洗濯機は毎日のように使う家電なので、「子どもにとって危険な物」という意識は薄くなりがちです。
けれども、子どもが洗濯機の中へ入り込む、回転中の洗濯物へ手を入れる、蓋やドアに指を挟むといった事故が実際に起きています。
消費者庁には、ドラム式洗濯機の中へ幼児が入り、チャイルドロックが使われていなかったため閉じ込められ、窒息したと推定される死亡事故も報告されています。
洗濯機の事故で覚えておきたいのは、「動いているときだけ危険」ではないことです。ドラム式では、電源を切っていても子どもが中へ入れば閉じ込められる可能性があります。縦型では、踏み台へ登って洗濯槽をのぞいたり、水が残った槽へ転落したりする危険があります。
さらに近年は、防水パンやかさ上げ台によって洗濯機の下へ隙間ができ、そこへ子どもが手を入れて回転部に巻き込まれる事故も注意喚起されています。
洗濯機の安全対策では、次の4つがそろった環境を作ることが大切です。
- 中へ入れない
- 開けられない
- 登れない
- 動いている部分へ触れられない
このページでは、洗濯機で起きる子どもの事故と、ドラム式・縦型それぞれで確認したい安全対策を紹介します。
このページでわかること
- 洗濯機で起きる子どもの事故
- ドラム式で閉じ込め事故が起きる理由
- 縦型洗濯機で注意したい転落・溺水
- チャイルドロックを使うタイミング
- 回転中の洗濯槽へ手を入れる危険
- 洗濯機下の隙間で起きる巻き込まれ事故
- 家庭でできる洗濯機の安全確認
洗濯機ではどんな子どもの事故が起きる?
洗濯機の事故は、一種類ではありません。洗濯機の形や使っている状態によって、危険になる場所が変わります。
| 洗濯機での場面 | 起こり得る事故 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| ドラム内へ入る | 閉じ込め・窒息 | チャイルドロック |
| 縦型の槽をのぞく | 転落・溺水 | 水・踏み台 |
| 運転中に手を入れる | 巻き込まれ・指のけが | 完全停止 |
| ドアや蓋を閉める | 指挟み | 子どもの手の位置 |
| 洗濯機下へ手を入れる | 回転部への巻き込まれ | 底部の隙間 |
| 本体へ登る | 転落 | 周囲の踏み台 |
消費者庁には、1歳児がドラム式洗濯機のドアに手を挟んだ事故や、5歳児がすすぎ運転中の洗濯機へ腕を入れ、回転中の洗濯物に手を巻き込まれて重傷を負った事故も寄せられています。
洗濯機本体だけを見るのではなく、入口・中・下・周囲の4方向から確認すると危険を見つけやすくなります。
ドラム式洗濯機では閉じ込め事故に注意する
ドラム式洗濯機は、前面の低い位置に大きなドアがあります。子どもの目線から見ると、大きな箱や隠れ場所のように見えることもあり、自分で扉を開けて中へ入る可能性があります。
子どもが自分でドラム内へ入ることがある
消費者庁は、ドラム式洗濯乾燥機の前面ドアは、子どもでも中をのぞいたり自力でドラム内へ入ったりしやすい高さにあると注意喚起しています。
実際に、かくれんぼをしていた8歳児がドラム内へ入り、扉が完全に閉じた状態で発見され、その後死亡が確認された事故があります。
大人にとっては家電でも、子どもにとっては「中に入れそう」「隠れられそう」「何があるか見てみたい」と感じる場所になることがあります。
かくれんぼや遊びで入る事故もある
「洗濯をしようとして事故が起きる」とは限りません。過去には、かくれんぼ中に子どもが洗濯機の中へ入り込んだ事故も報告されています。遊びの延長で中へ入るため、保護者が洗濯機を使っていない時間でも事故は起こり得ます。
そのため、「洗濯が終わったから安全」とは考えないことが大切です。
電源が入っていなくても危険
ドラム式の閉じ込め事故では、洗濯機が運転している必要はありません。子どもが中へ入り、次の状態になること自体が危険です。
- ドアが閉まる
- 自分で開けられない
- 家族が気づかない
消費者庁も、洗濯機を使用していないときにもチャイルドロック機能を使うよう案内しています。
