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テレビの転倒事故から子どもを守る方法

テレビの前までハイハイして、画面をぺたぺた触る。つかまり立ちをするようになると、テレビ台へ手を掛け、そのままテレビ本体へ手を伸ばす。

そんな姿を見ると「画面を触らないでね」と声を掛けたくなりますが、テレビの転倒事故を防ぐうえで最初に考えたいのは、子どもを止め続けることではありません。触ったり引いたりしても簡単には倒れない状態を作ることです。

3.2kg

東京都の検証では、調査対象となった40型テレビを倒すために必要な力が最低1.4〜2.1kgだったのに対し、1歳児がテレビを引く力は最大3.2kgでした。小さな子どもの力でも、薄型テレビを倒せる場合があります。

東京都が1〜5歳の子どもの保護者3,090人を対象に行った調査では、テレビ転倒による危害・ヒヤリハットを経験した家庭は3割を超え、そのうち6割以上が子どもが1〜2歳のときでした。しかも約9割は、保護者から子どもが見える位置で起きています。

テレビは毎日目にする家具家電だからこそ、危険も見慣れてしまいがちです。このページでは、子どもがテレビを倒す行動から、転倒防止バンド、耐震マット、テレビ台、ガード、壁掛けまで、家庭で見直したい安全対策を紹介します。

このページでわかること

  • 子どもがテレビを倒しやすい行動
  • 1〜2歳で転倒事故に注意したい理由
  • テレビ本体を固定するときの考え方
  • 耐震マットだけでは不十分な場合
  • テレビ台やテレビガードの確認方法
  • テレビが倒れて子どもへ当たったときの対応
目次

テレビの転倒事故はどう起きる?

テレビ転倒というと、大きな地震でテレビが倒れる場面を思い浮かべるかもしれません。しかし子どものいる家庭では、日常の何気ない行動だけでもテレビへ力が加わります。画面を押す、つかまる、テレビ台へ登るといった行動が転倒につながることがあります。

子どもの行動起こり得ること最初に確認すること
画面を押す・叩くテレビが揺れる本体固定
テレビを引く前方へ転倒固定バンド
テレビにつかまる子どもの方へ倒れるスタンド・固定
テレビ台へ登るテレビごと転落台と本体
テレビ裏へ入る横や後ろから力が掛かる配置
地震で揺れるテレビ・台が転倒本体+台の固定

消費者庁も、タンスや棚だけでなくテレビが倒れ、子どもが下敷きになる事故が発生しているとして、家具やテレビを固定して使用するよう呼びかけています。

大切なのは、「うちの子はテレビを触らない」と考えることではありません。今テレビへ手を掛けたら、どこまで動くのか。そこから安全確認を始めます。

1〜2歳でもテレビを倒せることがある

テレビは子どもより何倍も大きいため、「こんな大きな物を1歳の子が倒すはずがない」と感じるかもしれません。東京都の調査を見ると、その感覚だけで安全を判断できないことが分かります。

ヒヤリハット経験の6割以上が1〜2歳

東京都が1〜5歳児の保護者3,090人へ行ったアンケートでは、テレビ転倒による危害・ヒヤリハット経験がある人のうち、6割以上が子どもが1〜2歳のときに経験していました。1〜2歳頃は、次の行動が増える時期です。

  • つかまり立ちをする
  • 歩き始める
  • 手の届く物を押す
  • 引っ張る
  • 高い場所へ登ろうとする

テレビ台やテレビ画面は、ちょうど手を掛けやすい場所になります。「歩き始めてから対策しよう」ではなく、テレビ台へ自分で近づけるようになったら固定状態を確認するくらいで考えてください。

親から見える場所でも事故は起こる

約9割

東京都の調査では、テレビ転倒の危害・ヒヤリハットを経験した場面の約9割が、保護者から子どもが見える位置で起きていました。

これは、「親が見ていなかったから事故が起きる」という単純な話ではないことを示しています。料理をしながら子どもを見ていた。すぐ横で遊んでいた。テレビへ手を伸ばす姿にも気づいていた。それでもテレビがぐらっと動くまでの時間は短いものです。

