードへ足を引っ掛ける
つかまり立ちから歩き始める頃は、まだ足元を見ながら器用に障害物を避けることが難しい時期です。NITEには、床へたるんでいた加湿器の電源コードに幼児が引っ掛かり、家電が落下して湯でやけどした事故があります。
コードへ引っ掛かったとき、次の2つを両方考えてください。
- 子どもが転ぶだけなのか
- コードの先の家電まで倒れるのか
余った長いコードを床へ放置しない
コードが必要以上に長いと、余った部分が床で輪になったり、家具の前へ出たりします。必要な長さだけを、安全な方法で子どもの手が届かない場所へ整理します。
ただし、コードを無理に折り曲げたり、きつく束ねたりすると内部へ負担が掛かる場合があります。収納方法や使用方法は、製品の取扱説明書を確認してください。
子どもの遊び場と配線経路を分ける
すべてのコードをなくすことはできません。そこで現実的なのが、子どもがよく動く場所と、電源コードを通す場所をできるだけ重ねないという考え方です。
プレイマット、玩具スペース、子どもが走る通路などを一度確認してみてください。家具を少し移動するだけで配線を壁側へ寄せられる場合もあります。
長いコードが体や首へ絡まない環境にする
長い電源コードを床や寝る場所へ放置すると、子どもが体へ巻き付けたり、輪の中へ入り込んだりする可能性があります。
国内の公的資料では、電源コードそのものに限定した首への絡まり事故の詳細な統計は十分確認できませんが、消費者庁はブラインドやロールスクリーンなどのひも・チェーンが子どもの首へ絡まり、死亡した事故を繰り返し注意喚起しています。
同じ「長いひも状の物を子どもの首周りに届く状態へ置かない」という考え方で、電源コードも整理しておく方が安全です。
ベッドや寝る場所の近くへ長いコードを垂らさない
ベッドや布団の周囲には、照明やスマートフォンの充電器などのコードが集まりやすくなります。寝ている子どもの顔や首の近くへ、長いコードが垂れていないか確認してください。特にベビーベッドでは、柵の内側へコードが入らない配置にします。
床にコードの輪を作らない
長いコードをそのまま床へ置くと、輪のような形になることがあります。そこへ子どもが手や足を入れたり、遊びの中で持ち上げたりする可能性があります。余ったコードは、製品に無理な力を掛けない方法で整理します。
コードで遊ばせない
子どもがコードを縄跳びやひものように扱っていても、「電源につないでいないから今は大丈夫」と遊び道具にしないようにします。同じような形のコードが、別の場所では通電していることもあります。電源コードは玩具ではないことを、年齢に合わせて伝えてください。
余った長さは子どもの手が届かない場所で整理する
コードをまとめる場合も、ただ床で束ねるだけでは子どもから遠ざかったことにはなりません。コード自体が手に届かず、簡単に引き出せない状態にします。ただし、製品によっては束ねた状態での使用が発熱につながる場合もあるため、使用中のコードの扱いは取扱説明書に従ってください。
充電ケーブルも電源コードとして管理する
今の家庭で特に増えているのが、スマートフォン、タブレット、ゲーム機などの充電ケーブルです。使用時間が短いため「家電の電源コード」とは別物のように感じますが、子どもの事故対策では同じように管理する必要があります。消費者庁は、充電中だけでなく充電後のACアダプターやケーブルを子どもが触れる状態で放置しないよう注意喚起しています。
充電後のケーブルを床へ残さない
スマートフォンだけ持って部屋を移動し、充電器はコンセントに差したまま。そんな使い方をすることもあるでしょう。
消費者庁には、1歳の子どもが充電ケーブルだけを持って遊び、端子をコンセントへ差し込んで電撃傷を負った事故が報告されています。
充電が終わったら、ACアダプターとケーブルを子どもの手が届かない場所へ片づけます。
端子を口へ入れたり遊んだりさせない
充電ケーブルの端子は、小さな子どもが口へ持って行きやすい大きさです。
消費者庁には、コンセントへ差したままの充電器につながったケーブル端子が、寝ていた乳児の胸へ長時間触れてやけどした事故もあります。また、端子周辺に歯形のような痕跡があり、唾液などの導電性異物が侵入して異常発熱した可能性が考えられた火災事例も紹介されています。
「低い電圧だから何をしても安全」と考えず、子どもの玩具にはしないようにします。
変形・破損した端子やケーブルは使わない
充電端子が曲がっている、被覆が破れている、コードが断線しかけている。こうした状態では、そのまま使用を続けないでください。消費者庁は、充電ケーブルの端子の変形・破損、異物の付着、ケーブルの断線などが異常発熱や発火の原因になるとして、不具合がある場合は直ちに使用を中止するよう案内しています。