洗濯機を使っていないときもチャイルドロックを使う
チャイルドロックという名前から、「運転中に子どもが操作しないようにする機能」と思うかもしれません。しかし、ドラム式洗濯機では、使用していない時間の閉じ込め防止にも重要な役割があります。
使用後もドアを閉めてロックする
日本電機工業会(JEMA)は2026年1月現在、小さな子どもがいる家庭へ、洗濯機を使用していないときも容易に開けられないようチャイルドロック機能を活用することを案内しています。
消費者庁も、次の2つをあわせた対策を推奨しています。
- 使用後はドアを閉める
- チャイルドロックを利用する
扉を開けたまま乾燥させる習慣がある家庭では、自宅の機種の取扱説明書を確認しながら、子どもが簡単に中へ入れない方法を考えてください。
チャイルドロックの操作方法を確認する
チャイルドロックの仕組みはメーカーや機種によって異なります。電源を切った後もロックされるのか、特定の操作が必要なのかなど、自宅の洗濯機で一度確認しておきましょう。JEMAも、各社で操作方法が異なるため、取扱説明書またはメーカーへ確認するよう案内しています。
事故が気になったときに調べるのではなく、普段から使える状態にしておくことが大切です。
「運転中だけロック」だと思い込まない
閉じ込め事故の予防では、運転中よりもむしろ「洗濯機を使っていない時間」にロックが必要になることがあります。消費者庁が紹介する死亡事故でも、チャイルドロック機能は搭載されていましたが、日常的には使用されていませんでした。
機能が付いているだけでは事故は防げません。毎回使える仕組みにすることまでが安全対策です。
内側から開けられるドラム式でもロックは必要
最近のドラム式洗濯機では、閉じ込め事故を防ぐための構造改善が進んでいます。ただし、「新しい洗濯機だから子どもが中へ入っても大丈夫」という意味ではありません。
現在のドラム式は閉じ込め対策が進んでいる
消費者庁によると、過去の事故を受け、2018年5月に電気用品安全法の技術基準における要求事項が明確化され、一定条件の前面開放式洗濯機では、通電していないときなどに内側から扉を開けられる構造が求められるようになりました。JEMAも、最新式のドラム式洗濯乾燥機は、閉じ込められても比較的小さな力で内側から開けられる構造へ改良されていると説明しています。
古い洗濯機では構造が異なる場合がある
現在使われているすべてのドラム式洗濯機が同じ構造とは限りません。事故防止構造が求められるようになる前の製品も、家庭ではまだ使用されています。消費者庁も、従来製品には内側から開けられる構造ではない機種があるとして注意を呼びかけています。購入時期だけで判断せず、自宅の機種の説明書を確認してください。
内側から開けられても「入らせない」が基本
内側から開けられる構造は、万一閉じ込められたときの対策です。事故そのものを起こさないためには、そもそも子どもがドラム内へ入れない状態を作る方が先です。消費者庁も、内側から開けられる構造かどうかにかかわらず、チャイルドロックを使用するよう案内しています。
縦型洗濯機では槽への転落と溺水に注意する
ドラム式洗濯機の閉じ込め事故が知られるようになったことで、「縦型なら安心」と感じる方もいるかもしれません。しかし、縦型には別の事故があります。
洗濯槽をのぞこうとして転落する
縦型洗濯機は上から洗濯物を入れます。子どもだけでは届かなかったとしても、近くに踏み台や椅子があれば、登って中をのぞくことができます。そこで体を乗り出せば、頭から洗濯槽へ転落する可能性があります。消費者庁も、洗濯機の周囲には踏み台になる物を置かないよう注意喚起しています。
洗濯機の中に水を残さない
縦型洗濯機の槽へ水が残っている状態で子どもが転落すると、溺水につながる可能性があります。消費者庁は、わずかな水深でも子どもは溺れるおそれがあるとして、使用後の洗濯機には水をためたままにしないよう案内しています。
「半分しか水が入っていないから」「つけ置きしているだけだから」と考えず、水をためている状態そのものを事故条件として見てください。