だからこそ、見守りだけではなく、手を掛けても倒れにくい環境が必要です。

1歳児の力でも40型テレビが倒れる場合がある

東京都の調査では、40型テレビを転倒させるために必要な力を検証しています。対象となった40型テレビでは、転倒に必要な力が最低1.4〜2.1kgだったのに対し、1歳児がテレビを引く力は最大3.2kgでした。

もちろん、すべての40型テレビが同じ力で倒れるわけではありません。テレビの機種、スタンド形状、設置面、固定方法によって条件は変わります。重要なのは数字そのものより、「テレビが大きい=子どもの力では倒せない」ではないということです。

子どもがテレビを倒す4つの行動

子どもはテレビを倒そうと思って触っているわけではありません。好きな映像を見て手を伸ばした、立つためにつかまった、遊んでいて裏へ入り込んだ。そんな普通の行動が転倒事故につながることがあります。

テレビ画面を押す・叩く

東京都のアンケートには、テレビ番組のキャラクターがハイタッチをする場面で、2歳の子どもが画面へハイタッチしたところテレビが倒れそうになった事例があります。

大人には画面でも、子どもにはキャラクターが目の前にいるように感じることがあります。テレビへ手を伸ばすこと自体を完全になくすより、まずは押されても転倒しにくい固定を考えてください。

テレビにつかまって立つ

つかまり立ちを始めた子どもは、手の届く場所なら何でも体を支えるために使います。

東京都の調査には、0歳児がテレビ台につかまり立ちをして遊んでいたところ、テレビの横をつかみ、テレビが大きく傾いたという事例もあります。

「まだ歩いていないからテレビ転倒は先の話」とは限りません。テレビへ手が届くようになった時点で、固定を確認します。

テレビ台へ登る

テレビ本体だけでなく、テレビ台も子どもには遊具のように見えることがあります。

東京都が紹介している事故には、4歳児がテレビ台へ登って遊んでいたところテレビとともに転落し、テレビが頭へ当たった事例があります。また2歳児がテレビ台へ登り、テレビをつかんだまま後ろへ倒れ、37インチテレビが腹部へ当たって肝損傷となり、9日間入院した事例もあります。

テレビ本体の固定だけではなく、子どもがテレビ台へ登れるかも合わせて見てください。

テレビの裏や横から引っ張る

テレビ事故は正面だけで起きるわけではありません。東京都の調査には、兄弟でかくれんぼをしていた2歳児が、テレビの裏から出ようとした拍子にテレビごと転倒しそうになった事例があります。テレビの後ろは、次のような物もあり、子どもの興味を引きやすい場所です。

  • コード
  • コンセント
  • ゲーム機
  • 録画機器

正面へガードを置いていても、横から裏へ回れる配置なら確認しておきましょう。

テレビ本体をテレビ台や壁へ固定する

テレビ転倒防止で最も優先したいのが、テレビ本体の固定です。消費者庁はテレビを固定して使用するよう案内しており、東京消防庁の現在の家具転倒対策でも、テレビを含む家電製品の転倒・落下防止対策が示されています。

まず取扱説明書を確認する

テレビを固定するときは、市販の転倒防止用品を先に買うより、まずテレビの取扱説明書を確認してください。メーカーや機種によって、次の点が異なります。

  • 付属スタンド
  • 固定ネジ
  • 転倒防止バンド
  • 背面の固定位置
  • ワイヤー固定の可否

テレビメーカーの案内でも、取扱説明書に記載されている設置方法や注意事項を守ることが基本とされています。型番が分かれば、メーカーサイトで説明書を確認できる場合もあります。

付属の転倒防止バンドを使う

テレビに転倒防止バンドが付属している場合は、使わず箱へ残していないか確認してください。東京都は、テレビ本体とテレビ台を木ネジやボルトで連結する方法や、薄型テレビに付属する転倒防止バンドを使う固定例を紹介しています。

ただ置いている状態と、テレビ本体と台が物理的につながっている状態では、子どもが前方へ引いたときの条件が違います。取り付けるネジや固定位置は機種によって異なるため、説明書に従ってください。