ベッド周りの充電コードも確認する
寝室では、スマートフォンを枕元で充電する家庭も多いでしょう。大人には便利でも、床やベッド周囲へ長いケーブルが残る配置になりやすい場所です。乳幼児と同じ寝室を使う家庭では、次の点を確認してください。
- ケーブルが寝具へ入り込んでいないか
- 子どもの顔や首の近くにないか
- 端子をつかめないか
- ACアダプターへ触れられないか
傷んだ電源コードは使い続けない
電源コードは、外側が完全に切れていなくても内部が傷んでいる場合があります。
NITEは2025年の注意喚起で、電源コードを折り曲げる、踏みつける、引っ張るなど外部から力が加わり続けると、内部の芯線が断線して異常発熱や発火につながるおそれがあるとしています。
被覆のひび割れ・裂けを確認する
まず目で見て分かる異常を確認します。次のような状態があれば使用を続けないようにします。
- 被覆が裂けている
- ひび割れている
- 変色している
- 中の線が見えている
- 一部だけ不自然に曲がっている
子どもが噛んだ跡があるコードも同様です。テープを巻いて自己流で使い続けるのではなく、メーカーや販売店などへ相談してください。
プラグ側と家電側の付け根を見る
コードの中央だけでなく、特に確認したいのが両端です。NITEは、電源コードでは家電本体側と電源プラグ側で断線が起こりやすいとして、被覆のひび割れや裂けを定期的に確認するよう案内しています。
掃除機などのコードを日常的に引っ張ってプラグを抜いたことで、根元に繰り返し強い力が掛かり、内部断線からスパーク・焼損に至った事故も報告されています。
コードが以前より硬くなっていないか見る
長く使っているコードでは、見た目に大きな傷がなくても劣化している場合があります。NITEは、長期間使用したコードでは被覆が硬化し、ひび割れが起こりやすくなるとして、コードが硬くなっていないかも確認するよう案内しています。購入時より妙に硬い、曲げた部分が戻らないといった変化も見逃さないようにしましょう。
火花・異臭・異常な熱があれば使用をやめる
コードから火花が出る、焦げたようなにおいがする、触れないほど熱くなる。こうした状態は「まだ動いているから使える」と考える場面ではありません。NITEも、電源コードが手で持てないほど熱くなるなどの異常がある場合は使用を中止するよう案内しています。
電源を安全に切れる状況であれば使用をやめ、メーカーや販売店などへ相談してください。
コードを踏む・家具で挟む・強く曲げる使い方を避ける
電源コードは子どもが触ることで傷むだけではありません。大人が家具を置いたり、日々の家事で踏んだりすることでも内部へ負担が掛かります。家庭の配線を整理するときには、コードを隠すことだけでなく、コードそのものを傷めないことも大切です。
家具の脚でコードを踏まない
「子どもが触れないように家具の後ろへ隠そう」として、棚や机の脚でコードを踏んでしまうことがあります。NITEは、机や椅子などの脚で電源コードを踏みつけないよう注意しています。外から力が加わり続けると、内部断線による異常発熱や発火につながるおそれがあります。
見えない場所へ隠すことと、強い力を掛けることは別です。
ドアでコードを挟まない
別の部屋から延長コードを引くと、ドアの下や隙間へ通したくなる場合があります。しかし、開閉するたびにコードが圧迫されたり、強く曲がったりする配線は避けます。コードを移動させても安全な経路を確保できない場合は、家電の設置場所そのものを見直しましょう。
強く折り曲げた状態で使わない
家具と壁の狭い隙間へプラグやコードを押し込むと、コードが付け根から強く折れ曲がることがあります。NITEには、可動式プラグ付近のコードが曲げられた状態で使用され、変形・破損から異常発熱して焼損した事故もあります。「見えなくなったからすっきりした」だけで配線を終わらせないようにします。
コードを引っ張ってプラグを抜かない
掃除機やドライヤーを片づけるとき、遠くからコードを引いてプラグを抜いていないでしょうか。NITEは、プラグを外す際にはコードではなくプラグ本体を持つよう案内しています。大人自身が安全な扱い方をしていれば、子どもへ教えるときにも同じルールを伝えやすくなります。
家電にコードを巻き付けて収納しない
ドライヤーやヘアアイロンを片づけるとき、本体へ電源コードをくるくる巻き付けるとコンパクトになります。しかし、この収納方法はコードの付け根へ繰り返し強い曲げを加えることがあります。
本体へきつく巻き付けない
NITEには、ヘアドライヤーのコードを本体へ巻き付けて収納していたことで、コードの根元が繰り返し曲げられ、断線して火花が出た事故があります。11歳の子どもが使用していたヘアドライヤーで、コードの付け根から火花が出て衣類へ穴が開き、腹部をやけどした事例も紹介されています。