つけ置き中も事故条件になる
つけ置き洗いでは、洗濯機が動いていなくても槽に水があります。つまり、電源を切っていること=安全ではありません。小さな子どもがいる家庭では、つけ置き中に一人で洗濯機へ近づけないようにすることが必要です。
洗濯機の近くに踏み台になる物を置かない
洗濯機の高さだけを見て、「まだ届かないから大丈夫」と考えるのは危険です。子どもは周囲にある物を使って、自分で高さを作ることがあります。
踏み台があると届かなかった場所へ届く
洗濯機の近くには、次のような物が置かれやすくなります。
- 洗濯かご
- 子ども用踏み台
- 椅子
- 収納ボックス
- バケツ
大人にとっては収納用品でも、子どもにとっては登るための台になる場合があります。洗濯機の安全確認では、本体だけでなく周囲50cm、1mほどの範囲に登れそうな物がないかを見るつもりで確認してください。
縦型洗濯機をのぞける高さになる
床からは届かなくても、10cm、20cm高くなるだけで洗濯槽へ手が届くことがあります。そこからさらに身を乗り出せば、頭の重い乳幼児はバランスを崩しやすくなります。消費者庁も、洗濯機の近くへ乗りやすい台を置かないよう繰り返し案内しています。
ドラム式の上へ登るきっかけにもなる
ドラム式では、踏み台から洗濯機の上へ登る可能性もあります。JEMAは、洗濯機の上へ物を置いたり乳幼児を乗せたりすると、破損や滑り落ちるおそれがあるとして注意しています。「洗濯機へ登るための一段目」を周囲に作らないようにしてください。
回転中の洗濯槽へ手を入れさせない
洗濯機の回転は、見た目より大きな力があります。特に洗濯物が回っている状態へ手を入れると、衣類が指や腕へ巻き付き、重いけがにつながることがあります。
蓋が開いても槽が止まっているとは限らない
消費者庁には、5歳児がすすぎ運転中の洗濯機の蓋を開け、腕を入れたところ、回転中の洗濯物へ手が絡んで抜けなくなり、指を負傷した事故が報告されています。別の事故では、回転中の洗濯物へ指が巻き付いたことで薬指が重傷となり、切断が必要になった例もあります。
「蓋が開いたから止まったはず」と思い込まないようにします。
完全に停止するまで中へ手を入れない
消費者庁は、洗濯機が完全に停止していない状態で中へ手を入れないよう注意喚起しています。槽がゆっくり回っているだけでも、洗濯物が手や指へ巻き付く可能性があります。洗濯物を取り出すのは、次の順を確認してからにしてください。
- 完全に停止
- ロック解除
- 安全を確認
子ども自身に洗濯物を取り出させる時期も考える
洗濯物を取り出す作業は、子どもがお手伝いしやすい家事です。ただし、洗濯機が完全停止したことを理解できない時期に任せる必要はありません。まず大人が停止を確認し、安全な状態になってから一緒に取り出すなど、子どもの発達に合わせて任せる範囲を決めましょう。
洗濯機のドアや蓋で指を挟まないようにする
洗濯機のドアや蓋も、子どもの指を挟む場所になります。特に洗濯物を入れたり取り出したりするときは、大人がドアだけを見ていて子どもの手に気づかないことがあります。
子どもがドアへ手を掛けていることがある
消費者庁には、1歳児がドラム式洗濯機のドアへ手を掛けていたことに保護者が気づかず、勢いよくドアを閉めて手を挟んだ事故があります。
洗濯機を閉める前に、次の3か所を確認してください。
- ドアの縁
- 子どもの手
- 足元
洗濯物を出し入れするとき子どもの手を見る
大人がかがんで洗濯物を入れていると、子どもも興味を持って近づきます。ドアの横へ手を置く、蓋を一緒に閉めようとすることもあります。洗濯機の操作中は、子どもがすぐ横へ来ていないか確認してください。
ドアを子どもの遊び道具にさせない
ドラム式洗濯機では、開ける・閉める動作そのものが遊びになることがあります。JEMAも、小さな子どもを洗濯機へ近づけず、小学生などにも周囲で遊ばないよう説明することを案内しています。「閉める練習」として遊ばせるのではなく、洗濯機は家電であり遊ぶ場所ではないことを伝えます。