必要に応じて壁へのワイヤー固定も確認する

テレビによっては、背面からワイヤーなどで壁側へ固定する方法が案内されている場合があります。テレビ台へのベルト固定に加え、壁面へワイヤーなどで固定する方法が紹介されている機種もあります。

ただし壁ならどこへでもネジを打てるわけではありません。壁の材質、下地、金具の耐荷重などを確認し、メーカー指定や住宅条件に合った方法を選びます。賃貸住宅の場合は、必要に応じて管理会社や大家へ確認してください。

固定した後も緩みを確認する

転倒防止バンドやワイヤーは、一度付ければ永久に確認不要というものではありません。掃除のためにテレビを動かした。模様替えをした。ゲーム機などの配線を変えた。こうしたときに固定部が緩むことがあります。テレビを動かした後は、次のことを確認してください。

  • ベルトが外れていない
  • ネジが緩んでいない
  • ワイヤーがたるみすぎていない
  • テレビ台側の固定部分も傷んでいない

耐震マットだけで安心しない

テレビの転倒防止用品として、耐震マットや耐震ジェルを思い浮かべる方も多いと思います。手軽に設置できる一方、子どもが押したり引いたりする事故対策では、マットだけで十分とは限りません

東京都の試験では耐震マットだけでは不十分だった

東京都は40型・50型の薄型テレビを使い、次の条件でテレビを倒すために必要な力を比較しています。

  • 固定なし
  • 耐震マットを設置
  • テレビ付属の固定器具を設置

その結果、固定なしだけでなく、耐震マットを使った条件でも、1〜2歳児の引く力を下回る力でテレビが倒れる場合がありました。東京都はこの結果を踏まえ、乳幼児によるテレビ転倒を防ぐため、付属バンドなどを使ってできるだけ強く固定するよう案内しています。

マットは固定バンドの代わりとは考えない

耐震マットはテレビが滑ったり動いたりすることを抑える目的で使われます。一方、転倒防止バンドはテレビ本体をテレビ台などへ連結します。この二つは役割が同じではありません。

特に小さな子どもがテレビへ手を掛ける可能性がある家庭では、「マットを貼ったからバンドは不要」とは考えず、テレビメーカーが指定している固定方法を優先してください。

転倒防止用品はテレビの機種に合うものを使う

市販の転倒防止用品には、さまざまな種類があります。購入前に、次の点を確認してください。

  • テレビの型番
  • 重量
  • スタンド形状
  • 固定穴の位置
  • テレビ台の材質
  • 製品の対応重量

価格だけで「高いから安全」「安いから危険」と判断するのではなく、自宅のテレビに適合しているかを見ることが大切です。

テレビ台そのものも安全か確認する

テレビ本体をしっかり固定しても、その固定先となるテレビ台が不安定なら十分ではありません。東京消防庁の家具転倒対策でも、テレビはテレビ台ごと転倒する可能性があるため、台を含めた対策が必要です。

テレビの脚が台からはみ出していないか

テレビスタンドや脚がテレビ台からはみ出していないか確認してください。テレビメーカーの設置例でも、テレビのスタンドを含め、台の端からはみ出さないよう設置することが基本とされています。「ぎりぎり載っている」状態も避け、取扱説明書で必要な設置面を確認します。

テレビ台にぐらつきがないか

テレビを置く前からテレビ台自体がぐらついている場合、そこへ重いテレビを載せても安定しません。床との接地状態や家具本体を確認してください。特に次のものを使用している場合は、安定性を確認します。

  • 古いテレビ台
  • 組み立て家具
  • キャスター付きテレビ台
  • テレビ専用ではない棚

テレビ台の耐荷重を確認する

テレビのサイズだけを見て台を選ぶと、耐荷重を超えていることがあります。テレビを載せる台の耐荷重を守るよう、メーカーからも案内されています。テレビ本体だけでなく、次のものを一緒に載せている場合は、それらも含めて確認してください。

  • スピーカー
  • ゲーム機
  • 録画機器

テレビ台も必要なら壁などへ固定する

テレビとテレビ台をバンドで固定しても、テレビ台そのものが前へ倒れれば一緒に転倒する可能性があります。特に背の高いテレビボードや収納一体型の家具を使用している家庭では、台側の転倒防止も確認してください。テレビの安全は、次の順に一続きで考えます。