「片づいて見える」と「コードに負担がない」は同じではありません。
付け根を強く曲げない
本体に巻いたとき、最も急角度になるのがコードの付け根です。毎回同じ部分を折るように巻くと、その場所へ負担が集中します。コードを束ねる場合も、根元を強く曲げないようにします。
メーカー指定の収納方法を確認する
製品によって、安全な収納方法は異なります。コードをどうまとめればよいか分からない場合は、取扱説明書を確認してください。特に熱を持つ家電は、使用直後の収納方法にも注意します。
延長コード・電源タップを増やしすぎない
家電が増えると、延長コードや電源タップも増えやすくなります。子どもの事故という面では、配線が増えるほど床や家具周辺にコードが露出する場所も増えます。それに加えて、電源タップには接続できる電力の上限があります。
床の配線が増えると子どもが触れる場所も増える
延長コードを継ぎ足すと、次のようにコードが生活空間を横切りやすくなります。
- テレビ周辺
- ソファの横
- 床
- テーブル下
子どもの遊び場や通路をコードが通っていないか確認してください。
タップを子どもの遊び場へ置かない
床置きの電源タップは、プラグや差込口を子どもが直接触れる状態になりやすい設備です。壁のコンセントと同じく、差込口へ異物を入れる事故にもつながります。可能な範囲で、子どもが頻繁に遊ぶ場所から離します。
使用できる最大消費電力を超えない
NITEは、コンセントや電源タップに接続可能な最大消費電力を超えていないか確認するよう注意喚起しています。「差込口が空いているからまだ使える」という意味ではありません。接続する家電の消費電力と、タップの表示を確認してください。
配線整理で解決できない場合は設置環境を見直す
どう整理しても子どもの遊び場をコードが横切る。延長コードを何本も使わないと必要な家電へ届かない。そのような場合は、家電の位置自体を変更する方法も考えます。
コンセントの増設や移設が必要な場合は、自分で配線工事をせず、必要な資格を持つ電気工事事業者などへ相談してください。
電源コードは子どもの成長に合わせて見直す
子どもが電源コードへどう触れるかは、成長とともに変わります。昨日までは床に寝ていただけでも、ハイハイが始まればコードまで移動し、つかまり立ちが始まれば台から垂れたコードへ手を伸ばすようになります。
| 発達の目安 | 起こりやすい行動 | 見直したい場所 |
|---|---|---|
| 寝返り・ずりばい | 近くのコードをつかむ | 寝る場所 |
| ハイハイ | 床のコードへ近づく | 配線経路 |
| つかまり立ち | 垂れたコードを引く | テーブル・棚 |
| 1〜2歳頃 | 引く・運ぶ・口へ入れる | 家電・充電器 |
| 3歳以降 | 自分で電気製品を触る | プラグ・コード |
| 小学生頃 | ドライヤー等を使う | 使い方・コードの傷み |
年齢はあくまで目安です。「何歳だから大丈夫」ではなく、次の3点を見てください。
- 今どこへ手が届くのか
- 何を引っ張れるのか
- どの家電を自分で使うのか
部屋別に電源コードを確認する
家中の電源コードを一度に確認するのは大変です。まずは子どもが長く過ごす場所、熱い家電を使う場所から見ると進めやすくなります。
リビング
リビングでは、次の家電のコードを確認します。
- テレビ
- ゲーム機
- スマートフォン充電器
- 空気清浄機
- 加湿器
- 延長コード
特にテレビ台や棚の裏からコードが床へ出ていないか、子どもの遊び場を横切っていないか見てください。
キッチン・ダイニング
キッチンやダイニングでは、電気ケトル、電気ポット、炊飯器、調乳ポットなど、熱を持つ家電が多くなります。消費者庁も、電気ケトル等では本体だけでなく電源コードまで子どもの手の届かない場所へ置くよう案内しています。
「台の上へ置いたから終わり」ではなく、コードが手前へ垂れていないかまで確認してください。
洗面所
洗面所では、ドライヤー、ヘアアイロン、電動美容機器などのコードが増えます。ヘアアイロンは使用後もしばらく高温のため、コードを引かれて落下する事故にも注意が必要です。使用後は電源プラグを抜き、冷めるまで子どもの手が届かない場所へ置きます。
寝室
寝室では、スマートフォン、タブレット、照明、加湿器などのコードを確認します。特に枕元の充電ケーブルは、「毎日使うから」と出したままになりやすい場所です。子どもの寝具や顔まわりへコードが入り込んでいないか確認してください。
3分でできる電源コード安全チェック
ここまで読んだら、まず子どもが一番長く過ごす部屋を一つ選んでください。すべてのコードを片づけなくても、次の項目を確認するだけで危険な場所を見つけやすくなります。各項目はタップしてチェックを付けられます。