洗濯機の下の隙間へ手や足を入れさせない
洗濯機の安全対策というと、ドアや洗濯槽へ目が向きます。しかし、本体の下側にも重大な事故につながる場所があります。
かさ上げした洗濯機では下に隙間ができる
排水や掃除のしやすさなどを理由に、洗濯機をかさ上げ台や防水パンの上へ設置する家庭があります。その結果、洗濯機の底と床の間へ、子どもの手が入る隙間ができる場合があります。JEMAは、洗濯機をかさ上げすると床面との間に隙間ができ、手足が入りやすくなるとして注意喚起しています。
回転部へ指を巻き込まれた事故がある
約7cm
消費者庁には、かさ上げして設置した縦型全自動洗濯機の下に約7cmの隙間ができ、2歳児が運転中に手を入れたことで、回転部へ薬指を巻き込まれ、一部切断・骨折となった事故が報告されています。
上から見れば普通に動いている洗濯機でも、下には回転する部品があります。子どもの高さから一度、洗濯機の底を見てください。
手足が入る隙間がある場合は覆う
消費者庁は、洗濯機と床や防水パンの間に手足が入る隙間がある場合、まずその隙間を覆い、安全な設置へ変更できないか検討するよう案内しています。
使用できる対策部材や設置方法は、洗濯機の機種や設置環境によって異なります。自己流で通気や排水を妨げるような物を詰めるのではなく、取扱説明書やメーカーの案内を確認してください。
洗濯機の下へ物が落ちても運転中に取らない
靴下、おもちゃ、洗濯ばさみなどが洗濯機の下へ落ちることがあります。JEMAは、洗濯機下を掃除したり落とした物を取ったりするときには、必ず電源プラグを抜き、洗濯機が停止していることを確認するよう案内しています。
子どもにも、「下に物が入ったら自分で取らず、大人を呼ぶ」と伝えておくとよいでしょう。
洗濯機の上へ子どもを乗せない
洗濯機は天面が平らな製品も多く、一時的な物置として使いたくなることがあります。しかし、子どもを乗せる場所として作られているわけではありません。
洗濯機の上はおむつ替え台ではない
脱衣所は着替えやおむつ交換をすることが多いため、「少しだけ洗濯機の上へ寝かせよう」と思うことがあるかもしれません。JEMAは、洗濯機の上へ乳幼児を乗せると滑り落ちるおそれがあるとして注意しています。高さのある場所から転落すれば、頭部を強く打つ可能性もあります。
一時的でも乳幼児を乗せない
事故は、長時間乗せたときだけに起きるわけではありません。寝返りをした、急に起き上がった、大人がタオルを取るため振り向いた。ほんの短時間でも転落する可能性があります。おむつ替えや着替えは、安全な床面や専用スペースで行いましょう。
洗濯機へ登れる物を周囲に置かない
子ども自身が登ることも防ぎます。洗濯機横の収納ケースや踏み台が、次のような登るルートになっていないか確認してください。
- 床
- 踏み台
- 洗濯機
洗濯機がある部屋へ子どもだけで入れないようにする
洗濯機そのものへ対策するだけでなく、洗濯機がある場所へ一人で入れないようにする方法もあります。特にランドリールームや洗面所が生活空間から離れている場合、大人の死角になりやすくなります。
洗面所・ランドリールームの入口を対策する
ドラム式の閉じ込め事故では、「子どもが洗濯機へ近づけた」ことが事故の最初の条件です。そこで、次の二重の対策を考えます。
- 洗濯機を開けられない
- そもそも洗濯機まで行けない
必要ならベビーゲートを使う
消費者庁は、チャイルドロックがない場合などに、洗濯機を置いている部屋へ鍵を掛けたり、ベビーゲートを設置したりする方法を紹介しています。家の間取りや避難動線を妨げない範囲で、子どもが自由に入れない仕組みを検討してください。
洗濯機・部屋の入口で二重に守る
子どもの事故では、一つの対策が外れることがあります。ロックを忘れる。ドアが開いていた。踏み台が移動されていた。そのため、「部屋へ一人で入れない」と「洗濯機も開けられない」というように、複数の対策を重ねておくと事故が起きにくくなります。