  1. テレビ本体
  2. テレビ台
  3. 壁・床など住宅側

テレビ台を子どもの遊具にしない

テレビ台は低い位置にあることが多く、子どもにとって登りやすい家具です。転倒事故を防ぐには、テレビ台そのものへ登るきっかけを減らすことも役立ちます。

テレビ台に登れる物を置かない

テレビ台の近くに次のような物を置いていると、そこからテレビ台へ登る場合があります。

  • 子ども用椅子
  • 踏み台
  • 大きなおもちゃ箱
  • 小さなテーブル

テレビ台単体の高さだけではなく、周囲に一段目になる物がないかも見てください。

テレビ台の上に興味を引く物を置かない

テレビ台の上にはリモコンやゲーム機など、子どもが興味を持ちやすい物が集まりがちです。消費者庁は家具・テレビの転倒防止策として、玩具など子どもの興味を引く物を家具の上へ置かないよう案内しています。「テレビ台へ登らないで」と言う前に、登りたくなる物を減らせないか確認してみましょう。

テレビの裏側も遊び場にしない

テレビの後ろは、大人には狭くて何もない場所に見えます。でも子どもにとっては、隠れる場所になることがあります。東京都には、かくれんぼ中にテレビ裏から出ようとした拍子に、テレビが転倒しそうになった事例があります。テレビの横から裏へ簡単に入り込める場合は、家具配置も含めて確認してください。

テレビガードは固定と組み合わせて使う

テレビへ近づくことそのものを減らしたい場合、テレビ周りを囲うガードを使う家庭もあります。特につかまり立ちの時期には、テレビだけでなくテレビ台や周辺機器へ触れにくくする方法の一つです。

テレビへ近づきにくくする

テレビガードには、子どもとテレビの間に距離を作る役割があります。テレビ画面を叩く、テレビ台へ登る、裏へ入り込むといった行動を減らす助けになります。ただし、使用する場合は対象年齢や設置方法など、製品の説明を確認してください。

ガードがあってもテレビ本体は固定する

ガードは、テレビ本体をテレビ台へ固定する転倒防止バンドとは役割が違います。地震でテレビが倒れたり、何らかの理由でガードを越えて子どもがテレビへ触れたりする可能性は残ります。

ガードを置くことと、テレビ本体を固定すること。この2つはどちらか一方ではなく、両方と考えてください。

ガード自体が倒れないか確認する

子どもはガードにもつかまったり、押したり、寄りかかったりします。そのためガード自体が不安定では、新しい転倒事故の原因になります。設置後は、次のことを確認します。

  • ぐらつき
  • ロック
  • 接続部
  • 子どもが押したときの動き

壁掛けテレビなら転倒事故は防げる?

テレビ台に置く薄型テレビから、壁掛けへ変更する家庭も増えています。正しく施工された壁掛けテレビなら、子どもがスタンド部分を引いて前へ倒す事故とは条件が変わります。

正しく施工された壁掛けは事故条件が変わる

壁掛けにすると、床置きやテレビ台置きのように、テレビスタンドを子どもが引くことはできなくなります。テレビ台へ登ってテレビごと倒れる事故も防ぎやすくなります。ただし、壁へ掛けているから無条件で安全になるわけではありません。

壁や金具に合った施工が必要

壁掛けテレビでは、次の点が重要です。

  • テレビの重量
  • 金具の対応重量
  • 壁の下地
  • ネジ
  • 施工方法

取り付け条件を満たしていない壁へ自己流で固定すると、テレビだけでなく金具ごと落下する可能性があります。テレビメーカーや壁掛け金具メーカーの指定を確認し、必要であれば専門業者へ施工を依頼してください。