子どもの手が届く範囲
家電
コード本体
充電器
一つでも当てはまらない項目があれば、そこから見直してみてください。
電源コードの安全対策でやりがちな勘違い
電源コードは家の中に当たり前にあるため、危険が見慣れてしまいやすい物です。特に子どもの事故では、大人の使い方を基準にすると見落としやすい部分があります。
「家電を高い場所へ置けば届かない」
家電本体へ直接手が届かなくても、コードが垂れていれば子どもは引っ張れます。消費者庁には、テーブル上のヘアアイロンをコードから引き落とした事故があり、電気ケトル等についてもコードまで手の届かない場所へ置くよう案内されています。見るべき高さは、本体ではなくコードの一番低い部分です。
「壁際のコードなら邪魔にならない」
大人が歩くには邪魔にならなくても、子どもは壁際まで移動します。NITEには、床へたるんだ加湿器のコードへ幼児が引っ掛かり、本体が落下してやけどした事故があります。「部屋の端だから安全」とは限りません。
「使っていない充電コードなら安全」
充電していないから何も起きないとは限りません。コンセントへ接続されたままの充電ケーブルを子どもが触り、電撃傷ややけどにつながった事例があります。使い終わった充電器は、差したまま、置いたままにせず片づけます。
「被覆が破れていなければコードは傷んでいない」
コード内部の芯線は、外側が完全に裂ける前に断線している場合があります。NITEは、コードを折り曲げたり踏んだり引っ張ったりすると内部で断線し、異常発熱や発火につながるおそれがあるとしています。見た目だけでなく、異常な熱、硬化、変形なども確認してください。
「コードを本体へ巻けばすっきりして安全」
床へコードを出さないため、本体へきつく巻き付けたくなることがあります。しかしNITEには、ドライヤーへコードを巻き付けて収納したことで、付け根が断線し火花ややけどにつながった事故があります。安全に片づけるためにコードを傷めてしまっては意味がありません。
「子どもに触らないと言えば片づけなくていい」
言葉を理解できる年齢になったら、「コードは引っ張らない」「プラグはコードから抜かない」と教えることも大切です。でも、子どもが毎回ルールを思い出して行動できるとは限りません。まず環境を整え、そのうえで安全な使い方を伝える順番で考えてください。
電源コードが原因で事故が起きたとき
電源コードによる事故は、熱湯によるやけど、家電の落下、感電など、何が起きたかによって対応が変わります。まず子どもの安全と、周囲に電気的な危険が残っていないかを確認します。
熱い家電や湯が落ちてやけどした
電気ケトルやポットをコードから倒し、湯がかかった場合は、すぐにやけどした部分を冷やします。
こども家庭庁は、やけどをした場合は10〜20分以上を目安に冷やし、刺激を避けるため容器にためた水などを使い、水道水やシャワーを患部へ直接当てないよう案内しています。服の上から熱湯がかかった場合は、無理に脱がせず服の上から冷やします。消費者庁も、電気ケトル等によるやけどではすぐに10分以上冷やし、服の上からかかった場合は脱がさず冷やすよう案内しています。
顔面や全身の広い範囲など重いやけどでは、救急要請が必要になる場合があります。
コードの破損部分で感電した可能性がある
電源コードが裂けて内部が露出している、火花が出た場所へ子どもが触れたなど、感電した可能性がある場合は注意が必要です。電流が体内へ流れると、外から見える傷だけでなく体内組織や心臓へ影響する可能性があります。
まだ通電している電源へ子どもが接触している場合は、大人も感電しないよう安全を確保することを優先します。
家電が頭や体へ落ちた
コードを引いて家電が落下した場合は、やけどだけでなく打撲や頭部外傷が起きる可能性があります。まず、次のことを確認してください。
- 意識
- 呼吸
- 出血
- けいれん
- 嘔吐
- 手足の動き
- 普段との反応の違い
119番/意識がない、正常に呼吸していないなど明らかに緊急性が高い場合は連絡し、通信指令員の指示に従ってください。広範囲や顔面のやけど、子どもが通電した物へ触れたままで安全に対応できない場合も同様です。
#8000/休日や夜間に受診した方がよいか判断に迷う場合は、全国共通の子ども医療電話相談を利用できます。2026年5月時点で47都道府県で実施されており、相談時間は地域によって異なります。
電源コードによる子どもの事故についてよくある質問
電源コードは家電によって長さも材質も使い方も違うため、「どう片づければ安全なのか」と迷いやすいものです。特に家庭で判断しにくい内容を整理します。
電源コードはどうやって子どもの手から遠ざける?