ドラム式と縦型では見る場所が違う
「ドラム式と縦型では、どちらが子どもに安全ですか?」と考える方もいるでしょう。しかし、単純にどちらか一方が安全とは言えません。危険になる場所が違います。
| 確認項目 | ドラム式 | 縦型 |
|---|---|---|
| 中へ入り込む | 特に注意 | 踏み台があれば注意 |
| 閉じ込め | 特に注意 | 構造が異なる |
| 水への転落 | 注意 | 特に注意 |
| 回転中の巻き込まれ | 注意 | 特に注意 |
| 指挟み | 前面ドア | 上蓋 |
| 踏み台 | 置かない | 置かない |
| チャイルドロック | 未使用時も確認 | 使用時など機能を確認 |
| 本体下の隙間 | 設置状況を見る | かさ上げ時は特に確認 |
自宅がドラム式ならドラム式の危険だけを見るのではなく、洗濯機下や周囲も確認してください。縦型でも「子どもが中へ入れないから安心」ではなく、水・回転・踏み台を確認します。
洗濯機の安全対策は子どもの成長に合わせて変える
赤ちゃんの頃には触れなかった洗濯機でも、成長すると自分で近づき、開け、登れるようになります。昨日できなかったことが、ある日急にできるようになるのが子どもです。
| 発達の目安 | 起こりやすい行動 | 見直したい場所 |
|---|---|---|
| ハイハイ | 洗濯機の下へ近づく | 底部の隙間 |
| つかまり立ち | 本体やドアへ手を掛ける | 指挟み |
| 1〜2歳頃 | 開ける・のぞく | ロック |
| 2〜3歳頃 | 踏み台へ登る | 周囲の物 |
| 3〜6歳頃 | 中へ入る・隠れる | ドラム式 |
| 小学生頃 | 洗濯を手伝う | 完全停止・操作方法 |
年齢表だけで判断する必要はありません。次の3点を見て対策を変えていきましょう。
- 今、何を開けられるか
- 何へ登れるか
- どこへ手が届くか
子どもには「洗濯機は遊ぶ場所ではない」と伝える
安全用品やロックで環境を整えたうえで、子どもにも洗濯機の使い方を伝えます。ただし、「言ったからもう大丈夫」と安全装置を外すことはしません。
洗濯槽の中には入らない
ドラム式洗濯機は、かくれんぼの場所として使わないことを伝えます。「中に入るとドアが閉まって出られなくなることがあるから、入らないよ」と、禁止する理由も短く説明すると分かりやすくなります。
中をのぞくために登らない
縦型洗濯機では、「中を見たくても椅子や踏み台に登らない」と伝えます。特に洗濯物が回る様子に興味を持つ子どもは、繰り返し見ようとすることがあります。
動いている間は触らない
「洗濯機が動いているときは蓋を開けない」ことを家族のルールにします。子どもがお手伝いを始める年齢になっても、大人が完全停止を確認してから洗濯物を触らせます。
洗濯機の下へ手を入れない
これは子ども自身にも具体的に伝えておきたいルールです。JEMAも、小学生などを含めて洗濯機の周囲で遊ばないよう説明するよう求めています。下へ物が落ちたら、「自分で取らないで呼んでね」までセットで伝えます。
3分でできる洗濯機の安全チェック
一度、洗濯機の前へ子どもの目線で立ってみてください。高い場所だけでなく、床に近いところにも事故の入り口があります。各項目はタップしてチェックを付けられます。
ドア・蓋
洗濯槽
洗濯機周辺
洗濯機の下
一つでも気になる場所があれば、そこから直してみてください。
洗濯機の安全対策でやりがちな勘違い
毎日使っている家電ほど、危険な状態に慣れてしまいます。洗濯機で特に見直したい思い込みを整理します。
「電源を切っていれば安全」
ドラム式洗濯機の閉じ込め事故は、運転中でなくても起こります。消費者庁には、チャイルドロックを使用していない状態で子どもがドラム内へ入り、窒息死した事故が報告されています。見るべきなのは電源ではなく、子どもが扉を開けて中へ入れるかです。
「ドラム式だけが危険」
縦型でも事故は起きています。水が入った槽への転落や、回転中の洗濯物への巻き込まれがあり、子どもの指が切断に至った事例もあります。洗濯機の種類によって危険の形が違うだけです。