周辺機器やコードの落下にも注意する

テレビを壁へ固定しても、周辺の棚やゲーム機、スピーカーなどが不安定なら別の落下事故が起こります。テレビ本体だけを見て終わらず、その周囲も確認します。

発達に合わせてテレビ周りを見直す

子どもの行動は成長するたびに変わります。テレビ転倒対策も、最初に固定したら何年もそのままではなく、今できる行動に合わせて見直しましょう。

発達の目安起こりやすい行動確認したいこと
ハイハイテレビ台へ近づく周囲への侵入
つかまり立ち台・テレビにつかまる本体固定
1〜2歳頃押す・引く・叩く固定+テレビ台
2〜3歳頃台へ登る・裏へ入る配置・ガード
3歳以降遊びの中で接触する固定+使い方

東京都の調査でも、テレビ転倒に関する危害・ヒヤリハット経験は1〜2歳時に多くなっています。月齢や年齢だけを見るのではなく、次のような行動を見直しの合図にしてください。

  • テレビまで自分で行けるようになった
  • 画面へ手が届いた
  • テレビ台へ足を掛け始めた

3分でできるテレビ転倒防止チェック

ここまで読んだら、自宅のテレビを実際に見てみてください。まずはテレビ本体からテレビ台、周囲の家具まで順番に確認します。各項目はタップしてチェックを付けられます。

テレビ本体

テレビ台

子どもの行動

テレビ周り

全部を今日一度に変えなくても構いません。最初に確認してほしいのは、テレビの後ろに転倒防止バンドが付いているかです。付属品を使っていなかったことに気づいたら、説明書を確認するところから始めてください。

テレビの転倒防止でやりがちな勘違い

薄型テレビは毎日同じ場所に置かれているため、安定しているように見えます。でも、実際に子どもが触れたときの条件は、大人が普通にテレビを見ているときとは違います。

「大きなテレビだから子どもには倒せない」

テレビの大きさだけでは判断できません。東京都の調査対象となった40型テレビでは、倒すために必要な力が最低1.4〜2.1kgだった一方、1歳児の引く力は最大3.2kgでした。小さな子どもだから力も小さい、と決めつけないことが大切です。

「親が見ていれば大丈夫」

東京都調査では、テレビ転倒の危害・ヒヤリハットを経験した場面の約9割が、保護者から子どもが見える位置でした。親がそばにいることは大切ですが、それだけでテレビ本体の固定を省けるわけではありません。

「耐震マットを貼ったから安全」

東京都の試験では、耐震マットを設置したテレビでも、1〜2歳児の引く力を下回る力で転倒する場合がありました。耐震マットだけで乳幼児による転倒を防げるとは考えず、付属バンドなどによる固定を確認してください。

「テレビだけ固定すればいい」

テレビとテレビ台を固定していても、テレビ台自体が倒れれば一緒に転倒する可能性があります。テレビ台のぐらつき、耐荷重、設置状態も確認します。テレビとテレビ台を一つのセットとして見ることが大切です。

「テレビガードがあるから固定しなくていい」

テレビガードは、子どもをテレビへ近づきにくくするための対策です。テレビ本体を台や壁へ連結する固定とは目的が違います。ガードを設置していても、本体の転倒防止は別に行ってください。

「歩き始めるまでは対策不要」

歩けなくても、つかまり立ちをすればテレビやテレビ台へ体重を掛けることができます。東京都には0歳児がテレビへ手を掛け、テレビが倒れそうになった事例もあります。歩けるかではなく、テレビへ手が届くかを基準にしてください。

テレビが倒れて子どもに当たったとき

テレビが子どもへ倒れた場合は、画面や本体の破損より先に子どもの状態を確認してください。東京都には、テレビが頭へ当たった後に意識がもうろうとした4歳児や、37インチテレビが腹部へ当たり肝損傷となった2歳児の事例があります。まず、次のことを確認します。

  • 意識があるか
  • 普段どおり呼吸しているか
  • 大きな出血がないか
  • けいれんしていないか
  • 吐いていないか
  • 手足を普段どおり動かせるか
  • 反応や様子が普段と違わないか

119番/頭を打った後に意識を失った、吐いた、けいれんした、反応が悪くなった、手足に力が入らないといった症状は、東京消防庁の救急受診ガイドでも緊急性を判断する症状として挙げられています。意識が戻らない、呼吸がおかしいなど明らかに緊急性が高い場合は連絡してください。

#8000/休日や夜間に受診した方がよいか判断に迷った場合には、全国共通の子ども医療電話相談で小児科医師・看護師へ相談できます。実施時間は都道府県によって異なります。

テレビの転倒防止についてよくある質問

テレビの種類や台の形、住宅環境によって適した固定方法は変わります。よく迷いやすいところを整理します。

テレビの転倒防止は何歳まで必要?