家電本体だけでなく、コード全体が子どもの手の届かない経路を通るようにします。壁側を通す、家電の配置を変更する、遊び場と配線を離すなど、家庭の間取りに合った方法を考えてください。コードを隠すために家具で踏んだり、強く折り曲げたりしないことも重要です。
電源コードを束ねて使っても大丈夫?
製品によって条件が異なるため、取扱説明書を確認してください。特に消費電力の大きい製品では、コードを不適切に束ねたり曲げたりする使い方を避ける必要があります。「余っているからとりあえず輪ゴムで強く巻く」と自己流で処理せず、製品指定の使用方法を優先してください。
長い電源コードはどう整理すればいい?
子どもの遊び場や通路へ余った部分を置かず、コードへ無理な曲げや圧力が掛からない方法で整理します。収納用品を使用する場合も、コードの発熱を妨げないか、製品の使用条件を確認してください。必要以上に長い延長コードを使っている場合は、配線そのものを見直す方法もあります。
延長コードや電源タップは子どもの近くで使える?
可能な限り子どもの遊び場から離して使用する方が安全です。床に置けばコードを引っ張るだけでなく、電源タップの差込口へ触れる可能性もあります。また、タップに表示されている最大消費電力を超えないようにしてください。
充電ケーブルを差したままにしても大丈夫?
子どもが触れられる場所では、使い終わった充電器を差したまま・置いたままにしない方が安全です。消費者庁は、充電後は充電器を片づけ、ケーブルを含めて子どもの手が届かない場所で扱うよう案内しています。
コードを噛んだ跡がある場合は使える?
噛み跡によって被覆や内部が傷んでいる可能性があるため、そのまま使い続けないでください。特に被覆の裂け、変形、端子の破損、異常発熱などがある場合は使用を中止し、メーカーや販売店へ相談してください。
被覆が少し破れただけならテープで直して使える?
自己流でテープを巻いて使い続けることは避けてください。外側の被覆だけでなく内部の芯線まで傷んでいる可能性があり、断線による発熱・発火事故も報告されています。使用を中止し、メーカーや販売店などへ相談します。
コンセントを増設・移動した方がいい場合はある?
延長コードを何本も使わないと家電へ届かないなど、現在の配線では子どもの生活空間からコードを離せない場合には、設置環境を見直す選択肢があります。ただし、住宅のコンセント工事には資格が必要になる作業があります。必要な場合は電気工事事業者などへ相談してください。
コードを引いて熱い家電を落としたらどうする?
まず子どもの状態を確認し、熱湯や高温の家電でやけどをした場合は、速やかに患部を冷やしてください。こども家庭庁は、やけどを10〜20分以上冷やし、衣服の上から熱湯がかかった場合は無理に脱がせず衣服の上から冷やすよう案内しています。広範囲・顔面などのやけどや、意識・呼吸に異常がある場合は119番へ連絡してください。
電源コードは「線」ではなく家電までつながる危険経路として見る
電源コードを見ても、それ自体は細くて軽いため、大きな事故につながるようには見えないかもしれません。でも子どもの事故では、次のようなことが実際に起きています。
- 子どもの手がコードへ届く
- コードを引く
- 高い台に置いた家電が動く
- ケトルの熱湯がこぼれる/ヘアアイロンが落ちる
さらに、床へコードが余り、子どもが引っ掛かって家電が落ちるという事故や、コードを踏む・曲げることで内部が断線し、異常発熱や火花、発火につながるという別の危険もあります。
だから、電源コードの安全確認では、コード一本だけを眺めないことが大切です。一度、子どもの高さまでしゃがんで、見えているコードを一本選んでみてください。
- このコードを引いたら、何が落ちてくるだろう
- ここを走ったら、足に掛からないだろうか
- この端子を口へ持って行けないだろうか
- 家具の後ろでコードを踏んでいないだろうか
そして、そのままコードの先を家電までたどってみます。
家電本体、電源コード、プラグ、コンセントを別々の物として見るのではなく、一つにつながった事故経路として見る。それが、電源コードによる子どもの事故を減らすための安全対策です。

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