「新しいドラム式なら中から開くから大丈夫」
現在のドラム式では閉じ込め対策が進んでいます。それでもJEMAは2026年1月現在、使用していないときにもチャイルドロックを活用し、子どもが容易に開けられないようにすることを求めています。閉じ込め防止構造は、子どもを中へ入れてよい機能ではありません。
「蓋が開いたなら回転も止まっている」
機種や状態によっては、蓋が開いていても内部が完全停止していない可能性があります。過去には、すすぎ運転中に子どもが手を入れ、洗濯物へ巻き込まれて重傷を負った事故があります。完全停止を目で確認するまでは、中へ手を入れないでください。
「高さがあるから子どもは中をのぞけない」
周囲に踏み台があれば条件が変わります。消費者庁は、洗濯機の近くへ踏み台になる物を置かないよう案内しています。洗濯機の高さだけではなく、周囲に高さを足す物がないかを見ることが大切です。
「洗濯機の下は触れない場所」
かさ上げ設置によって、底部へ子どもの手が入る隙間ができることがあります。実際に約7cmの隙間へ2歳児が手を入れ、回転部へ巻き込まれて指の一部を失う事故が起きています。洗濯機の安全確認では、必ず一度しゃがんで下側も見てください。
「子どもに危険だと教えればロックは不要」
言葉を理解できることと、毎回そのルールを守れることは別です。遊びに夢中になっていたり、友達やきょうだいと一緒だったりすれば、普段とは違う行動をすることがあります。子どもへの声かけと、チャイルドロックなどの環境対策を両方続けましょう。
洗濯機で事故が起きたときはどうする?
洗濯機の事故は、閉じ込め、巻き込まれ、溺水、指挟みなど原因によって対応が異なります。まずは洗濯機を安全に停止させ、子どもの状態を確認します。
ドラム内に閉じ込められた
子どもがドラム内へ閉じ込められているのを見つけたら、すぐに救出します。救出後に呼び掛けても反応がない、正常に呼吸していない場合は119番へ通報してください。こども家庭庁は、意識がなく呼吸が停止している場合、直ちに胸骨圧迫による心肺蘇生を開始し、119番通報後は通信指令員の指示に従うよう案内しています。
回転中の槽へ手を巻き込まれた
まず洗濯機を停止します。手や指が機械へ巻き込まれた状態で、無理に強く引っ張らないでください。
出血がある場合は、救出後に清潔なガーゼなどを当てて圧迫止血します。こども家庭庁も、出血時は傷を確認してガーゼを当て、出血がひどい場合は止血しながら受診するよう案内しています。
指の一部が切断されているなど重大な外傷では、119番へ連絡して指示を受けてください。消防庁の口頭指導では、出血への直接圧迫を優先し、切断された指がある場合は可能な限り清潔に保って医療機関へ持っていくことが示されています。
洗濯槽の水へ転落した
子どもが水の入った洗濯槽へ転落した場合は、すぐに引き上げます。呼び掛けても反応がない場合は119番へ通報し、呼吸もなければ心肺蘇生を開始します。こども家庭庁は、溺水後に反応がない場合には救急車を呼び、呼吸がなければ直ちに心肺蘇生を始めるよう案内しています。
水を飲んでいるように見えても、逆さにして無理に吐かせることはしません。
ドアや蓋へ指を挟んだ
指を挟んだ場合は、次の点を確認します。
- 出血
- 腫れ
- 指の変形
- 指先の色
- 爪の損傷
出血している場合は圧迫止血し、変形している、強い痛みが続く、指を動かせないなどの状態があれば医療機関へ相談してください。
119番/反応がない、正常に呼吸していない、指の一部が切断されているなど緊急性が高い場合は連絡し、通信指令員の指示に従ってください。
#8000/休日や夜間に受診するべきか迷った場合は、全国共通の子ども医療電話相談で、小児科医師や看護師へ相談できます。
洗濯機の子どもの事故についてよくある質問
洗濯機は機種によって機能が違うため、「自宅ではどうすればいいのか」と迷いやすい家電です。よくある疑問を整理します。
洗濯機のチャイルドロックは使っていないときも必要?