「何歳になったら外してよい」と一律には決められません。幼児期を過ぎても、兄弟で遊んでテレビへぶつかったり、地震で転倒したりする可能性があります。テレビの転倒防止は子ども対策だけでなく地震対策にもなるため、年齢だけを理由に固定を外す必要はありません。

耐震マットだけで子どもの転倒事故を防げる?

東京都の検証では、耐震マットを使用していても、1〜2歳児の力で倒れる可能性がある条件が確認されています。そのため、乳幼児の転倒防止ではマットだけに頼らず、テレビ付属の転倒防止バンドなどを確認してください。

テレビの転倒防止ベルトはどこへ付ける?

テレビの機種によって固定位置が異なります。テレビ背面の指定位置とテレビ台などを連結するタイプが多いですが、使用するネジや固定箇所は取扱説明書を確認してください。自己流で別のネジ穴へ固定すると、テレビ本体を傷めたり十分な強度が得られなかったりする可能性があります。

賃貸住宅ではテレビをどう固定する?

まずテレビに付属する転倒防止部品と、テレビ台へ固定できる方法を確認してください。壁へのネジ止めが必要な場合は、賃貸借契約や管理会社のルールも確認します。穴を開けられないから無固定のままにするのではなく、メーカーや管理会社へ相談し、自宅の条件で可能な方法を探してください。

テレビ台も固定した方がいい?

テレビ台自体が倒れる可能性がある場合は、台の対策も確認する必要があります。東京消防庁の家具転倒対策でも、テレビ台ごと転倒する可能性を考えた対策が示されています。テレビと台を連結しただけで終わらず、台のぐらつきや固定状態も見てください。

テレビガードがあれば本体固定は不要?

不要にはなりません。テレビガードは子どもがテレビへ近づきにくくするためのもので、テレビ自体を台や壁へ固定する器具ではありません。ガードを使用する場合も、本体の転倒防止を別に行います。

壁掛けテレビなら子どもの転倒対策は不要?

正しく施工された壁掛けテレビでは、スタンド式テレビを子どもが引いて倒す事故とは条件が変わります。ただし、壁掛け金具や壁の下地がテレビの重量へ対応している必要があります。さらに周辺機器や棚の落下対策も別に必要です。

テレビが子どもの頭やお腹に当たったらどうする?

テレビの重量によっては重大なけがにつながる可能性があります。頭を打った後に意識を失う、吐く、けいれんする、反応が悪くなる、手足に力が入らないなどの場合は、救急要請が必要になることがあります。明らかに緊急性が高い場合は119番へ連絡してください。休日・夜間に受診について迷う場合は、#8000で小児科医師・看護師へ相談できます。

テレビは「触らせない」より先に倒れない状態へ変える

テレビ画面は光り、音が出て、好きなキャラクターも映ります。小さな子どもにとって、「触らないで」と言われても気になるのは自然なことです。だから、次のような行動を親が毎回止めるだけでは追いつきません。

  1. テレビへ近づく
  2. 画面を押す
  3. テレビにつかまる
  4. テレビ台へ登る

そのうえで、次の3つがそろった環境を作っておきましょう。

  • テレビ本体を固定する
  • テレビ台も安定させる
  • 登る理由を減らす

東京都の調査では、テレビ転倒の危害・ヒヤリハット経験の約9割が、保護者から子どもが見える位置で起きていました。見ているつもりでも、テレビが傾くまでの時間はほんの一瞬です。

まず今日、自宅のテレビの後ろを見てみてください。購入したときに付いていた転倒防止バンドが取り付けられているか。テレビ台はぐらついていないか。耐震マットだけで終わっていないか。

毎日「テレビを触らないで」と言い続けるより、触ったとしても重大な事故につながりにくい状態へ変えておくことが、子どもをテレビの転倒事故から守るための現実的な安全対策です。

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