ドラム式洗濯機では、使用していないときにも活用してください。消費者庁とJEMAは、運転停止中の閉じ込め事故を防ぐため、未使用時にも扉を閉じ、チャイルドロックを利用するよう案内しています。自宅の機種で、電源OFF時にどのようにロックするか確認しておきましょう。
ドラム式洗濯機は中から開けられる?
現在の製品では閉じ込め事故を踏まえた構造改善が進んでいます。一定条件の前面開放式洗濯機では、2018年以降、通電していない場合などに内側から開けられる構造が求められるようになりました。ただし、古い製品などでは構造が異なる場合があるため、自宅の機種を確認してください。
新しいドラム式なら閉じ込め事故は起こらない?
そうとは言えません。JEMAは最新式が内側から開けやすい構造へ改良されているとしたうえで、2026年現在もチャイルドロックの使用や、子どもを近づけないことを呼びかけています。「出られる機能」より、「入らせない環境」を優先します。
縦型洗濯機なら子どもがいても安全?
縦型でも、水への転落や回転中の巻き込まれ事故があります。また、かさ上げした縦型洗濯機の下へ手を入れ、回転部に指を巻き込まれた事故も起きています。ドラム式とは別の安全対策が必要です。
洗濯機につけ置きの水を残しても大丈夫?
小さな子どもが近づける状態では避ける方が安全です。消費者庁は、子どもがいる家庭では洗濯機へ水をためたままにしないよう案内しています。つけ置きが必要な場合でも、子どもが一人で洗濯機へ近づけない環境を作ってください。
洗濯機の近くに踏み台を置いてはいけない?
小さな子どもがいる家庭では、洗濯機へ登れる足場になる物は近くへ置かない方が安全です。消費者庁とJEMAも、乗りやすい台を洗濯機周辺へ置かないよう案内しています。洗濯かごや収納ボックスが踏み台になっていないかも確認してください。
洗濯機の下に隙間がある場合はどうすればいい?
子どもの手足が入る隙間がある場合は、そのままにしないでください。消費者庁は隙間を覆い、安全な設置へ変更できないか検討するよう案内しています。設置方法を変更するときは、洗濯機メーカーの取扱説明書や設置説明書を確認してください。
子どもに洗濯物を取り出してもらっても大丈夫?
洗濯機が完全に停止したことを大人が確認できる状態であれば、年齢や発達に合わせてお手伝いしてもらうことはできます。ただし、回転中に手を入れる危険を十分理解できない時期には、一人で取り出させない方が安全です。大人が停止確認をしてから一緒に行いましょう。
洗濯機の上でおむつ替えをしてもいい?
避けてください。JEMAは、洗濯機の上へ乳幼児を乗せると滑り落ちるおそれがあると注意喚起しています。「すぐ横にいるから」「数秒だけだから」と考えず、安全な床面やおむつ替えスペースを使いましょう。
洗濯機は「使っていない時間」まで安全にする
洗濯機の安全対策というと、「運転中に触らせない」ことを最初に考えるかもしれません。もちろん、それも必要です。しかしドラム式洗濯機では、次のような事故が起こります。
- 洗濯が終わる
- 電源を切る
- チャイルドロックを使わない
- 子どもがドアを開ける
- ドラム内へ入る
- ドアが閉まる
- 家族が気づくのが遅れる
実際に消費者庁には、チャイルドロックを使用していない状態で幼児がドラム内へ入り、死亡した事故が報告されています。縦型でも、次のような事故条件があります。
- 踏み台へ登る
- 洗濯槽をのぞく
- 体を乗り出す
- 槽へ転落する
さらに洗濯機の下では、かさ上げによってできたわずかな隙間が、子どもの手には十分な入口になることがあります。
洗濯が終わったあと、一度洗濯機の前へしゃがんでみてください。ドアは子どもでも開けられないか。横に踏み台になる物はないか。縦型なら中をのぞけないか。洗濯機の下へ小さな手が入る隙間はないか。
洗濯機の事故防止は、「使っている間だけ見守る」ことではありません。使っていない時間まで、入れない・開けられない・登れない・手を入れられない状態にする。
毎日使う家電だからこそ、その状態を特別な対策ではなく、いつもの洗濯の流れにしておくことが、子どもを洗濯機の事故から守ることにつながります。

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